2023.04.02
デンカ株式会社と日本陸連が主催した「目指せ、陸上スペシャリストへの道!~レジェンドたちによる子ども走り方教室~」が4月2日、東京・豊洲の新豊洲Brilliaランニングスタジアムで行われた。
新型コロナウイルスやインフルエンザの検査キットなどを手掛け、ヘルスケアや健康増進を目指すデンカのサポートを受け、陸上を通じた心身の健康の保持と増進、および生涯学習の機会提供を目的に開催。都内やその近郊から小学生29人が参加した。
講師役を務めた「レジェンド」は女子マランで五輪2大会連続メダルの有森裕子さんと、女子100m、200m日本記録保持者の福島千里さんの2人。
加えて、日本陸連科学委員会が記録計測サポートと、ストライドとピッチの関係やリレーのバトンパスのポイントを、トップ選手のデータを使って解説するなどのミニ授業を実施。知識をプラスしてから、実技のアスレティックスタイムへと移っていった。
掛け声に合わせて身体を反応させるウォーミングアップからスタートし、2組に分かれて50mと立ち幅跳びを計測を行った。
50mでは、福島さんからスタート時の姿勢について2つのアドバイスが送られた。「前に出した脚にしっかり体重を乗せることと、後ろの足から頭のつむじまでがまっすぐになるように」。実際にスタートから1歩目の練習をしてから、計測を1本、同じようなタイムの人との競争を1本の計2本が行われた。
立ち幅跳びも、1人につき2回計測。日本陸連指導者養成委員会のハニカット陽子さん(女子走高跳00年シドニー五輪11位)がサポートし、有森さんも子供たち1人ひとりに声をかけて励ましていた。
最後にリレーが行われ、レジェンド2人に保護者も交えた4チームが2組に分かれて対決。1組、2組とも大熱戦が繰り広げられ、会場は大盛り上がりとなった。
リレーの後は質問コーナーの時間に。「毎日走ろうと思っているけど、あきらめそうになる時もあります。そんな時はどうすればいいですか?」という質問に、有森さんは「自分で決めた目標は、自分で決めたものだから絶対にやり遂げたいと私は思っていました。どんなことでもいいので、目標を決めて取り組んでみよう」。
「走っている時にはどんなことを考えていますか?」という質問に、福島さんは「私は『記憶がない』というレースはなかったです。スタートがうまくいった、失敗した、などひたすら考えながら走っていました」と現役時代の経験を伝えていた。
山梨から参加した上林敬人君は「すごく近いところで教えてもらえて、すごく楽しかったです。福島さんから教わった『スタートの姿勢』が一番参考になりました。中学でも陸上を続けるので、日本一目指してがんばりたいです」と笑顔。妹・茉優さんも「ストライドの話などが参考なりました。田中希実選手のように中長距離をがんばりたいです」と話していた。
有森さんも福島さんも、コロナ禍の間にできなかった対面と声を出してのイベントを実施できたことを喜び、「もう一度こういった、実際に生でアスリートのパフォーマンスを見せられる現場を作っていくことが大切だと感じています」(有森さん)。
また、有森さんは「今後は障害を持つ人など社会の多様性に対応するイベントも作っていければ」と続けた。
福島さんは、科学委員会のミニ授業が入ったことで「何の知識のない状態で取り組むよりも、少しでも知識が入ってやると質が全然違ってきます」と言う。特に、バトンパスの例では日本代表チームの練習風景が紹介され、「なかなか見られるものじゃない。私も興奮しました」。
自身のアドバイスを真剣な表情で聞いていた子供たちの姿を見て、「私たちの姿が刺激になればいいですね」と目を細めていた。
※一部誤りを修正しました
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.22
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]
2025.02.22
円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]
2025.02.22
「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン
◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