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2022.12.26

2022年を熱狂させたオレゴン世界陸上とそれを支えた「セイコー タイミングチーム」
2022年を熱狂させたオレゴン世界陸上とそれを支えた「セイコー タイミングチーム」

2022年オレゴン世界選手権400mH世界新を樹立したマクローリン

2022年の陸上界で、最大のトピックスとなったのは7月15日~24日に米国オレゴン州ユージンで開催された「世界陸上オレゴン22」だ。

米国初開催の世界陸上の舞台は、全米選手権を何度も開催するなど米国陸上界の「聖地」と呼ばれるオレゴン大キャンパス内のヘイワード・フィールド。世界的にも珍しい陸上競技専用のスタジアムは連日満員となり、選手の一挙手一投足に大歓声が上がる。陸上の本場が生み出す高揚感は、選手たちにも波及。数々の好記録、名勝負が生まれた。

女子400mハードルでは地元のヒロイン、シドニー・マクローリンが世界初の50秒台となる50秒68の大記録を樹立。米国勢は男子スプリント種目4冠に輝くなど、自国開催の大会を大いに盛り上げた。

女子100mハードルではトビ・アムサン(ナイジェリア)が準決勝で6年ぶり世界新の12秒12(+0.9)、決勝では追い風参考ながら12秒06(+2.5)というビッグパフォーマンスを連発。マラソンはエチオピア勢がいずれも大会新で、史上2ヵ国目の男女Vを成し遂げた。

そして、男子棒高跳のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が大会最後の競技者としてピットに立ち、6m21の世界新記録を樹立。文字通り、大会のフィナーレを飾った。

日本勢も世界を相手位に堂々たる戦いを見せた。

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男子20km競歩で山西利和(愛知製鋼)が2連覇を達成。東京五輪に続く銀メダルだった池田向希(旭化成)とのワンツーを含め、日本初の快挙を成し遂げた。競歩では初採用の男子35kmで川野将虎(旭化成)も銀メダルを手にしている。

女子やり投では北口榛花(JAL)が輝いた。日本女子フィールド初メダルとなる銅メダル。最終投てきで5位からの逆転大アーチと、その後の歓喜の涙は見る者の心を打った。

男子100mではサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が、世界選手権で日本人初のファイナルへ進出。7位入賞を成し遂げた。男子4×400mリレーは日本にとって悲願だった「3分」の壁を破る2分59秒51の日本新で、メダルにあと一歩の4位。田中希実(豊田自動織機TC)が女子中長距離3種目出場という偉業に挑戦した。

次ページへ「どんな大会でも失敗しない」それがセイコーのモットー

2022年の陸上界で、最大のトピックスとなったのは7月15日~24日に米国オレゴン州ユージンで開催された「世界陸上オレゴン22」だ。 米国初開催の世界陸上の舞台は、全米選手権を何度も開催するなど米国陸上界の「聖地」と呼ばれるオレゴン大キャンパス内のヘイワード・フィールド。世界的にも珍しい陸上競技専用のスタジアムは連日満員となり、選手の一挙手一投足に大歓声が上がる。陸上の本場が生み出す高揚感は、選手たちにも波及。数々の好記録、名勝負が生まれた。 女子400mハードルでは地元のヒロイン、シドニー・マクローリンが世界初の50秒台となる50秒68の大記録を樹立。米国勢は男子スプリント種目4冠に輝くなど、自国開催の大会を大いに盛り上げた。 女子100mハードルではトビ・アムサン(ナイジェリア)が準決勝で6年ぶり世界新の12秒12(+0.9)、決勝では追い風参考ながら12秒06(+2.5)というビッグパフォーマンスを連発。マラソンはエチオピア勢がいずれも大会新で、史上2ヵ国目の男女Vを成し遂げた。 そして、男子棒高跳のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が大会最後の競技者としてピットに立ち、6m21の世界新記録を樹立。文字通り、大会のフィナーレを飾った。 日本勢も世界を相手位に堂々たる戦いを見せた。 男子20km競歩で山西利和(愛知製鋼)が2連覇を達成。東京五輪に続く銀メダルだった池田向希(旭化成)とのワンツーを含め、日本初の快挙を成し遂げた。競歩では初採用の男子35kmで川野将虎(旭化成)も銀メダルを手にしている。 女子やり投では北口榛花(JAL)が輝いた。日本女子フィールド初メダルとなる銅メダル。最終投てきで5位からの逆転大アーチと、その後の歓喜の涙は見る者の心を打った。 男子100mではサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)が、世界選手権で日本人初のファイナルへ進出。7位入賞を成し遂げた。男子4×400mリレーは日本にとって悲願だった「3分」の壁を破る2分59秒51の日本新で、メダルにあと一歩の4位。田中希実(豊田自動織機TC)が女子中長距離3種目出場という偉業に挑戦した。 次ページへ「どんな大会でも失敗しない」それがセイコーのモットー

