2022.12.27
箱根駅伝Stories
新春の風物詩・箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。12月19日から区間エントリーが発表される29日まで、全校の特集記事を掲載していく。
伝統ある箱根駅伝のなかでも燦燦と輝く歴史を築いてきたのが中大だ。出場95回、優勝14回はともにトップ。2013年以降はシード権から遠ざかる苦しい時期が続いたが、藤原正和駅伝監督のもと、息を吹き返している。
出雲、全日本で見せた名門復活の予兆
前回は10年ぶりのシード権となる6位。その勢いでトラックシーズンを駆け抜けた。関東インカレ(1部)は成長著しい中野翔太(3年)が5000mで3位に入るなど、1500m以上の距離では、27年ぶりの“全種目入賞”を達成。
箱根駅伝予選会がないため前半戦はトラックに集中。その間に中野が成長して、1年生も力をつけた。
中野は7月に10000mで28分00秒86の中大記録を樹立した。日本インカレの5000mでは吉居駿恭(1年)が4位に食い込んでいる。
その一方、前回大会の1区で衝撃の区間新記録を樹立したエースの吉居大和(3年)は、右腸脛靭帯を痛め、日本選手権を欠場するなどトラックシーズンは不発に終わった。
出雲駅伝は「60~70%ほど」の仕上がりだった吉居大が1区で爆走した。徹底マークをかわし、序盤から抜け出すと、後続に9秒以上の差をつけて区間賞を獲得。エースが勢いをつけたことで中大は学生駅伝で10年ぶりのトップスリーとなる3位でフィニッシュした。
期待を集めた全日本大学駅伝は体調が上がらなかった中野が欠場。吉居大も帯状疱疹でレース前々日までの3日間を完全休養した。欠場する予定だったエースが急遽、6区を出走。区間記録を11秒も塗り替えると、チームも前年を1つ上回る7位で2年連続シードを確保した。
「全日本は吉居と中野を補欠に入れる今季最大のピンチでしたが、4年生が支えてくれました。エース不在でも戦えるという雰囲気のなか中野が復帰して、さらに上を目指す雰囲気なっています」と藤原監督。
エントリー上位10人平均タイムは前年より約10秒短縮する28分27秒66で3位につけている。今大会は「3位以内」という目標を立てているが、「優勝争い」にも加わっていくつもりだ。
次のページ 吉居兄弟タスキリレーなるか!?
出雲、全日本で見せた名門復活の予兆
前回は10年ぶりのシード権となる6位。その勢いでトラックシーズンを駆け抜けた。関東インカレ(1部)は成長著しい中野翔太(3年)が5000mで3位に入るなど、1500m以上の距離では、27年ぶりの“全種目入賞”を達成。 箱根駅伝予選会がないため前半戦はトラックに集中。その間に中野が成長して、1年生も力をつけた。 中野は7月に10000mで28分00秒86の中大記録を樹立した。日本インカレの5000mでは吉居駿恭(1年)が4位に食い込んでいる。 その一方、前回大会の1区で衝撃の区間新記録を樹立したエースの吉居大和(3年)は、右腸脛靭帯を痛め、日本選手権を欠場するなどトラックシーズンは不発に終わった。 出雲駅伝は「60~70%ほど」の仕上がりだった吉居大が1区で爆走した。徹底マークをかわし、序盤から抜け出すと、後続に9秒以上の差をつけて区間賞を獲得。エースが勢いをつけたことで中大は学生駅伝で10年ぶりのトップスリーとなる3位でフィニッシュした。 期待を集めた全日本大学駅伝は体調が上がらなかった中野が欠場。吉居大も帯状疱疹でレース前々日までの3日間を完全休養した。欠場する予定だったエースが急遽、6区を出走。区間記録を11秒も塗り替えると、チームも前年を1つ上回る7位で2年連続シードを確保した。 「全日本は吉居と中野を補欠に入れる今季最大のピンチでしたが、4年生が支えてくれました。エース不在でも戦えるという雰囲気のなか中野が復帰して、さらに上を目指す雰囲気なっています」と藤原監督。 エントリー上位10人平均タイムは前年より約10秒短縮する28分27秒66で3位につけている。今大会は「3位以内」という目標を立てているが、「優勝争い」にも加わっていくつもりだ。 次のページ 吉居兄弟タスキリレーなるか!?吉居兄弟タスキリレーなるか!?
「3位以内を考えると、國學院大、順大、創価大がライバルになる」と指揮官は考えている。1、2区をトータルで見た時にどんな流れがいいのか。吉居大は2区を含めて、他大学の区間を見極めながらオーダーを決めるつもりでいる。 また、日本インカレ1500m2位の千守倫央(4年)が2つの駅伝(出雲2区、全日本1区)でともに区間3位と健闘していることが大きい。「山は前回好走している選手がいるので、あとは湯浅をどこに配置にするのか。往路を3~4位につけて、復路で順位をさらに上げていきたい」と藤原監督はプランを練っている。 前回1区で驚異的な区間記録を打ち立てたエース吉居は、1区もしくは3区での起用が有力視される。2区は中野が濃厚で、出雲と全日本を好走した千守、1年生ながら主要区間を担った吉居駿も往路の候補だ。 山は前回5区区間6位の阿部陽樹(2年)、同6区区間5位の若林陽大(4年)が控えている。阿部は2区候補でもあるが、「前回はペース配分が良くありませんでした。うまくいけば1時間10分前後でいける」と藤原監督は5区でのポテンシャルを高く評価している。3年連続の山下りが濃厚な主将・若林は「57分台」と「区間賞」をターゲットにしており、山の爆発力は高い。 そして復路メンバーも充実している。前回8区区間3位の中澤雄大(4年)、同9区区間3位の湯浅仁(3年)、関東インカレのハーフ3位の山平怜生(2年)、出雲5区区間2位の溜池一太(2年)。上尾ハーフでは助川拓海と田井野悠介(ともに4年)が1時間2分30秒台をマークしている。「復路にも厚い戦力を並べられる。駒大、青学大とも箱根の距離なら戦えるかなと考えています」と指揮官は自信を持っている。 好選手がそろうチームだけに、様々な区間パターンが考えられる。その中でも最大の注目はエース吉居の配置だ。 「12月29日の区間エントリーで大和を1区に当て込めることになれば、そこに(有力選手が)集まってくるでしょう。前回のような大逃げは決まりにくくなりますが、3、4区が少し手薄になるので、そこで勝負できる。また吉居大和を補欠登録しておくことで、どこに入るのかというプレッシャーを与えることができます。“2強”の流れを断ち切るためにも往路で勝負どころを作り、勝機を見出していきたいです」 [caption id="attachment_89731" align="alignnone" width="800"]
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.22
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]
2025.02.22
円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]
2025.02.22
「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン
◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