2022.12.28

2022年全日本大学女子駅伝を制している名城大
2022全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)が12月30日(金)に開催される。
富士山本宮浅間大社前(富士宮市)をスタート、富士総合運動公園陸上競技場(富士市)をフィニッシュとする7区間43.4km。4連覇中の名城大が今年も優勝候補の筆頭に挙がる。10月の全日本大学女子駅伝では6連覇を達成しており、5年連続での学生駅伝2冠なるか。名城大の戦力分析を中心に、有力チームを紹介していく。
圧倒的戦力を誇る名城大
名城大を率いる米田勝朗監督は、毎年最上級生の役割を重視しているが、今年の4年生は過去の中でも抜きん出て大学在学中に力をつけた学年。なかでも山本有真が今シーズン大きく飛躍した。
10月の国体の成年女子5000mで15分16秒71の日本人学生最高をマーク。12月10日のエディオン・ディスタンスチャレンジの5000mでも15分25秒92と地力の高さを示している。3000mでも8分52秒19の日本学生記録を樹立しており、まさに学生最速ランナーだ。
チームの主将を務める小林成美もオレゴン世界選手権10000m代表(棄権)の実力者。今季はコンディションが整わない時期が長かったが、12月に入ってから練習が積めていると話している。2人は入学してからこれまで、2大駅伝すべての大会で優勝メンバーに名を連ねており、優勝すれば昨年度の卒業生に続く駅伝無敗で学生生活を終えることになる。
2021年の学生ハーフ3位の荒井優奈を加えた3人が今年の最上級で、富士山女子駅伝でも全員順当にエントリーされている。
4年生に負けず劣らず1年生が粒ぞろい。全日本で1区区間賞を獲得し、スーパールーキーの呼び声高い米澤奈々香をはじめ、5000m15分台が4人そろう。12月3日の日体大長距離競技会5000mでは全日本2区区間賞の石松愛朱加が15分52秒28の自己新、U20世界選手権1500m代表の柳樂あずみが15分54秒46のシーズンベストをマークした。
日本インカレ10000m2位の原田紗希も10月に15分47秒62で走っている。このほか大河原萌花、明貝菜乃羽をあわせた6名がこの学年からエントリーされており、7区間のうちの半分近くをルーキーが占める可能性も十分だ。
2年生以上では増渕祐香(3年)と谷本七星(2年)が入学以来、欠かさず2大駅伝に出走しており、富士山でもメンバー入りの有力候補。ともに5000m15分台、10000mで32分台のシーズンベストを持っており、全日本後も状態は順調のようだ。
名城大は昨年の全日本大学女子駅伝で1区1位のトップ発進で優勝してから、学生女子2大駅伝では3大会続けて完封リレーを果たしている。2020年の富士山女子駅伝2区で先頭に立って以来一度も先頭を譲っておらず、今回も1区からリードを奪えるかが注目のポイントとなる。
米田監督は長距離区間に上級生、距離の短い区間に下級生を置く方針を示しており、4.1kmの1区には1年生が起用される可能性が高い。2区以降には絶対的に自信をもっており、特に後半区間で差を広げるようなレース展開を想定している。
最長区間の5区(10.5km)は現チームに経験者不在だが、最上級生の起用が濃厚か。キャプテン・小林が長い距離を得意としており、全日本では2年連続で最長区間を担った実績を持つ。山本はもともと1500mを専門としていたスピードタイプだが、今季はオランダ・ナイメーヘンで11月22日に行われたセブンヒルズ15kmを49分21秒で走るなど、スタミナ面にも自信をつけている。富士山では3年連続で4区を走っているが、今回は満を持してエース区間への出走もあり得そうだ。
長距離区間に学生トップクラスの選手が配置できるとともに、比較的距離の短い区間にも他大学のエースに比肩する選手を配置できるのが名城大の強み。全日本では谷本が4.8kmの4区で区間2位以下に50秒以上の差をつけて区間賞を獲得しており、つなぎの区間とみなされがちな区間で大差をつけて優勝への足場を築いた。富士山でも意外な区間で見せ場が作られるかもしれない。
