2022.12.21
長距離トップランナーの間で今や当たり前のギアになった厚底シューズ。ミッドソールに搭載されたカーボンプレートによって従来のシューズに比べてより大きな地面反力を得られ、それがパフォーマンスの向上につながっている。
その一方で、股関節まわりのケガや故障が増えており、厚底シューズに対応する〝新時代のトレーニング〟として、一般社団法人日本ランニング協会が提唱している『ハイブリッドランニング』が今、注目を集めている。
これは、EMS(筋電気刺激)を搭載した「SIXPADパワースーツ コアベルト」を活用したトレーニングメソッドの一つ。お腹に巻くだけで腹筋・脇腹・背筋下部を同時に鍛えることができるコアベルトを走りながら使用し、常に体幹に意識をおきながらランニングフォームを整えていくものだ。
先日、SIXPADを販売する株式会社MTGが主催したメディア発表会が都内で行われ、日本ランニング協会〝応援団長〟を担うマラソン界のレジェンド・瀬古利彦氏(日本陸連マラソン強化・戦略リーダー)も「厚底シューズの特長である地面反力を活かすためにも、体幹強化はランナーたちの大きな課題。走る練習と同じぐらいフィジカルトレーニングが重要」と話し、「ここ3日間(SIXPADを)使っていますが、すでに筋肉痛です。現役時代にこれがあったら、私2時間切っていましたね。体幹が強くなったらフォームも変わるし、(世界記録保持者の)キプチョゲ(ケニア)に勝っちゃいますよ」と言って会場を笑いに包んだ。
『ハイブリッドランニング』はMTGと日本ランニング協会が共同開発した『SIXPADトレーニングメソッド』のキー項目だが、MTGの松下剛社長は開発の理由を「ランナーのみなさんが抱えているフォームの問題などをSIXPADが持つ〝筋力トレーニングと有酸素運動を並行して行える〟という特性で解決できると考えたから。SIXPADを使うことで、ランナーのみなさんが正しいフォームを習得し、ケガも防いでほしい」と述べた。
「誰でも簡単に継続したトレーニングができる
SIXPADランニングメソッドは「ハイブリッドランニング」「体幹強化」「呼吸筋強化」の3項目からなるもので、SIXPADブランドマネージャーの熊崎嘉月氏は「アスリートはもちろん、日常でランニングを楽しむすべてのランナーの方にとって継続しやすい素晴らしいメソッドだと自負している」と語り、「SIXPADは誰でも簡単に継続したトレーニングができる」とメリットをアピールした。 [caption id="attachment_89264" align="alignnone" width="800"] 「SIXPADは誰でも簡単に継続したトレーニングができる」と話す熊崎氏[/caption] このメソッドの開発をリードした日本ランニング協会マスタートレーナーの園原健弘氏は、自身が監督を務める明大競走部駅伝チームにもすでに導入。「(選手たちは)故障が減りましたし、身体に対する観察力も深まった。長期的にパフォーマンスの向上も期待できる」と話しており、チーム飛躍の起爆剤になるかもしれない。 [caption id="attachment_89265" align="alignnone" width="800"] 『ハイブリッドランニング』は〝新時代のトレーニング〟として注目されている[/caption]
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