2020.05.29
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第44回「逃げるとどうなる?」(向永拓史)
少しずつ、本当に少しずつ、先が見えつつあるのでしょうか。それでも、インターハイ、全中はもちろん、各大会の中止でモチベーションが下がるのは仕方のないことだと思います。レベルに関係なく選手が努力の成果を発揮できる舞台が整うことを祈るしかありません。
きっと今の大学生、中高生、特に最終学年を迎えている選手たちは「何で自分たちの世代だけ」という思いがあるでしょう。今、誰がどんな言葉をかけても無機質で、「仕方ない」ということは頭で理解できても心では受け入れられないと思います。当たり前です。人は心で動いていますから。
世の中はとても理不尽なものです。私もたかだか30数年しか生きていませんが、本当に理不尽だなと思います。
生まれた環境も違えば、育つ家庭環境も違います。容姿も、お金も、才能も、みんなバラバラ。それを全部「個性」と思えるほど強い人はなかなかいないですよね。私も、すぐ他の人に羨望のまなざしを向けてしまうし、「自分だけ」と「アイツだけ」とか「何だよ」って悪態つきます。
でも、唯一、たった一つ、絶対に平等なものがあります。それが「時間」です。これだけは、お金のある・なし、才能のある・なし、関係なく、同じように過ぎていきます。
だったら、その「時間」をどう使うのか。人生において時間の使い方が最も大切ではないか。そんな気がします。違ったらすみません。数年後に「金がすべてだ!」なんて、違う考えを持っているかもしれません。それも謝っておきます。
じゃあ、試合がなくなったこの目の前の時間をどう過ごすか。
少し休んでもいい。枕に顔をうずめて大声を出してもいい。悔し涙を流したり、時には家族にあたってしまったり。夜更かししてゲーム三昧もいい。でも、どう過ごしても時間は過ぎていきます。だったら、ガッと落ち込んだ、その後は前を進んだほうが絶対に得です。
前へ進む、というのは、競技をがんばるのだってそうだし、スパッとあきらめて他の道を選ぶのもそう。何もしない、現状維持、それだけはいけません。何もしないくらいなら、何かして大いに失敗したほうが全然いいです。そう思います。
7月号では、日本を代表するKINGとQUEENに取材しました。全然、別の企画で別のような話題だったのですが、面白いことに、2人からは同じようなニュアンスの言葉が出てきたんです。(本編はぜひ誌面でご確認いただくとして)
●十種競技・右代啓祐選手
「がんばらないと、あとで痛い目を見ますし、何倍もきついことが返ってきます。その場しのぎで逃げても、プラスになることは1つもありません」
●七種競技・ヘンプヒル恵選手
「やったことが返ってこない時はあっても、やらなかったことは絶対に自分に返ってくる。楽をして良い思いをしたことはありません」
トップ選手ってすごいですね。
確かに、努力したからって絶対に何か成果が出るとは限りません。今のコロナウイルスの影響でもそうですね。たぶん、人生はうれしいことと苦しいことなら、圧倒的に苦しいほうが多いです。なんたって理不尽ですから。
でも、怠けたり、逃げたり、妥協したり。それは絶対に自分に返ってくる。しかもそれが何倍もなることも。でも、苦しみが少ないと喜びはそれ相応のもので、苦しみが大きいぶん、喜びは倍増する。そんな気がします。それも、違ったら済みません。
どう過ごしても、人生は一度きり。そして自分のものです。自分の人生において、他人は全員が引き立て役で、自分が主人公です。だったらどう過ごすか。答えは自分で決めるしかないですね。
明後日は日曜日。私は何もせず、いつも通りグウタラします。自粛生活前と何も変わりません。寝て、ゲームして、食べて、寝て……。そんな日があったっていいと思う。「逃げた分は絶対に自分に返ってくる」。2人の言葉が聞こえてきそうで怖いです……。
向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg(全盛期のマラドーナと同じ)、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。趣味は一人カラオケで、自己ベストは8時間。 |
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
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編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
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編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
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編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