長距離区間からスピード区間まで対応できる選手をそろえる名城大に死角は見当たらない。優勝ばかりでなく、4年前から連覇を成し遂げながらも未だ果たせていない全区間・区間賞での完全優勝の実現も現実味を帯びている。

圧倒的戦力を誇る名城大
名城大を率いる米田勝朗監督は、毎年最上級生の役割を重視しているが、今年の4年生は過去の中でも抜きん出て大学在学中に力をつけた学年。なかでも山本有真が今シーズン大きく飛躍した。 10月の国体の成年女子5000mで15分16秒71の日本人学生最高をマーク。12月10日のエディオン・ディスタンスチャレンジの5000mでも15分25秒92と地力の高さを示している。3000mでも8分52秒19の日本学生記録を樹立しており、まさに学生最速ランナーだ。 チームの主将を務める小林成美もオレゴン世界選手権10000m代表(棄権)の実力者。今季はコンディションが整わない時期が長かったが、12月に入ってから練習が積めていると話している。2人は入学してからこれまで、2大駅伝すべての大会で優勝メンバーに名を連ねており、優勝すれば昨年度の卒業生に続く駅伝無敗で学生生活を終えることになる。 2021年の学生ハーフ3位の荒井優奈を加えた3人が今年の最上級で、富士山女子駅伝でも全員順当にエントリーされている。 4年生に負けず劣らず1年生が粒ぞろい。全日本で1区区間賞を獲得し、スーパールーキーの呼び声高い米澤奈々香をはじめ、5000m15分台が4人そろう。12月3日の日体大長距離競技会5000mでは全日本2区区間賞の石松愛朱加が15分52秒28の自己新、U20世界選手権1500m代表の柳樂あずみが15分54秒46のシーズンベストをマークした。 日本インカレ10000m2位の原田紗希も10月に15分47秒62で走っている。このほか大河原萌花、明貝菜乃羽をあわせた6名がこの学年からエントリーされており、7区間のうちの半分近くをルーキーが占める可能性も十分だ。 2年生以上では増渕祐香(3年)と谷本七星(2年)が入学以来、欠かさず2大駅伝に出走しており、富士山でもメンバー入りの有力候補。ともに5000m15分台、10000mで32分台のシーズンベストを持っており、全日本後も状態は順調のようだ。 名城大は昨年の全日本大学女子駅伝で1区1位のトップ発進で優勝してから、学生女子2大駅伝では3大会続けて完封リレーを果たしている。2020年の富士山女子駅伝2区で先頭に立って以来一度も先頭を譲っておらず、今回も1区からリードを奪えるかが注目のポイントとなる。 米田監督は長距離区間に上級生、距離の短い区間に下級生を置く方針を示しており、4.1kmの1区には1年生が起用される可能性が高い。2区以降には絶対的に自信をもっており、特に後半区間で差を広げるようなレース展開を想定している。 最長区間の5区(10.5km)は現チームに経験者不在だが、最上級生の起用が濃厚か。キャプテン・小林が長い距離を得意としており、全日本では2年連続で最長区間を担った実績を持つ。山本はもともと1500mを専門としていたスピードタイプだが、今季はオランダ・ナイメーヘンで11月22日に行われたセブンヒルズ15kmを49分21秒で走るなど、スタミナ面にも自信をつけている。富士山では3年連続で4区を走っているが、今回は満を持してエース区間への出走もあり得そうだ。 長距離区間に学生トップクラスの選手が配置できるとともに、比較的距離の短い区間にも他大学のエースに比肩する選手を配置できるのが名城大の強み。全日本では谷本が4.8kmの4区で区間2位以下に50秒以上の差をつけて区間賞を獲得しており、つなぎの区間とみなされがちな区間で大差をつけて優勝への足場を築いた。富士山でも意外な区間で見せ場が作られるかもしれない。 長距離区間からスピード区間まで対応できる選手をそろえる名城大に死角は見当たらない。優勝ばかりでなく、4年前から連覇を成し遂げながらも未だ果たせていない全区間・区間賞での完全優勝の実現も現実味を帯びている。 次ページ 虎視眈々と狙う立命大、不破聖衣来擁する拓大など [caption id="attachment_89832" align="alignnone" width="800"]
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