2022.12.29
22年インターハイ走幅跳の表彰式。松村選手(左)と2位の秦くるみ選手(伊豆中央3静岡)
◎まつむら・こと/2005年11月2日生まれ。愛知・春日井南城中→瑞陵高。小5でTSMに所属して陸上を始め、走幅跳で中1のジュニア五輪Cクラス2位。翌年には全中に出場する。3年時の全国中学生大会は2位、日本室内陸上競技大阪大会ではU18で優勝した。高1シーズンの2021年はU20日本選手権で5位に入ると、インターハイは10位。U18大会は3位だった。高2はインターハイで優勝。栃木国体少年共通とU20日本選手権はいずれも2位だった。この他、300mハードルでU18大会3位の成績を残している。自己ベストは走幅跳6m06、100mハードル14秒68、300mハードル42秒71、400mハードル60秒79、七種競技4833点(いずれも22年)
FOCUS! 高校生INTERVIEW
松村 琴都 Matsumura Koto
瑞陵2愛知
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介! 2022年を締めくくる今回は女子跳躍の松村琴都選手(瑞陵2愛知)にインタビューしました。8月の徳島インターハイでは走幅跳で優勝。秋にはハードルにも参戦し、U18大会300mハードルでは3位に入っています。ロングジャンパーがハードルに取り組んだ理由は? そして、想像もできない気分転換の方法を教えてもらいました。[/caption]
リラックスして臨めたインターハイ
――2022年はどんな1年でしたか。 松村 あっという間の1年でした。インターハイの走幅跳優勝はなかなか経験できない、すごく印象的な出来事でしたし、10月のU18大会には300mハードルで出場したのも、すごく思い出に残っています。 ――優勝したインターハイ走幅跳(3回目に5m93/-1.2)を振り返ってください。 松村 あの日は心の部分で今までとまったく違う初めての経験をしました。招集所から緊張しなくて、リラックスしたまま試技に臨みました。それはピットに立っても変わらず、そのまま1本目に向かった感じです。正直眠くなるくらいでした。2本目が失敗(ファウル)だったので、3本目は本気モードで集中しました。そこで、心にさらにゆとりが出て、よりリラックスできたと思います。 ――試技中は2位の秦くるみ選手(伊豆中央3静岡)と話していたとか。 松村 はい。くるみちゃんとは、それぞれ良い跳躍ができると互いにガッツポーズしていましたね。中学時代から大会で一緒になり、仲良くなったのは高1の東海合宿あたりから。試合前にも連絡を取ることもあります。栃木国体(少年共通走幅跳に出場して6m04/+0.5で2位)で私は最初あまり調子良くなかったのですが、くるみちゃんから「琴都なら絶対行けるよ」と励まされました。その後は良い跳躍ができました。 ――2022年の出来事でもう一つ挙げた300mハードルについて教えてください。 松村 走幅跳の助走につなげるつもりで始めました。ハードル間のインターバルが17歩で、実は走幅跳の全助走と歩数が一緒なのです。リラックスしてスピードを出すことを目指していました。 ――インターハイ直前の7月下旬には400mハードルに初挑戦して60秒79をマークしています。 松村 走り終えた直後はそのタイムの価値がよくわからなくて、後になって初レースにしてはすごいということに気づきました。 ――トラック種目で全国入賞した感想を教えてください。 松村 すべてに感動しました。走幅跳をはじめフィールド種目は制限時間内であれば、自分のタイミングで試技ができますが、トラック種目はスターターのピストルという決められたタイミングで飛び出します。あのレースの緊張感を含めて感動しました。また、決勝は2位と1000分の4秒差の3位でしたが、そういうギリギリのわずかな差を戦いながら、レース後はノーサイドで称え合うなど、雰囲気を含めてすべて印象に残りました。 次のページ 気分転換はご飯をたくさん食べること [caption id="attachment_89949" align="alignnone" width="800"] 22年徳島インターハイ走幅跳を制した松村選手[/caption]気分転換は食事 パン32個食べたことも
――陸上を始めたきっかけを教えてください。 松村 1、2歳の頃から水泳を始めたりして、小さい頃から運動が好きでした。周りより足が早いなと感じたのは小学2年生あたり。5年生の時に、夏季限定で地元・愛知のクラブチーム、TSMに入りました。練習も試合も楽しくて、そのまま陸上を続けました。 ――陸上を始めた時に印象が残っている出来事は。 松村 試合前日に38度6分の熱が出て、周りから止めようと勧められましたが、私が試合に出たくて……。先生やクラブのたくさんの人がサポートしてくれたお陰で、その大会で2位に入ることができました。 ――中学でもクラブチームで試合に出ていましたね。 松村 中学校も陸上部にも所属して、陸上三昧の日々でした。放課後は午後4時頃から6時前まで部活。TSMの練習は週4日で、その日は部活の後、お弁当を食べて、7時頃から9時まで練習していました。 ――愛知には多くの陸上強豪校があります。瑞陵高を選んだ理由は。 松村 中学卒業時点で、将来の目標が特に定まっていなかったので、高校卒業後の選択肢を広げるため、しっかり勉強したいと思い、進学校の瑞陵高を志望しました。 ――来春から3年生ですが、高校卒業後の進路は考えていますか。 松村 脳波や生理学に興味があるので大学で学んでみたいです。そのため、理科系科目をもう少しがんばります。競技を続けるつもりです。 ――休日はどのように過ごしていますか。 松村 たまに気分転換でご飯をたくさん食べます。以前、ベーカリーレストランに行った時にメインディッシュ付きで1時間半かけてパンを32個食べました。中学生ぐらいの時は食事制限をしたことがありましたが、現在は特に意識していません。しっかり食事をした分、リフレッシュした分、練習でしっかり動いています。 ――冬季練習の真っ最中です。 松村 サーキットトレーニングなどで総合的に身体を鍛えています。インナーマッスルが弱く、腹筋になると他のみんなよりこなすのが遅いけど、走幅跳にとっては必要。走力も高めていきたいです ――2023年はどんな年にしたいですか。 松村 走幅跳だけでなくいろんな種目に挑戦する気持ちを持っています。ただ、その中でも一番の目標は走幅跳で高校記録(6m44)を更新すること。そのために、自分の課題を克服したいです。 構成/井上 敦 次のページ 松村選手のプロフィール [caption id="attachment_89948" align="alignnone" width="800"] 22年インターハイ走幅跳の表彰式。松村選手(左)と2位の秦くるみ選手(伊豆中央3静岡) ◎まつむら・こと/2005年11月2日生まれ。愛知・春日井南城中→瑞陵高。小5でTSMに所属して陸上を始め、走幅跳で中1のジュニア五輪Cクラス2位。翌年には全中に出場する。3年時の全国中学生大会は2位、日本室内陸上競技大阪大会ではU18で優勝した。高1シーズンの2021年はU20日本選手権で5位に入ると、インターハイは10位。U18大会は3位だった。高2はインターハイで優勝。栃木国体少年共通とU20日本選手権はいずれも2位だった。この他、300mハードルでU18大会3位の成績を残している。自己ベストは走幅跳6m06、100mハードル14秒68、300mハードル42秒71、400mハードル60秒79、七種競技4833点(いずれも22年)
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