2022.12.29

FOCUS! 高校生INTERVIEW
松村 琴都 Matsumura Koto
瑞陵2愛知
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介! 2022年を締めくくる今回は女子跳躍の松村琴都選手(瑞陵2愛知)にインタビューしました。8月の徳島インターハイでは走幅跳で優勝。秋にはハードルにも参戦し、U18大会300mハードルでは3位に入っています。ロングジャンパーがハードルに取り組んだ理由は? そして、想像もできない気分転換の方法を教えてもらいました。
リラックスして臨めたインターハイ
――2022年はどんな1年でしたか。
松村 あっという間の1年でした。インターハイの走幅跳優勝はなかなか経験できない、すごく印象的な出来事でしたし、10月のU18大会には300mハードルで出場したのも、すごく思い出に残っています。
――優勝したインターハイ走幅跳(3回目に5m93/-1.2)を振り返ってください。
松村 あの日は心の部分で今までとまったく違う初めての経験をしました。招集所から緊張しなくて、リラックスしたまま試技に臨みました。それはピットに立っても変わらず、そのまま1本目に向かった感じです。正直眠くなるくらいでした。2本目が失敗(ファウル)だったので、3本目は本気モードで集中しました。そこで、心にさらにゆとりが出て、よりリラックスできたと思います。
――試技中は2位の秦くるみ選手(伊豆中央3静岡)と話していたとか。
松村 はい。くるみちゃんとは、それぞれ良い跳躍ができると互いにガッツポーズしていましたね。中学時代から大会で一緒になり、仲良くなったのは高1の東海合宿あたりから。試合前にも連絡を取ることもあります。栃木国体(少年共通走幅跳に出場して6m04/+0.5で2位)で私は最初あまり調子良くなかったのですが、くるみちゃんから「琴都なら絶対行けるよ」と励まされました。その後は良い跳躍ができました。
――2022年の出来事でもう一つ挙げた300mハードルについて教えてください。
松村 走幅跳の助走につなげるつもりで始めました。ハードル間のインターバルが17歩で、実は走幅跳の全助走と歩数が一緒なのです。リラックスしてスピードを出すことを目指していました。
――インターハイ直前の7月下旬には400mハードルに初挑戦して60秒79をマークしています。
松村 走り終えた直後はそのタイムの価値がよくわからなくて、後になって初レースにしてはすごいということに気づきました。
――トラック種目で全国入賞した感想を教えてください。
松村 すべてに感動しました。走幅跳をはじめフィールド種目は制限時間内であれば、自分のタイミングで試技ができますが、トラック種目はスターターのピストルという決められたタイミングで飛び出します。あのレースの緊張感を含めて感動しました。また、決勝は2位と1000分の4秒差の3位でしたが、そういうギリギリのわずかな差を戦いながら、レース後はノーサイドで称え合うなど、雰囲気を含めてすべて印象に残りました。

FOCUS! 高校生INTERVIEW
松村 琴都 Matsumura Koto
瑞陵2愛知
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介! 2022年を締めくくる今回は女子跳躍の松村琴都選手(瑞陵2愛知)にインタビューしました。8月の徳島インターハイでは走幅跳で優勝。秋にはハードルにも参戦し、U18大会300mハードルでは3位に入っています。ロングジャンパーがハードルに取り組んだ理由は? そして、想像もできない気分転換の方法を教えてもらいました。[/caption]
リラックスして臨めたインターハイ
――2022年はどんな1年でしたか。 松村 あっという間の1年でした。インターハイの走幅跳優勝はなかなか経験できない、すごく印象的な出来事でしたし、10月のU18大会には300mハードルで出場したのも、すごく思い出に残っています。 ――優勝したインターハイ走幅跳(3回目に5m93/-1.2)を振り返ってください。 松村 あの日は心の部分で今までとまったく違う初めての経験をしました。招集所から緊張しなくて、リラックスしたまま試技に臨みました。それはピットに立っても変わらず、そのまま1本目に向かった感じです。正直眠くなるくらいでした。2本目が失敗(ファウル)だったので、3本目は本気モードで集中しました。そこで、心にさらにゆとりが出て、よりリラックスできたと思います。 ――試技中は2位の秦くるみ選手(伊豆中央3静岡)と話していたとか。 松村 はい。くるみちゃんとは、それぞれ良い跳躍ができると互いにガッツポーズしていましたね。中学時代から大会で一緒になり、仲良くなったのは高1の東海合宿あたりから。試合前にも連絡を取ることもあります。栃木国体(少年共通走幅跳に出場して6m04/+0.5で2位)で私は最初あまり調子良くなかったのですが、くるみちゃんから「琴都なら絶対行けるよ」と励まされました。その後は良い跳躍ができました。 ――2022年の出来事でもう一つ挙げた300mハードルについて教えてください。 松村 走幅跳の助走につなげるつもりで始めました。ハードル間のインターバルが17歩で、実は走幅跳の全助走と歩数が一緒なのです。リラックスしてスピードを出すことを目指していました。 ――インターハイ直前の7月下旬には400mハードルに初挑戦して60秒79をマークしています。 松村 走り終えた直後はそのタイムの価値がよくわからなくて、後になって初レースにしてはすごいということに気づきました。 ――トラック種目で全国入賞した感想を教えてください。 松村 すべてに感動しました。走幅跳をはじめフィールド種目は制限時間内であれば、自分のタイミングで試技ができますが、トラック種目はスターターのピストルという決められたタイミングで飛び出します。あのレースの緊張感を含めて感動しました。また、決勝は2位と1000分の4秒差の3位でしたが、そういうギリギリのわずかな差を戦いながら、レース後はノーサイドで称え合うなど、雰囲気を含めてすべて印象に残りました。 次のページ 気分転換はご飯をたくさん食べること [caption id="attachment_89949" align="alignnone" width="800"]
