2023.01.16
第99回東京箱根間大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)は2023年1月2日に往路、翌3日に復路が行われる。前回大会でシード権を獲得した10校と、予選会を突破した10校、オープン参加の関東学生連合を合わせた21チームが栄光へのスタートラインに立つ。
今季は連覇を狙う青学大と、出雲駅伝&全日本大学駅伝を制した駒大による2校に、両駅伝で上位につけた國學院大、中大、順大、創価大らが追う構図とみられる。
今大会はどんなレースになるのか。有力チームの戦力を振り返るとともに、大会の見どころを紹介しよう。
青学大&駒大がデータ面でも2強
まずは参考となる前回大会の順位、今季の予選会、出雲駅伝、全日本大学駅伝の成績を振り返っていく。
大学名 前回 予選会 出雲 全日本
青学大 優勝 ―― 4位 3位
順 大 2位 ―― 5位 4位
駒 大 3位 ―― 優勝 優勝
東洋大 4位 ―― 9位 8位
東京国際大 5位 ―― 8位 10位
中 大 6位 ―― 3位 7位
創価大 7位 ―― 6位 5位
國學院大 8位 ―― 2位 2位
帝京大 9位 ―― 11位 ――
法 大 10位 ―― 7位 ――
大東大 ―― 1位 ―― 14位
明 大 14位 2位 ―― 9位
城西大 ―― 3位 ―― ――
早 大 13位 4位 ―― 6位
日体大 17位 5位 ―― ――
立 大 ―― 6位 ―― ――
山梨学大 18位 7位 ―― ――
専 大 20位 8位 ―― ――
東海大 11位 9位 ―― 10位
国士大 15位 10位 ―― ――
前回3位の駒大が出雲、全日本で優勝を飾り、チーム初の3冠へ王手をかけている。
前回王者の青学大は出雲4位、全日本3位とやや苦戦し、國學院大が両駅伝で2位と駒大に次ぐ位置につけた。それ以外では出雲3位の中大、全日本4位の順大、同5位の創価大の成績が光る。
そして5000m、10000m、ハーフマラソンにおけるエントリー選手上位10人の平均タイムのまとめたのが下記の表だ(カッコ内は順位)
青学大
13.45.73(2) 28.25.11(2) 1.02.58(4)
順 大
13.49.96(6) 28.40.34(6) 1.02.26(3)
駒 大
13.38.91(1) 28.24.91(1) 1.02.14(1)
東洋大
13.55.62(9) 28.49.93(11)1.03.25(11)
東京国際大
13.49.24(5) 28.47.85(10)1.04.32(21)
中 大
13.48.78(4) 28.27.66(3) 1.03.00(5)
創価大
13.57.68(11)28.28.52(4) 1.03.20(9)
國學院大
13.57.31(10)28.43.70(8) 1.02.21(2)
帝京大
14.12.42(20)29.09.91(18)1.03.12(7)
法 大
14.03.11(15)28.52.19(13)1.03.20(9)
大東大
13.57.72(12)28.45.04(9) 1.03.46(15)
明 大
13.50.81(7) 28.39.05(5) 1.03.13(8)
城西大
14.00.91(14)28.56.60(15)1.03.30(12)
早 大
13.47.82(3) 29.00.23(16)1.03.33(14)
日体大
13.58.46(13)28.51.58(12)1.03.57(17)
立 大
14.03.70(16)29.00.75(17)1.04.24(20)
山梨学大
14.11.31(18)28.55.47(14)1.03.11(6)
専 大
14.14.46(21)29.12.04(19)1.04.11(19)
東海大
13.53.64(8) 28.42.71(7) 1.03.30(12)
国士大
14.11.54(19)29.14.53(20)1.04.07(18)
学生連合
14.10.84(17)29.15.13(21)1.03.47(16)
ここでも駒大と青学大が上位につける。特に駒大は3種目でトップに立ち、いずれも“過去最速”とさらなるレベルアップを遂げている。青学大も平均タイムでは駒大に劣るものの、総合優勝を果たした前回大会よりも3種目のタイムを上げている点が見逃せない。
先ほど名前の挙がった大学ではハーフマラソンで2位、3位の國學院大と順大、10000mで3位、4位の中大と創価大が上位につけており、強さが数字として表れている。
上記以外では5000m3位の早大、10000m5位の明大、ハーフマラソン6位の山梨学大ら予選会通過校が健闘している。
こうした自己記録によるデータは貴重な参考資料となるが、前回5000m、10000mともに19位だった法大がシード権を獲得したように、20km超えの箱根駅伝ではデータ通りにならないこともある。あくまでも参考資料と割り切って見ていただきたい。
また、同様に全日本と箱根では距離が異なるため、全日本に出場していない大学でも10位以内に入るケースは至近10大会で延べ13校もある。そうした意味では、前回シード校ながら全日本の選考会を突破できなかった帝京大と法大にもチャンスはありそうだ。
<全日本不出場から箱根駅伝で10位以内に入ったチーム>
※2013年以降
2013年 順 大 6位
2013年 青学大 8位
2013年 法 大 9位
2013年 中央学大 10位
2014年 拓 大 9位
2017年 順 大 4位
2017年 神奈川大 5位
2017年 法 大 8位
2018年 日体大 4位
2018年 拓 大 8位
2020年 創価大 9位
2021年 創価大 2位
2022年 創価大 7位
ここまでの情報をまとめると、この1年間の駅伝成績が優れ、トラックのスピードを兼ね備えた駒大と青学大が優勝候補と見ていいだろう。
それに追随する勢力図は前回も上位につけた順大、中大、創価大、國學院大あたりか。
これらデータと12月29日に発表された区間エントリーをふまえ、各校の戦力と戦い方を展望していく。
次のページ 2強対決のポイントは!?
