HOME 国内

2023.02.26

五輪代表・鶴田玲美が女子60m7秒49で貫禄勝ち!「基本に帰って泥臭く練習してきた」/JAG大崎
五輪代表・鶴田玲美が女子60m7秒49で貫禄勝ち!「基本に帰って泥臭く練習してきた」/JAG大崎

JAG大崎の女子60mに出場した鶴田玲美(南九州ファミリーマート)

◇Japan Athlete Games in Osaki 2023(2月26日/鹿児島県大崎町・ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅)

Japan Athlete Games in Osaki 2023が行われ、インドア女子60mは鶴田玲美(南九州ファミリーマート)が7秒49で地元Vを飾った。

2021年東京五輪女子4×100mリレーでアンカーを務めた鶴田にとって、「地元の人たちの前で走れる機会はなかなかないので、走る姿を見てもらいたい」というのが今大会に出場した最大の理由。その中で、自身のパフォーマンスとしても予選7秒51、決勝は7秒4台と、「予選から決勝へ、タイムを縮められて良かったです」と手応えを得られるレースとなった。

100mや200mにつなげる「練習の一環」として3週間前の日本選手権室内と合わせて、室内60mを2試合こなした。スタートが得意ではない鶴田にとって、日本選手権室内3位(7秒55)。今回も「スタートの速い実業団勢を相手に勝てたことは収穫です」。

東京五輪後は、オリンピアンの肩書に良くも悪くも重みを感じた。背筋が伸びる誇りもあったが、時に「勝たないといけない」という重圧に負けそうになった。だが、この冬は「それをゼロにするわけじゃないけど、初心に戻って基本から泥臭く練習しようと思ったんです」と鶴田は言う。

練習拠点にする鹿児島南高の高校生たちと一緒に、1日1日、1本1本の練習に貪欲に向き合った。「高校生たちと一緒に純粋に練習をして、陸上を楽しむことができています」。

広告の下にコンテンツが続きます

鶴田が大事にする走りの感覚も、「良かった時はやっぱり貪欲に練習していた」ことを思い出した。ミニハードルを使った技術練習を冬季を通じて取り組むなど、感覚を磨くトレーニングを続けている。その成果は、室内でしっかりと表れている。

今季は、まずは「自分の思うようなレースをできるようにすること」がまず第一。そうすれば、記録もついてくる。そして、その先には再び日の丸のユニフォームが待っている。

「5月のセイコーゴールデングランプリや6月の日本選手権の結果が、世界選手権などにつながってくる。そこで思うようなレースをすることが大事だと思っています」

秋には、念願の地元国体も待っている。2020年に開催予定だったが、コロナ禍の影響で今年に延期となった。鶴田にとっては大東大を卒業して社会人1年目の年で、当時は「国体出場を目標に地元に帰ったんです」。だが、その年の日本選手権200mを制するなど、一気にブレイク。翌年は五輪代表の座をつかんだ。

3年前とは違う立場で迎える国体だが、「延期になってからも(国体への)思いを持ってやってきました」と鶴田。育ててくれた地元への感謝を示すために、秋までの1レース1レースを貪欲に、楽しく走り抜けるつもりだ。

◇Japan Athlete Games in Osaki 2023(2月26日/鹿児島県大崎町・ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅) Japan Athlete Games in Osaki 2023が行われ、インドア女子60mは鶴田玲美(南九州ファミリーマート)が7秒49で地元Vを飾った。 2021年東京五輪女子4×100mリレーでアンカーを務めた鶴田にとって、「地元の人たちの前で走れる機会はなかなかないので、走る姿を見てもらいたい」というのが今大会に出場した最大の理由。その中で、自身のパフォーマンスとしても予選7秒51、決勝は7秒4台と、「予選から決勝へ、タイムを縮められて良かったです」と手応えを得られるレースとなった。 100mや200mにつなげる「練習の一環」として3週間前の日本選手権室内と合わせて、室内60mを2試合こなした。スタートが得意ではない鶴田にとって、日本選手権室内3位(7秒55)。今回も「スタートの速い実業団勢を相手に勝てたことは収穫です」。 東京五輪後は、オリンピアンの肩書に良くも悪くも重みを感じた。背筋が伸びる誇りもあったが、時に「勝たないといけない」という重圧に負けそうになった。だが、この冬は「それをゼロにするわけじゃないけど、初心に戻って基本から泥臭く練習しようと思ったんです」と鶴田は言う。 練習拠点にする鹿児島南高の高校生たちと一緒に、1日1日、1本1本の練習に貪欲に向き合った。「高校生たちと一緒に純粋に練習をして、陸上を楽しむことができています」。 鶴田が大事にする走りの感覚も、「良かった時はやっぱり貪欲に練習していた」ことを思い出した。ミニハードルを使った技術練習を冬季を通じて取り組むなど、感覚を磨くトレーニングを続けている。その成果は、室内でしっかりと表れている。 今季は、まずは「自分の思うようなレースをできるようにすること」がまず第一。そうすれば、記録もついてくる。そして、その先には再び日の丸のユニフォームが待っている。 「5月のセイコーゴールデングランプリや6月の日本選手権の結果が、世界選手権などにつながってくる。そこで思うようなレースをすることが大事だと思っています」 秋には、念願の地元国体も待っている。2020年に開催予定だったが、コロナ禍の影響で今年に延期となった。鶴田にとっては大東大を卒業して社会人1年目の年で、当時は「国体出場を目標に地元に帰ったんです」。だが、その年の日本選手権200mを制するなど、一気にブレイク。翌年は五輪代表の座をつかんだ。 3年前とは違う立場で迎える国体だが、「延期になってからも(国体への)思いを持ってやってきました」と鶴田。育ててくれた地元への感謝を示すために、秋までの1レース1レースを貪欲に、楽しく走り抜けるつもりだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.28

【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]

NEWS 【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

2025.03.28

【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]

NEWS 3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

2025.03.28

3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]

NEWS 資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

2025.03.28

資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

旭化成は3月28日、所属選手である競歩の池田向希が受けたアンチ・ドーピング規則違反による4年間の資格停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行ったと発表した。 男子20km競歩で東京五輪銀メダリスト […]

NEWS 【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

2025.03.28

【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

3月28日、東京都多摩市の国士大多摩陸上競技場で第7回国士大競技会が行われ、高校用規格の男子円盤投(1.75kg)において福宮佳潤(東京高1)が50m73をマークした。この記録は高校1年生の歴代ランキングで2位。高1で史 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top