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編集部コラム第14回「初陣」(船越)
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編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
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編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
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少しずつ、本当に少しずつ、先が見えつつあるのでしょうか。それでも、インターハイ、全中はもちろん、各大会の中止でモチベーションが下がるのは仕方のないことだと思います。レベルに関係なく選手が努力の成果を発揮できる舞台が整うことを祈るしかありません。 きっと今の大学生、中高生、特に最終学年を迎えている選手たちは「何で自分たちの世代だけ」という思いがあるでしょう。今、誰がどんな言葉をかけても無機質で、「仕方ない」ということは頭で理解できても心では受け入れられないと思います。当たり前です。人は心で動いていますから。 世の中はとても理不尽なものです。私もたかだか30数年しか生きていませんが、本当に理不尽だなと思います。 生まれた環境も違えば、育つ家庭環境も違います。容姿も、お金も、才能も、みんなバラバラ。それを全部「個性」と思えるほど強い人はなかなかいないですよね。私も、すぐ他の人に羨望のまなざしを向けてしまうし、「自分だけ」と「アイツだけ」とか「何だよ」って悪態つきます。 でも、唯一、たった一つ、絶対に平等なものがあります。それが「時間」です。これだけは、お金のある・なし、才能のある・なし、関係なく、同じように過ぎていきます。 だったら、その「時間」をどう使うのか。人生において時間の使い方が最も大切ではないか。そんな気がします。違ったらすみません。数年後に「金がすべてだ!」なんて、違う考えを持っているかもしれません。それも謝っておきます。 じゃあ、試合がなくなったこの目の前の時間をどう過ごすか。 少し休んでもいい。枕に顔をうずめて大声を出してもいい。悔し涙を流したり、時には家族にあたってしまったり。夜更かししてゲーム三昧もいい。でも、どう過ごしても時間は過ぎていきます。だったら、ガッと落ち込んだ、その後は前を進んだほうが絶対に得です。 前へ進む、というのは、競技をがんばるのだってそうだし、スパッとあきらめて他の道を選ぶのもそう。何もしない、現状維持、それだけはいけません。何もしないくらいなら、何かして大いに失敗したほうが全然いいです。そう思います。 7月号では、日本を代表するKINGとQUEENに取材しました。全然、別の企画で別のような話題だったのですが、面白いことに、2人からは同じようなニュアンスの言葉が出てきたんです。(本編はぜひ誌面でご確認いただくとして) ●十種競技・右代啓祐選手 「がんばらないと、あとで痛い目を見ますし、何倍もきついことが返ってきます。その場しのぎで逃げても、プラスになることは1つもありません」 ●七種競技・ヘンプヒル恵選手 「やったことが返ってこない時はあっても、やらなかったことは絶対に自分に返ってくる。楽をして良い思いをしたことはありません」 トップ選手ってすごいですね。 確かに、努力したからって絶対に何か成果が出るとは限りません。今のコロナウイルスの影響でもそうですね。たぶん、人生はうれしいことと苦しいことなら、圧倒的に苦しいほうが多いです。なんたって理不尽ですから。 でも、怠けたり、逃げたり、妥協したり。それは絶対に自分に返ってくる。しかもそれが何倍もなることも。でも、苦しみが少ないと喜びはそれ相応のもので、苦しみが大きいぶん、喜びは倍増する。そんな気がします。それも、違ったら済みません。 どう過ごしても、人生は一度きり。そして自分のものです。自分の人生において、他人は全員が引き立て役で、自分が主人公です。だったらどう過ごすか。答えは自分で決めるしかないですね。 明後日は日曜日。私は何もせず、いつも通りグウタラします。自粛生活前と何も変わりません。寝て、ゲームして、食べて、寝て……。そんな日があったっていいと思う。「逃げた分は絶対に自分に返ってくる」。2人の言葉が聞こえてきそうで怖いです……。向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg(全盛期のマラドーナと同じ)、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。趣味は一人カラオケで、自己ベストは8時間。 |
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