2022.12.26
箱根駅伝Stories
新春の風物詩・箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。12月19日から区間エントリーが発表される29日まで、全校の特集記事を掲載していく。
山梨学大に頼もしい選手が浮上してきた。10月の箱根駅伝予選会でチーム内日本人トップの走りを見せた北村惇生(3年)だ。いまだ箱根駅伝の出走経験はなし。初の箱根路ではチームの主力として挑むことになりそうだ。
大学3年目に覚醒
大学3年となった2022年度、北村惇生(3年)は充実の時を迎えている。
前回の箱根駅伝本戦では復路の準備していたものの、他の選手とわずかの差で出走がかなわなかった。ただ、1年時の初10000mで29分39秒16、2年時の11月に29分24秒38と着実な歩み。
「ビジョンが見えてきて、目標にしていた28分台も、次の年には出せると自信になりました」と、来たる快走連発の2022年へ、足がかりをつかんでいた。
28分台突入を果たしたのが今年7月。関東学生網走夏季記録挑戦会で28分56秒80をマークした。「あの時点で29分台前半の力はあるのかなと臨んで28分台。喜びより驚きが勝りました」と振り返る。
夏の強化期間をはさんで、迎えた予選会。山梨学大はジェームス・ムトゥク(1年)、木山達哉(4年)が先行。次に控えるグループで、北村は安定したペースを刻んだ。
「意識して刻んだペースではないので、結果的に安定したペースになったことは驚いています。10km過ぎに体感的に『遅いのではないか』と思い、(グループから)抜け出しました。前にいる選手を伝っていくようにして、うまく風よけにしながら走りました」
一気にではなく、1人ずつ着実に抜いていった。当時の自己ベストは1時間5分台だったが、日々のトレーニングで自身も驚くほどスタミナがついていた。
最後はチームメイトの木山もかわして、チーム2番目、日本人ではトップの1時間3分07秒(18位)でフィニッシュした。チームは8月に新型コロナ感染症の影響で一時活動を停止しており、その影響で準備不足だった1人。フルモードで出し切っていない面もある。
次のページ 11月には10000mで28分41秒90の自己新
大学3年目に覚醒
大学3年となった2022年度、北村惇生(3年)は充実の時を迎えている。 前回の箱根駅伝本戦では復路の準備していたものの、他の選手とわずかの差で出走がかなわなかった。ただ、1年時の初10000mで29分39秒16、2年時の11月に29分24秒38と着実な歩み。 「ビジョンが見えてきて、目標にしていた28分台も、次の年には出せると自信になりました」と、来たる快走連発の2022年へ、足がかりをつかんでいた。 28分台突入を果たしたのが今年7月。関東学生網走夏季記録挑戦会で28分56秒80をマークした。「あの時点で29分台前半の力はあるのかなと臨んで28分台。喜びより驚きが勝りました」と振り返る。 夏の強化期間をはさんで、迎えた予選会。山梨学大はジェームス・ムトゥク(1年)、木山達哉(4年)が先行。次に控えるグループで、北村は安定したペースを刻んだ。 「意識して刻んだペースではないので、結果的に安定したペースになったことは驚いています。10km過ぎに体感的に『遅いのではないか』と思い、(グループから)抜け出しました。前にいる選手を伝っていくようにして、うまく風よけにしながら走りました」 一気にではなく、1人ずつ着実に抜いていった。当時の自己ベストは1時間5分台だったが、日々のトレーニングで自身も驚くほどスタミナがついていた。 最後はチームメイトの木山もかわして、チーム2番目、日本人ではトップの1時間3分07秒(18位)でフィニッシュした。チームは8月に新型コロナ感染症の影響で一時活動を停止しており、その影響で準備不足だった1人。フルモードで出し切っていない面もある。 次のページ 11月には10000mで28分41秒90の自己新11月には10000mで28分41秒90の自己新
その後、11月12日に日体大競技会10000m最終組に出場。トップが27分27秒51、同僚のボニフェス・ムルア(4年)が27分43秒60を出すなどしたこの組は、序盤が超高速。物怖じせず突っ込み、そのうえで集団が崩れた中盤は持続可能なペースに立て直した。終盤には粘り強さを発揮し、28分41秒90の自己新にまとめた。 「予選会で自己ベストを2分縮め、自分の調子の良さを実感できた。それをトラックに反映させるかたちで、力を証明できたのではないでしょうか」 予選会がフロックでないことを示したばかりか、同じ組で28分36秒42とした木山と並び、今やチームの両翼である。 [caption id="attachment_89716" align="alignnone" width="800"]
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