HOME 駅伝

2022.11.27

廣中璃梨佳 連続区間賞ストップもチームのために「やれることは出せました」/クイーンズ駅伝
廣中璃梨佳 連続区間賞ストップもチームのために「やれることは出せました」/クイーンズ駅伝

◇クイーンズ駅伝in宮城(11月27日/宮城・松島~仙台、6区間42.195km)

全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)が11月27日に行われ、日本代表で5000m日本記録保持者の廣中璃梨佳(JP日本郵政グループ)は3区に入って区間2位の力走を見せた。

チームは総合3位。「一人ひとりやるべきことをやって、信じてやってきた結果。自分としても、やれることはすべて出しました」と振り返る。

トップの資生堂からは47秒差の4位で走り出した廣中。3秒後ろからは積水化学の新谷仁美が迫るが、振り返らずに前へと攻めの走りを見せる。5km通過は15分33秒。8kmで資生堂の一山麻緒に並びかけた。

一度は一山も粘ったが、残り1kmで一山を突き放す。しかし、その後ろから新谷が迫り、10.3kmで新谷が廣中をかわした。

陸上界に刻まれるような名勝負。ここからが廣中の強さだった。懸命に腕を振ると、残り300mでスパート。トップは譲らなかった。

区間賞は新谷から1秒遅れで逃した廣中。これまで中学時代から続いていた連続区間賞がついにストップ。だが、「悔しさはありますが、区間賞のためにやっているわけではありません。チームのために走り切れたので良かった」と胸を張った。

たとえ連続区間賞が途切れても、これまでの取り組みや結果の価値は何も変わらない。むしろ、世界選手権以降、悩み、試行錯誤を繰り返す中でも強さを見せてトップを奪ったことに新たな価値観がある。

「トップで渡せたこと、流れを変えられたことが良かった。これからも駅伝ではチームで一致団結してやっていきたいです」

5000mで日本記録14分52秒84、10000mは日本歴代2位の30分39秒71を持ち、東京五輪では10000m7位入賞。これまで結果を残してきた。

それでも世界と戦うために「引き出しを増やさないと」と、さまざまな取り組みに挑戦。オレゴン後は連戦して練習の一環としてレースを使うなど、新たな試みもあった。その中で本来の走りができず「葛藤もあった」。

今回の駅伝での粘りの走りは廣中の真骨頂。「自分らしい走りができました。これを一つのきっかけにしたい」。連続区間賞ストップを、次の舞台へと進むためのステップにする強さを廣中は持っている。

◇廣中の駅伝成績
・都道府県対抗女子駅伝
16年3区1位
17年4区1位
18年4区1位
19年1区1位
20年1区1位
22年9区1位
・全国高校駅伝
18年1区1位
・全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)
19年1区1位
20年1区1位
21年3区1位
22年3区2位

◇クイーンズ駅伝in宮城(11月27日/宮城・松島~仙台、6区間42.195km) 全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)が11月27日に行われ、日本代表で5000m日本記録保持者の廣中璃梨佳(JP日本郵政グループ)は3区に入って区間2位の力走を見せた。 チームは総合3位。「一人ひとりやるべきことをやって、信じてやってきた結果。自分としても、やれることはすべて出しました」と振り返る。 トップの資生堂からは47秒差の4位で走り出した廣中。3秒後ろからは積水化学の新谷仁美が迫るが、振り返らずに前へと攻めの走りを見せる。5km通過は15分33秒。8kmで資生堂の一山麻緒に並びかけた。 一度は一山も粘ったが、残り1kmで一山を突き放す。しかし、その後ろから新谷が迫り、10.3kmで新谷が廣中をかわした。 陸上界に刻まれるような名勝負。ここからが廣中の強さだった。懸命に腕を振ると、残り300mでスパート。トップは譲らなかった。 区間賞は新谷から1秒遅れで逃した廣中。これまで中学時代から続いていた連続区間賞がついにストップ。だが、「悔しさはありますが、区間賞のためにやっているわけではありません。チームのために走り切れたので良かった」と胸を張った。 たとえ連続区間賞が途切れても、これまでの取り組みや結果の価値は何も変わらない。むしろ、世界選手権以降、悩み、試行錯誤を繰り返す中でも強さを見せてトップを奪ったことに新たな価値観がある。 「トップで渡せたこと、流れを変えられたことが良かった。これからも駅伝ではチームで一致団結してやっていきたいです」 5000mで日本記録14分52秒84、10000mは日本歴代2位の30分39秒71を持ち、東京五輪では10000m7位入賞。これまで結果を残してきた。 それでも世界と戦うために「引き出しを増やさないと」と、さまざまな取り組みに挑戦。オレゴン後は連戦して練習の一環としてレースを使うなど、新たな試みもあった。その中で本来の走りができず「葛藤もあった」。 今回の駅伝での粘りの走りは廣中の真骨頂。「自分らしい走りができました。これを一つのきっかけにしたい」。連続区間賞ストップを、次の舞台へと進むためのステップにする強さを廣中は持っている。 ◇廣中の駅伝成績 ・都道府県対抗女子駅伝 16年3区1位 17年4区1位 18年4区1位 19年1区1位 20年1区1位 22年9区1位 ・全国高校駅伝 18年1区1位 ・全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝) 19年1区1位 20年1区1位 21年3区1位 22年3区2位

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.22

田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設

来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]

NEWS 早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

2024.11.21

早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]

NEWS 立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

2024.11.21

立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]

NEWS M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

2024.11.20

M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]

NEWS 第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

2024.11.20

第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top