2023.02.22
“陸上一家”に育ち、全中3000mで優勝
静岡県浜松市出身の太田は、両親ともに陸上経験者という陸上一家に育った。ちなみに、中大OBの父・善之さん、2歳下の弟・直希(早大OB、現・ヤクルト)は箱根駅伝に出場し、姉・優紀さんも中大で全日本大学女子駅伝を走っている。
「得意なことが走ることぐらいしかなかったんです」と言う太田。中学の部活動で陸上部を選ぶのは必然の流れだっただろう。
その才能は早くから花開く。
浜名中3年時には、全日本中学校陸上競技選手権(全中)3000mで優勝。ジュニアオリンピックでも3000mで当時の中学歴代2位となる大会新記録を打ち立てて優勝し、最優秀選手にも選出されている。
太田の同級生は、東京五輪代表の相澤晃(旭化成)、伊藤達彦(Honda)をはじめ、今の日本長距離界を牽引する選手が多く、“花の97年生まれ”などと称されることがあるが、この世代を牽引していた1人が太田だった。
浜松日体高に進んでからも、インターハイ5000mで6位入賞。全国高校選抜10000mは2年時、3年時に連覇を果たすなど活躍を見せた。
早大では箱根駅伝の2区を3度務める
早大に進学してから箱根駅伝では3年連続で花の2区を任されるなど、伝統校のエースを担った。
そんな太田でも苦い思いを味わったレースがある。それが大学3年時の箱根駅伝だ。このレースは、太田にとってターニングポイントにもなった。
「ケガ明けでまったく走れなかったし、結果的にチームもシード権を落としてしまいました」
前年の夏の終わりに右膝を故障し、出雲駅伝も全日本大学駅伝も出場が叶わず。箱根駅伝では、4位と好位置でタスキを受けながらも、区間21位と振るわず、14人に抜かれてしまった。チームも12位に終わり13年ぶりにシード権を逃している。

静岡・浜名中時代に全中3000m(写真左)で優勝、ジュニアオリンピックでは中学歴代2位(当時)の記録を出すなど大活躍。当時から一貫してアシックスのシューズを愛用している。早大時代は4年連続で箱根駅伝に出場。3年時に2区で区間21位に沈んだことが競技人生のターニングポイントになった
「何か悪いことがあっても“あの時よりは大丈夫でしょ”と、ある意味ポジティブになれる。いろんな経験をしてきたことが、結果的に今につながっています。あの時の走りを後悔してもどうしようもないので、次にどうつなげるかが大事だと思っています」
苦い思いを引きずることなく、その後の活躍に結びつけている。