「どんな大会でも失敗しない」それがセイコーのモットー

オレゴンでの「熱狂の10日間」――。その主役が選手たちであることは言うまでもないが、選手たちが活躍する舞台を支える人たちもまた、大会の主役を担っていたことも忘れてはならない。 なかでも、陸上競技におけるもっとも重要な要素である「記録」をサポートする「セイコー タイミングチーム」の存在なくしては、大会は成り立たないと言っても過言ではない。 同社は世界陸上において、1987年の第2回ローマ大会から世界陸連(WA/当時・国際陸連)「オフィシャルタイマー」を担当。2009年ベルリン大会、ウサイン・ボルトが打ち立てた100m9秒58、200m19秒19の世界記録をはじめ、偉大な記録、歴史に残る名勝負を刻み続けてきた。17大会連続の計時計測サポートだったオレゴン22でも、スムーズな進行に大きな役割を果たしている。 [caption id="attachment_89727" align="alignnone" width="800"] 世界陸上においてセイコーは17大会連続でオフィシャルタイマーを担当している ただ、そんな華やかな表舞台とは想像もつかないほど、準備段階ではどの大会も常に悪戦苦闘の状況だという。 特に今回は予測不能の事態が頻発。コンテナ8台分、総重量23トンの機材が、日本とイギリスから運搬される予定だったが、世界的なコンテナ不足と運搬トラブルから予定よりも大幅に遅れた。 さらに、スタジアム内の電源供給、ネットワークの不具合……開幕の12日前からスタートした準備は、あっという間に時間が過ぎていく。 それでも、総勢70名のチーム一丸となって試練に立ち向かった。一つひとつ、メンバーの手で問題を解決。あらゆる事態に備えた準備を徹底し、二重、三重、四重のバックアップ体制も整えるが、これはどの大会でも同じこと。 「設営の時にうまくいっていても、大会数分前にエラーが出ることもある。時間がある限り確認をして、本番に臨む」。0.01秒、1ミリの記録更新のために人生を懸けるアスリートのためにも、失敗は絶対に許されない。 「どんな大会でも失敗しない」 それがセイコーのモットーであり、使命。メンバー全員がそれを心に刻み、完璧を追求する。 選手たちが繰り広げるビッグパフォーマンスと、それを支える多くの人たち。世界陸上オレゴン22は、その両方を強く印象付けた大会として、歴史に刻まれた。 文/小川雅生 ■Documentary of SEIKO TIMING TEAM 日本語版 普段は大会の裏方として計時支援に奔走する「セイコー タイミングチーム」の世界陸上オレゴン22の成功にかける、計時計測への思いにスポットライトを当てたドキュメンタリームービー。アスリートが華やかに活躍する表舞台からは絶対に想像がつかない、大会の裏側に関わる計時スタッフのリアルな緊張と感動のドラマが収められている。 https://www.youtube.com/watch?v=1Y5upM8RkWw&t=2s

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