2020.07.10
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第50回「温故知新」(小川雅生)
昨年7月から始めたこのコラムも、もうすぐ1年。今回が第50回目です。
年を重ねると月日が経つのはあっという間に感じますが、この1年、特にこの半年は文字通り矢のように過ぎていきました。
テレワークなど自宅で過ごす時間が増えたはずなのに、1日が終わるのが早い。気がつけば昼食、気がつけば夕食、気がつけば寝ていた(寝落ち?)……なんて日がほとんどでした(もちろん仕事に集中していたんですが……)。
日々、1日の短さを実感して過ごしていると、やはり思うことがあります。
「いかに1日を充実して過ごせるか」
1日1日の積み重ねが人生なので、充実して過ごすことができた日を少しずつ増やしていければ、人生そのものも充実したものにできるのでは?
トップアスリートたちに自粛期間中のことを尋ねてみると、まさにその積み重ねを実践している人たちばかりなのです。
自宅内や近所でやれるトレーニングには限りがあります。すると当然、トレーニング以外の時間が増えます。だったら、その時間に何をするか。
・自分自身や他の選手の動画を見直してみる。
・競技に関するもの、セカンドキャリアにつながるものなどについての本を読む
・コンディションを整えるための食事の工夫
よく挙がった内容は以上の3つで、この他にも「今だからできることを」と前向きにチャレンジしている人がほとんどでした。
この「今だからできること」という考え方は、実は最近の誌面作りへの〝ヒント〟になっています。
ちなみに、間もなく発売の8月号のテーマは「温故知新」。
『論語』の一説から生まれた四字熟語で、「故(ふる)きを温(たず)ねて新(あたら)しきを知(し)る」と書き下します。
その意味は、古くからの物事をよく学び、そこから新しい知識を得ること。
日本陸上界の長い歴史を紐解くことで、〝今〟のアスリートたちへのヒントを提供できないか。そんな想いから、さまざまな企画が生まれました。
その中心に据えたのが日本陸上界でも指折りの「名勝負」、数々の偉業を打ち立てたレジェンドたちの〝技術〟を、改めて掘り下げることです。
女子走幅跳の花岡麻帆さん(左)と池田久美子さんのライバル対決からいくつもの〝名勝負〟が生まれました
読む人によって受け取り方は違うと思いますが、どの内容にも、さまざまな気づきが散りばめられています。特に、レジェンドたちの言葉には、共通している部分が多いことに気がつくはずです。
その「共通している言葉」こそが「温故」と言えるでしょう。そこからの「知新」は、みなさんが見つけるものです。
今はさまざまな情報があふれています。トレーニングのやり方、技術の見本も、その気になればいくらでも探せます。
ただ、それらがすべての人に合っているものなのかと言うと、必ずしもそうではないでしょう。トレーニングや技術は、100人いれば100通りあります。
でも、レジェンドたちから同じ言葉がいくつも出てくるということは、トレーニングにも技術にも「変わらないもの」あるのではないでしょうか。つまり〝本質〟があるはずなのです。
「新しい知識を得る」。それは、新しいトレーニングや技術を発見することだけではないと、私は思います。今まで気がつかなかったことに気がつく。それもまた発見であり、今まで気がつかなかった本質にたどりついたのであれば、それこそがあなたにとっての「温故知新」なのでしょう。
物事の本質にたどりつくことは、簡単ではないかもしれません。でも、今回の企画がその一助になればと願っています。
そして、本質にたどりつくまで探り続ける日々は、必ず充実したものになるはずです。
男子400m日本記録保持者・髙野進氏の日本記録樹立時の連続写真より
小川雅生(おがわ・まさお) 月刊陸上競技編集部 部長 1977年7月12日生まれ、もうすぐ43歳。173cm、71kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重と尿酸値(8.9)の短縮。 |
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
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編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
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編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
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編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第50回「温故知新」(小川雅生)
昨年7月から始めたこのコラムも、もうすぐ1年。今回が第50回目です。 年を重ねると月日が経つのはあっという間に感じますが、この1年、特にこの半年は文字通り矢のように過ぎていきました。 テレワークなど自宅で過ごす時間が増えたはずなのに、1日が終わるのが早い。気がつけば昼食、気がつけば夕食、気がつけば寝ていた(寝落ち?)……なんて日がほとんどでした(もちろん仕事に集中していたんですが……)。 日々、1日の短さを実感して過ごしていると、やはり思うことがあります。 「いかに1日を充実して過ごせるか」 1日1日の積み重ねが人生なので、充実して過ごすことができた日を少しずつ増やしていければ、人生そのものも充実したものにできるのでは? トップアスリートたちに自粛期間中のことを尋ねてみると、まさにその積み重ねを実践している人たちばかりなのです。 自宅内や近所でやれるトレーニングには限りがあります。すると当然、トレーニング以外の時間が増えます。だったら、その時間に何をするか。 ・自分自身や他の選手の動画を見直してみる。 ・競技に関するもの、セカンドキャリアにつながるものなどについての本を読む ・コンディションを整えるための食事の工夫 よく挙がった内容は以上の3つで、この他にも「今だからできることを」と前向きにチャレンジしている人がほとんどでした。 この「今だからできること」という考え方は、実は最近の誌面作りへの〝ヒント〟になっています。 ちなみに、間もなく発売の8月号のテーマは「温故知新」。 『論語』の一説から生まれた四字熟語で、「故(ふる)きを温(たず)ねて新(あたら)しきを知(し)る」と書き下します。 その意味は、古くからの物事をよく学び、そこから新しい知識を得ること。 日本陸上界の長い歴史を紐解くことで、〝今〟のアスリートたちへのヒントを提供できないか。そんな想いから、さまざまな企画が生まれました。 その中心に据えたのが日本陸上界でも指折りの「名勝負」、数々の偉業を打ち立てたレジェンドたちの〝技術〟を、改めて掘り下げることです。 女子走幅跳の花岡麻帆さん(左)と池田久美子さんのライバル対決からいくつもの〝名勝負〟が生まれました 読む人によって受け取り方は違うと思いますが、どの内容にも、さまざまな気づきが散りばめられています。特に、レジェンドたちの言葉には、共通している部分が多いことに気がつくはずです。 その「共通している言葉」こそが「温故」と言えるでしょう。そこからの「知新」は、みなさんが見つけるものです。 今はさまざまな情報があふれています。トレーニングのやり方、技術の見本も、その気になればいくらでも探せます。 ただ、それらがすべての人に合っているものなのかと言うと、必ずしもそうではないでしょう。トレーニングや技術は、100人いれば100通りあります。 でも、レジェンドたちから同じ言葉がいくつも出てくるということは、トレーニングにも技術にも「変わらないもの」あるのではないでしょうか。つまり〝本質〟があるはずなのです。 「新しい知識を得る」。それは、新しいトレーニングや技術を発見することだけではないと、私は思います。今まで気がつかなかったことに気がつく。それもまた発見であり、今まで気がつかなかった本質にたどりついたのであれば、それこそがあなたにとっての「温故知新」なのでしょう。 物事の本質にたどりつくことは、簡単ではないかもしれません。でも、今回の企画がその一助になればと願っています。 そして、本質にたどりつくまで探り続ける日々は、必ず充実したものになるはずです。 男子400m日本記録保持者・髙野進氏の日本記録樹立時の連続写真より小川雅生(おがわ・まさお) 月刊陸上競技編集部 部長 1977年7月12日生まれ、もうすぐ43歳。173cm、71kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ年上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の目標は体重と尿酸値(8.9)の短縮。 |
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