“陸上一家”に育ち、全中3000mで優勝
静岡県浜松市出身の太田は、両親ともに陸上経験者という陸上一家に育った。ちなみに、中大OBの父・善之さん、2歳下の弟・直希(早大OB、現・ヤクルト)は箱根駅伝に出場し、姉・優紀さんも中大で全日本大学女子駅伝を走っている。 「得意なことが走ることぐらいしかなかったんです」と言う太田。中学の部活動で陸上部を選ぶのは必然の流れだっただろう。 その才能は早くから花開く。 浜名中3年時には、全日本中学校陸上競技選手権(全中)3000mで優勝。ジュニアオリンピックでも3000mで当時の中学歴代2位となる大会新記録を打ち立てて優勝し、最優秀選手にも選出されている。 太田の同級生は、東京五輪代表の相澤晃(旭化成)、伊藤達彦(Honda)をはじめ、今の日本長距離界を牽引する選手が多く、“花の97年生まれ”などと称されることがあるが、この世代を牽引していた1人が太田だった。 浜松日体高に進んでからも、インターハイ5000mで6位入賞。全国高校選抜10000mは2年時、3年時に連覇を果たすなど活躍を見せた。早大では箱根駅伝の2区を3度務める
早大に進学してから箱根駅伝では3年連続で花の2区を任されるなど、伝統校のエースを担った。 そんな太田でも苦い思いを味わったレースがある。それが大学3年時の箱根駅伝だ。このレースは、太田にとってターニングポイントにもなった。 「ケガ明けでまったく走れなかったし、結果的にチームもシード権を落としてしまいました」 前年の夏の終わりに右膝を故障し、出雲駅伝も全日本大学駅伝も出場が叶わず。箱根駅伝では、4位と好位置でタスキを受けながらも、区間21位と振るわず、14人に抜かれてしまった。チームも12位に終わり13年ぶりにシード権を逃している。 [caption id="attachment_93550" align="alignnone" width="800"]
METASPEED SKYを愛用
今年に入ってから相次ぐ快走を見せている太田がロードレースで着用しているのが、アシックスのカーボンプレート入りレーシングシューズ、METASPEED SKYだ。 「それまで履いていたシューズとは脚にくるダメージが全然違っていて、そこが一番感動しました。個人差はあると思いますが、僕の場合は薄底だとふくらはぎを結構使う走りになり、ダメージが大きかったんです。それに、足裏にもダイレクトに衝撃がありました。そういったダメージが軽減されました。もちろん、速く、楽に走れる感覚もあります。同じペースで走っても余裕度が違います。METASPEEDシリーズはSKY、SKY+、EDGE+と3種類あり、反発力やフィット感、ストライド走法向き、ピッチ走法向きなど、個々のタイプや好み、状況に合わせて複数から選べるのがいいですね」 これが、太田が勝負シューズにMETASPEED SKYを選ぶ理由だ。 また、以前であれば、ポイント練習(重要な練習)では薄底のレーシングシューズを着用していたが、昨年はMETASPEED SKYもしくはMETASPEED SKY+をレースのみならず練習でも履いている。 「1年ぐらい前に、足部の母指球の辺りを痛めてから、練習でも履くようになりました。ソールの厚みの分クッションがあるので、だいぶ楽に痛みなく走れます。練習後のダメージもまったく違うし、ケガが減りました」 それ以外にも、トレーニングではトラックでのスピード練習、速めのJog、遅めのJogなど内容に応じてシューズを履き分け、練習効果を最大限に引き出すとともに故障の防止に努めている。 このようにして練習を継続できていることが、3年目の躍進につながった。 [caption id="attachment_93534" align="alignnone" width="2560"]
パリ五輪までは10000mに注力
社会人2年目の2021年11月に10000mで日本歴代6位(当時)となる27分33秒13の好記録をマーク。今夏のブダペスト世界選手権、そして、来年に迫ったパリ五輪は10000mで出場することを目標に掲げている。 「最近のマラソンを見ていると、ある程度スピードがないと勝負できない。いつかはマラソンに挑戦したいと思っているが、やれるところまでは10000mをやりたいです」 まずはトラックでスピードを磨き、世界に挑むつもりだが、トヨタ自動車に入社した当初から、そのような高い志を持っていたわけではなかった。 「そこまで具体的なビジョンを持って入ったわけではなかったのですが、周りにオリンピック選手や世界選手権に出場した選手がいて、自分も日本代表になってみたいと思うようになりました」 一つだけ変わらないのは、「昔から言っているんですけど、“応援される選手”になりたい」という思いだ。 チームからは、東京オリンピックに服部勇馬、オレゴン世界選手権に西山雄介と、立て続けに男子マラソンの日本代表を送り出している。レベルの高い環境に身を置き、太田の目線も少しずつ高くなっていった。 [caption id="attachment_93535" align="alignnone" width="2560"]

RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.29
編集部コラム「いつのまにか700号超え」
-
2025.03.28
-
2025.03.28
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.29
走高跳で男女上位 真野友博1位、髙橋渚1m86で2位 100mH田中佑美Vで3位まで日本勢/WAコンチネンタルツアー
日本勢の成績をチェック! 【男子】 ●200m(+0.4) 6位 西裕大(MINT TOKYO) 21秒00 7位 上山紘輝(住友電工) 21秒01 ●1500m 13位 館澤亨次(DeNA) 3分48秒24 ●5000 […]
2025.03.29
編集部コラム「いつのまにか700号超え」
攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]
2025.03.29
齋藤みう3000m障害で9分41秒57 自己ベスト4秒以上更新して日本歴代6位、学生歴代2位
女子3000m障害 日本歴代&学生歴代10傑をチェック! ■日本歴代10傑 9.33.93 早狩実紀(京都光華AC) 2008. 7.20 9.38.19 山中柚乃(愛媛銀行) 2022. 6.11 9.38.95 西出 […]
2025.03.28
【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ
今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報