青学大&駒大がデータ面でも2強
まずは参考となる前回大会の順位、今季の予選会、出雲駅伝、全日本大学駅伝の成績を振り返っていく。 大学名 前回 予選会 出雲 全日本 青学大 優勝 ―― 4位 3位 順 大 2位 ―― 5位 4位 駒 大 3位 ―― 優勝 優勝 東洋大 4位 ―― 9位 8位 東京国際大 5位 ―― 8位 10位 中 大 6位 ―― 3位 7位 創価大 7位 ―― 6位 5位 國學院大 8位 ―― 2位 2位 帝京大 9位 ―― 11位 ―― 法 大 10位 ―― 7位 ―― 大東大 ―― 1位 ―― 14位 明 大 14位 2位 ―― 9位 城西大 ―― 3位 ―― ―― 早 大 13位 4位 ―― 6位 日体大 17位 5位 ―― ―― 立 大 ―― 6位 ―― ―― 山梨学大 18位 7位 ―― ―― 専 大 20位 8位 ―― ―― 東海大 11位 9位 ―― 10位 国士大 15位 10位 ―― ―― 前回3位の駒大が出雲、全日本で優勝を飾り、チーム初の3冠へ王手をかけている。 前回王者の青学大は出雲4位、全日本3位とやや苦戦し、國學院大が両駅伝で2位と駒大に次ぐ位置につけた。それ以外では出雲3位の中大、全日本4位の順大、同5位の創価大の成績が光る。 そして5000m、10000m、ハーフマラソンにおけるエントリー選手上位10人の平均タイムのまとめたのが下記の表だ(カッコ内は順位) 青学大 13.45.73(2) 28.25.11(2) 1.02.58(4) 順 大 13.49.96(6) 28.40.34(6) 1.02.26(3) 駒 大 13.38.91(1) 28.24.91(1) 1.02.14(1) 東洋大 13.55.62(9) 28.49.93(11)1.03.25(11) 東京国際大 13.49.24(5) 28.47.85(10)1.04.32(21) 中 大 13.48.78(4) 28.27.66(3) 1.03.00(5) 創価大 13.57.68(11)28.28.52(4) 1.03.20(9) 國學院大 13.57.31(10)28.43.70(8) 1.02.21(2) 帝京大 14.12.42(20)29.09.91(18)1.03.12(7) 法 大 14.03.11(15)28.52.19(13)1.03.20(9) 大東大 13.57.72(12)28.45.04(9) 1.03.46(15) 明 大 13.50.81(7) 28.39.05(5) 1.03.13(8) 城西大 14.00.91(14)28.56.60(15)1.03.30(12) 早 大 13.47.82(3) 29.00.23(16)1.03.33(14) 日体大 13.58.46(13)28.51.58(12)1.03.57(17) 立 大 14.03.70(16)29.00.75(17)1.04.24(20) 山梨学大 14.11.31(18)28.55.47(14)1.03.11(6) 専 大 14.14.46(21)29.12.04(19)1.04.11(19) 東海大 13.53.64(8) 28.42.71(7) 1.03.30(12) 国士大 14.11.54(19)29.14.53(20)1.04.07(18) 学生連合 14.10.84(17)29.15.13(21)1.03.47(16) ここでも駒大と青学大が上位につける。特に駒大は3種目でトップに立ち、いずれも“過去最速”とさらなるレベルアップを遂げている。青学大も平均タイムでは駒大に劣るものの、総合優勝を果たした前回大会よりも3種目のタイムを上げている点が見逃せない。 先ほど名前の挙がった大学ではハーフマラソンで2位、3位の國學院大と順大、10000mで3位、4位の中大と創価大が上位につけており、強さが数字として表れている。 上記以外では5000m3位の早大、10000m5位の明大、ハーフマラソン6位の山梨学大ら予選会通過校が健闘している。 こうした自己記録によるデータは貴重な参考資料となるが、前回5000m、10000mともに19位だった法大がシード権を獲得したように、20km超えの箱根駅伝ではデータ通りにならないこともある。