HOME 駅伝、箱根駅伝

2023.01.04

東洋大が2区終了時19位から18年連続シードを死守「来年は松山を中心に速い展開にも 対応したい」/箱根駅伝
東洋大が2区終了時19位から18年連続シードを死守「来年は松山を中心に速い展開にも 対応したい」/箱根駅伝

8区で区間賞を獲得し、18年連続シードに貢献した東洋大・木本大地

◇第99回箱根駅伝(1月2、3日:東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)

前回2秒届かなかったトップスリーを目指した東洋大だが、エース・松山和希(3年)が登録から外れるなどベストメンバーで戦うことができず、序盤から大苦戦した。1区・児玉悠輔(4年)、2区・石田洸介(2年)でタスキをつなぐも、2区終了時でまさかの19位。チームの危機を救ったのが東洋大牛久高出身の4年生コンビだった。

4年連続出場となる主将・前田義弘は5区に出走。14位スタートから区間5位の激走で11位まで順位を押し上げた。復路では6区、7区と区間ふたケタ順位が続き、暗雲が立ちこめたが、8区に入った木本大地の区間賞で、シード圏内まで33秒差まで迫ったのだ。

続く9区の梅崎蓮(2年)が東京国際大と城西大をかわして9位に浮上。3年連続でアンカー務めた清野太雅(4年)は城西大に逆転を許すも、10位で踏みとどまり、18年連続でシード権を確保した。

酒井俊幸監督は「とにかく苦しい2日間でした。3年前にも10位はありましたが、今回は7位でスタートして、一時は19位。初めて最後尾の方の景色を見て、二度と味わいたくないと思いました」と胸の内を明かし、「なんとか連続シードは死守することができたんですけど、非常にコンディションに苦労したんです。特に12月に入ってから、コロナ、インフルエンザ、それから疲労骨折者も出て、ちぐはぐしたオーダーになってしまった」とアクシデントに見舞われたチーム事情を語った。

当初は九嶋恵舜(3年)を6区、熊崎貴哉(3年)を7区に起用する予定だったが、ともに戦線を離脱。往路、復路ともに序盤区間で苦戦を強いられた。

「万全でない選手も起用せざるを得なかったところもあって苦しかったです。そのなかで、前田と木本がよく走ってくれました。前田は190cmの長身ですが、初めての山で攻めの走りを見せました。木本は在学中に疲労骨折を8回ぐらいして、前回は4区で区間18位。最後は同タイムながら区間賞を獲得してくれました。4年生世代は学生駅伝で区間賞が一度もなかったんですけど、最後に苦労人の選手が区間賞を取ってくれて、シード権も残してくれたのは大きいと思います」(酒井監督)

広告の下にコンテンツが続きます

全日本大学駅伝でもシード権を獲得しており、来季の三大駅伝もフル参戦することになる。

「吉居大和選手(中大3年)をはじめ、今の3年生の世代は非常にいい力を持っているので、箱根駅伝の序盤は速い展開がスタンダードになっている。そこに乗っかっていけるようにしないといけません。来季は松山と競い合えるような選手層を構築して、しっかりと勝負していきたい」と酒井監督。高速化する学生駅伝に鉄紺が食らいついていく。

文/酒井政人

◇第99回箱根駅伝(1月2、3日:東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km) 前回2秒届かなかったトップスリーを目指した東洋大だが、エース・松山和希(3年)が登録から外れるなどベストメンバーで戦うことができず、序盤から大苦戦した。1区・児玉悠輔(4年)、2区・石田洸介(2年)でタスキをつなぐも、2区終了時でまさかの19位。チームの危機を救ったのが東洋大牛久高出身の4年生コンビだった。 4年連続出場となる主将・前田義弘は5区に出走。14位スタートから区間5位の激走で11位まで順位を押し上げた。復路では6区、7区と区間ふたケタ順位が続き、暗雲が立ちこめたが、8区に入った木本大地の区間賞で、シード圏内まで33秒差まで迫ったのだ。 続く9区の梅崎蓮(2年)が東京国際大と城西大をかわして9位に浮上。3年連続でアンカー務めた清野太雅(4年)は城西大に逆転を許すも、10位で踏みとどまり、18年連続でシード権を確保した。 酒井俊幸監督は「とにかく苦しい2日間でした。3年前にも10位はありましたが、今回は7位でスタートして、一時は19位。初めて最後尾の方の景色を見て、二度と味わいたくないと思いました」と胸の内を明かし、「なんとか連続シードは死守することができたんですけど、非常にコンディションに苦労したんです。特に12月に入ってから、コロナ、インフルエンザ、それから疲労骨折者も出て、ちぐはぐしたオーダーになってしまった」とアクシデントに見舞われたチーム事情を語った。 当初は九嶋恵舜(3年)を6区、熊崎貴哉(3年)を7区に起用する予定だったが、ともに戦線を離脱。往路、復路ともに序盤区間で苦戦を強いられた。 「万全でない選手も起用せざるを得なかったところもあって苦しかったです。そのなかで、前田と木本がよく走ってくれました。前田は190cmの長身ですが、初めての山で攻めの走りを見せました。木本は在学中に疲労骨折を8回ぐらいして、前回は4区で区間18位。最後は同タイムながら区間賞を獲得してくれました。4年生世代は学生駅伝で区間賞が一度もなかったんですけど、最後に苦労人の選手が区間賞を取ってくれて、シード権も残してくれたのは大きいと思います」(酒井監督) 全日本大学駅伝でもシード権を獲得しており、来季の三大駅伝もフル参戦することになる。 「吉居大和選手(中大3年)をはじめ、今の3年生の世代は非常にいい力を持っているので、箱根駅伝の序盤は速い展開がスタンダードになっている。そこに乗っかっていけるようにしないといけません。来季は松山と競い合えるような選手層を構築して、しっかりと勝負していきたい」と酒井監督。高速化する学生駅伝に鉄紺が食らいついていく。 文/酒井政人

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.17

西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]

NEWS 編集部コラム「年末年始の風物詩」

2025.01.17

編集部コラム「年末年始の風物詩」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

2025.01.17

中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]

NEWS 栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

2025.01.17

栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]

NEWS 東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加

2025.01.17

東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加

東京2025世界陸上財団は、今年9月に開催される東京世界選手権の観戦チケットの一般販売を1月31日(金)の18時から開始すると発表した。 昨夏に先行販売が始まり、年末年始にも特別販売を実施。すでに23万枚を販売し売れ行き […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年2月号 (1月14日発売)

2025年2月号 (1月14日発売)

駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝

page top