気分転換は食事 パン32個食べたことも
――陸上を始めたきっかけを教えてください。 松村 1、2歳の頃から水泳を始めたりして、小さい頃から運動が好きでした。周りより足が早いなと感じたのは小学2年生あたり。5年生の時に、夏季限定で地元・愛知のクラブチーム、TSMに入りました。練習も試合も楽しくて、そのまま陸上を続けました。 ――陸上を始めた時に印象が残っている出来事は。 松村 試合前日に38度6分の熱が出て、周りから止めようと勧められましたが、私が試合に出たくて……。先生やクラブのたくさんの人がサポートしてくれたお陰で、その大会で2位に入ることができました。 ――中学でもクラブチームで試合に出ていましたね。 松村 中学校も陸上部にも所属して、陸上三昧の日々でした。放課後は午後4時頃から6時前まで部活。TSMの練習は週4日で、その日は部活の後、お弁当を食べて、7時頃から9時まで練習していました。 ――愛知には多くの陸上強豪校があります。瑞陵高を選んだ理由は。 松村 中学卒業時点で、将来の目標が特に定まっていなかったので、高校卒業後の選択肢を広げるため、しっかり勉強したいと思い、進学校の瑞陵高を志望しました。 ――来春から3年生ですが、高校卒業後の進路は考えていますか。 松村 脳波や生理学に興味があるので大学で学んでみたいです。そのため、理科系科目をもう少しがんばります。競技を続けるつもりです。 ――休日はどのように過ごしていますか。 松村 たまに気分転換でご飯をたくさん食べます。以前、ベーカリーレストランに行った時にメインディッシュ付きで1時間半かけてパンを32個食べました。中学生ぐらいの時は食事制限をしたことがありましたが、現在は特に意識していません。しっかり食事をした分、リフレッシュした分、練習でしっかり動いています。 ――冬季練習の真っ最中です。 松村 サーキットトレーニングなどで総合的に身体を鍛えています。インナーマッスルが弱く、腹筋になると他のみんなよりこなすのが遅いけど、走幅跳にとっては必要。走力も高めていきたいです ――2023年はどんな年にしたいですか。 松村 走幅跳だけでなくいろんな種目に挑戦する気持ちを持っています。ただ、その中でも一番の目標は走幅跳で高校記録(6m44)を更新すること。そのために、自分の課題を克服したいです。 構成/井上 敦 次のページ 松村選手のプロフィール [caption id="attachment_89948" align="alignnone" width="800"]
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.16
上海ハーフに前回8位の太田蒼生、國學院大・上原琉翔、青学大の黒田然らエントリー
-
2025.04.15
-
2025.04.14
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.13
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.03.23
-
2025.04.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.16
上海ハーフに前回8位の太田蒼生、國學院大・上原琉翔、青学大の黒田然らエントリー
4月20日に行われる上海ハーフマラソン(4月20日)のエントリーが発表されており、プロランナーとなった青学大卒の太田蒼生(GMOインターネットグループ)が登録した。太田は青学大時代、4年連続で箱根駅伝に出走。3年時は3区 […]
2025.04.16
ダイヤモンドリーグ第1戦厦門に110mH泉谷駿介と村竹ラシッドが登録!サニブラウン、三浦龍司、豊田兼もエントリー
世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)第1戦となる厦門大会(中国/4月26日)のエントリーリストが発表された。 男子110mハードルには、ブダペスト世界選手権5位の泉谷駿介(住友電工)と、パリ五輪5位の村竹ラシッド(JA […]
2025.04.16
人間スポーツ科学科を持つ公立高校が「O2Room®」を導入、スポーツコンディショニングの授業に活用
全国区で活躍する部活動もサポート 2016年に創立100周年を迎えた大阪の伝統校でもある府立桜宮高等学校。1980年にこれまでの普通科に加え大阪府内では初めてとなる体育科を新設し、さらに1999年にはスポーツ健康科学科を […]
2025.04.16
「Tokyo:Speed:Race」に太田智樹、近藤亮太、前田穂南、小林香菜らがエントリー! 海外トップ選手も参加 5月3日に神宮外苑で開催
アシックスは4月16日、さまざまなレベルのランナーが自己ベスト更新に挑戦できるレースイベント「Tokyo:Speed:Race」(5月3日)に出場するエリート選手のメンバーを発表した。 同大会はロードレースでは初となるペ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)