今年の箱根駅伝を制した駒大からまた一人、新たなヒーローが誕生した。2年生の篠原倖太朗が香川丸亀国際ハーフマラソンで5位(日本人2位)に入り、1時間0分11秒の好記録をマーク。昨年2月に先輩の山野力が打ち立てた日本人学生最高記録を、わずか1年で塗り替えた。
「もともと(日本人)学生最高記録を狙っていたので、今回出すことができてシンプルにうれしいです」。篠原にとっては、狙い通りの快走だった。
アレクサンダー・ムティソ(ケニア/NDソフトAC)が牽引し、5kmを14分08秒、10kmを28分4秒とハイペースで進むと、10kmの時点で先頭集団は早くも6人に絞られた。そのうち、日本人は、太田智樹(トヨタ自動車)、吉田礼志(中央学大)、そして篠原の3人。篠原は集団の後方に位置取った。
吉田は拓大紅陵高、篠原は富里高とともに千葉県の高校出身で、同学年の2人は高校時代から競り合ってきた間柄。互いに意識しながら、レースを進めていた。
「走りの特徴とかもわかっているし、後ろから見ていても、(吉田は)全然汗をかいていなかったので、余裕があるなと思っていました。結構不気味でしたね」(篠原)
「自分が前にいましたが、篠原君が離れることはないだろうと思っていたので、ちょっと怖かったです」(吉田)
外国人勢の先頭集団には13km過ぎに離されたものの、15km通過は42分18秒と、日本人学生最高記録どころか、依然として日本記録(1時間0分00秒)を狙えるスプリットタイムを刻んでいた。
18kmを前に吉田が遅れ、学生トップ争いはここで決着。だが、18km過ぎには篠原も太田に遅れをとり、日本人トップの座は逃した。
「あそこまで来たら日本人で1番を取りたかったです。最後は詰めの甘さが出てしまいました」と悔やんだものの、最後まで粘りを見せ、太田に3秒差にまで迫ってフィニッシュ。そして、山野が持っていた日本人学生最高記録を29秒も上回り、新たな記録を打ち立てた。中央学大の吉田も1時間0分31秒と山野の記録を上回った。
また、駒大勢では箱根5区で活躍したルーキーの山川拓馬も、1時間1分36秒の好タイムで12位と健闘した。
篠原は箱根駅伝3区区間2位と力走を見せた後、急遽出場が決まった全国都道府県対抗男子駅伝(1月22日/広島)でも3区区間5位と快走が続く。
「都道府県駅伝は急遽だったので調整はしなかったのですが、今回は1週間前に30km走をやって、そこから(練習量を)落として臨みました」と篠原。これまではケガも多かったが、連戦をきちっとこなし、高いレベルで安定した結果を残している。
「これから合宿があるので、もう1回しっかりと力をつけて、3月の学生ハーフでワールドユニバーシティゲームズの日本代表を獲れるように頑張っていきたいです」と次の目標を口にする。
3月の日本学生ハーフでは吉田とも再び勝負することになる。日本人学生最高記録保持者として、今度は学生日本一の称号を狙いにいく。
文/福本ケイヤ
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
-
2024.11.16
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.16
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会