あくまでも参考資料と割り切って見ていただきたい。 また、同様に全日本と箱根では距離が異なるため、全日本に出場していない大学でも10位以内に入るケースは至近10大会で延べ13校もある。そうした意味では、前回シード校ながら全日本の選考会を突破できなかった帝京大と法大にもチャンスはありそうだ。 <全日本不出場から箱根駅伝で10位以内に入ったチーム> ※2013年以降 2013年 順 大 6位 2013年 青学大 8位 2013年 法 大 9位 2013年 中央学大 10位 2014年 拓 大 9位 2017年 順 大 4位 2017年 神奈川大 5位 2017年 法 大 8位 2018年 日体大 4位 2018年 拓 大 8位 2020年 創価大 9位 2021年 創価大 2位 2022年 創価大 7位 ここまでの情報をまとめると、この1年間の駅伝成績が優れ、トラックのスピードを兼ね備えた駒大と青学大が優勝候補と見ていいだろう。 それに追随する勢力図は前回も上位につけた順大、中大、創価大、國學院大あたりか。 これらデータと12月29日に発表された区間エントリーをふまえ、各校の戦力と戦い方を展望していく。 次のページ 2強対決のポイントは!?2強対決のポイントは!?
何と言っても今大会は「青学大vs駒大」の“2強対決”の様相を呈している。 青学大は前回Vメンバーが7名エントリーし、3名が区間賞(うち2名は区間新)、2区や5区といった主要区間の経験者もいる。出雲や全日本の敗戦は気になるところだが、原晋監督は箱根駅伝の戦い方を熟知しており、優勝候補となるのは間違いない。 [caption id="attachment_90009" align="alignnone" width="800"]

2強崩しを狙う順大、國學院大、中大、創価大
ただし、青学大も駒大も、1つでもミスが出るようだと他校の猛追に遭う可能性がある。 そのチャンスを秘めるのが前述のデータや至近の駅伝成績に優れる順大、國學院大、中大、創価大の4校だ。 順大は前回準優勝の実績があり、前回往路5位のメンバーが全員残っている。そのうち区間エントリーの段階では3区の伊豫田達弥(4年)、4区の石井一希(3年)のみが往路に配置されたが、3000m障害の日本記録を持つ三浦龍司(3年)や前々回2区を担った野村優作(4年)が当日変更で起用されそうだ。 [caption id="attachment_90008" align="alignnone" width="800"]


上位進出を狙う東洋大、東京国際大、早大
前回4位、5位の東洋大と東京国際大、全日本6位の早大も虎視眈々と上位を目論む。 東洋大は1区に3年連続となる児玉悠輔(4年)を配置し、2区には1年時に出雲5区と全日本4区で区間賞経験のある石田洸介(2年)が入った。これまで2年連続で2区を担ってきた松山和希(3年)がエントリーから外れた影響は大きいが、箱根駅伝に合わせる調整力や構成力の高さは、これまでの実績で証明済み。往路で出遅れたとしても、前回10区区間2位の清野太雅(4年)らが控える復路で巻き返す力がある。 東京国際大は2区と3区で区間記録を持つイェゴン・ヴィンセント(4年)が補欠登録となり、代わりにルカ・ムセンビ(4年)を4区に登録。箱根の実績でいえばヴィンセントが一枚上手だが、ムセンビも全日本8区区間賞や北海道マラソン優勝などの実績を持つ実力者だ。どちらが起用されたとしても、1区の山谷昌也、2区の丹所健(ともに4年)と並んで強力なトリオを形成する。 早大は前回シード落ちを喫したが、井川龍人や鈴木創士(ともに4年)、石塚陽士、伊藤大志(ともに2年)ら実力者がそろう。近年は2区と山区間で苦戦する傾向にあり、2区の石塚、5区の伊藤、6区の北村光(3年)の快走が目標に掲げる「5位以内」へのカギを握る。 その他にも前々回3区区間賞の東海大・石原翔太郎(3年)や、予選会日本人トップの専大・木村暁仁(3年)ら個人の活躍や、55年ぶり出場となる立大のなども含め、見どころ満載だ。 スタートは1月2日の朝8時。99回大会の頂点に立つのはどの大学か。
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