HOME 国内

2022.10.31

リオ五輪&世界選手権代表・北川貴理が現役引退 今後は教員に「良い指導者になれるように精進」
リオ五輪&世界選手権代表・北川貴理が現役引退 今後は教員に「良い指導者になれるように精進」

富士通は男子短距離の北川貴理が10月20日をもって退部したことを発表した。

北川は1996年生まれの26歳。福井・敦賀高時代に400mで頭角を現わすと、2年目にインターハイ7位、国体2位、日本ユース選手権優勝と活躍する。高3時には米国・ユージンで行われた世界ジュニア選手権4×400mリレーで銀メダル獲得に貢献すると、帰国して直行した山梨インターハイで400mに優勝。決勝では自己新となる46秒57をマークした。その後、日本ジュニア選手権、国体も制して高校3冠を達成。

卒業後は順大へ進学すると、1年目にはアジア選手権で5位。ユニバーシアードでも7位に入った。北京世界選手権の4×400mリレーでアンカーを務め、秋の日本インカレは1年生優勝を飾った。2016年には日本選手権で3位に食い込むとリオ五輪4×400mリレー代表に選出。翌年にはロンドン世界選手権に個人(400m)でも出場。3年目には日本選手権で初優勝を果たした。2019年に富士通へ加入。自己ベストは17年の45秒48(日本歴代11位)だった。

近年はケガに悩まされてなかなか本来の力を発揮できなかったが、高校時代から100m10秒64、200m21秒台の走力を生かしつつ、自信を持つ後半で抜群の強さを見せて追い込んでくる走りで活躍。4×400mリレーでも日本代表を支えた魅力溢れるロングスプリンターだった。

北川は富士通のHPを通じ、「日本代表を目指し、日本一のチームで競技ができるという期待を持って入社したことを昨日のことのように覚えています」と振り返り、所属した4年間で「自分自身の成長につながったと思います」と感謝をつづった。

広告の下にコンテンツが続きます

今後は地元・福井に戻って中学・高校の保健体育教員として勤務する予定。「最高の環境で競技できたことを幸せに思います。今度は私自身が経験を生かし、良い指導者になれるように精進したいと思います」とコメントしている。

■北川貴理のコメント全文
2019年に入社し、約4年間富士通陸上競技部で競技を続けることができました。日本代表を目指し、日本一のチームで競技ができるという期待を持って入社したことを昨日のことのように覚えています。

入社1年目は日本選手権に出場することはできませんでしたが、全日本実業団陸上競技選手権4×400mリレーで優勝、400mでは2位に入賞することができました。また、2021年の全日本実業団陸上競技選手権でも4×400mリレーで優勝、また、チームが団体総合優勝したことは良い思い出となりました。しかしながら、個人種目となる400mではなかなか結果が振るわず、2021年、2022年と日本選手権に出場はしましたが、予選敗退となり世界へ挑戦することは叶いませんでした。

調子が上がらない中、スタッフや先輩のアドバイスを受けながら陸上競技に取り組む機会が増え、練習内容、目標としている大会への年間を通したスケジュール、ケガとの向き合い方などを学び、ただ前にいる選手を抜くことだけを考えていた学生時代とは違い、これらの経験は自分自身の成長につながったと思います。また、コロナ禍の影響でテレワークがメインになり徐々に出社する機会が減っていきましたが、その中でも職場の方々とはメールなどで仕事の事や近況を連絡したりと、常に気遣って頂き社業と競技を両立することがきました。

2023年度からは地元福井県で中・高の保健体育教員として働く予定です。富士通で過ごした日々は、これからの人生にプラスになるものばかりでした。最高の環境で競技できたことを幸せに思います。今度は私自身が経験を生かし、良い指導者になれるように精進したいと思います。これまで応援頂きありがとうございました。

富士通は男子短距離の北川貴理が10月20日をもって退部したことを発表した。 北川は1996年生まれの26歳。福井・敦賀高時代に400mで頭角を現わすと、2年目にインターハイ7位、国体2位、日本ユース選手権優勝と活躍する。高3時には米国・ユージンで行われた世界ジュニア選手権4×400mリレーで銀メダル獲得に貢献すると、帰国して直行した山梨インターハイで400mに優勝。決勝では自己新となる46秒57をマークした。その後、日本ジュニア選手権、国体も制して高校3冠を達成。 卒業後は順大へ進学すると、1年目にはアジア選手権で5位。ユニバーシアードでも7位に入った。北京世界選手権の4×400mリレーでアンカーを務め、秋の日本インカレは1年生優勝を飾った。2016年には日本選手権で3位に食い込むとリオ五輪4×400mリレー代表に選出。翌年にはロンドン世界選手権に個人(400m)でも出場。3年目には日本選手権で初優勝を果たした。2019年に富士通へ加入。自己ベストは17年の45秒48(日本歴代11位)だった。 近年はケガに悩まされてなかなか本来の力を発揮できなかったが、高校時代から100m10秒64、200m21秒台の走力を生かしつつ、自信を持つ後半で抜群の強さを見せて追い込んでくる走りで活躍。4×400mリレーでも日本代表を支えた魅力溢れるロングスプリンターだった。 北川は富士通のHPを通じ、「日本代表を目指し、日本一のチームで競技ができるという期待を持って入社したことを昨日のことのように覚えています」と振り返り、所属した4年間で「自分自身の成長につながったと思います」と感謝をつづった。 今後は地元・福井に戻って中学・高校の保健体育教員として勤務する予定。「最高の環境で競技できたことを幸せに思います。今度は私自身が経験を生かし、良い指導者になれるように精進したいと思います」とコメントしている。 ■北川貴理のコメント全文 2019年に入社し、約4年間富士通陸上競技部で競技を続けることができました。日本代表を目指し、日本一のチームで競技ができるという期待を持って入社したことを昨日のことのように覚えています。 入社1年目は日本選手権に出場することはできませんでしたが、全日本実業団陸上競技選手権4×400mリレーで優勝、400mでは2位に入賞することができました。また、2021年の全日本実業団陸上競技選手権でも4×400mリレーで優勝、また、チームが団体総合優勝したことは良い思い出となりました。しかしながら、個人種目となる400mではなかなか結果が振るわず、2021年、2022年と日本選手権に出場はしましたが、予選敗退となり世界へ挑戦することは叶いませんでした。 調子が上がらない中、スタッフや先輩のアドバイスを受けながら陸上競技に取り組む機会が増え、練習内容、目標としている大会への年間を通したスケジュール、ケガとの向き合い方などを学び、ただ前にいる選手を抜くことだけを考えていた学生時代とは違い、これらの経験は自分自身の成長につながったと思います。また、コロナ禍の影響でテレワークがメインになり徐々に出社する機会が減っていきましたが、その中でも職場の方々とはメールなどで仕事の事や近況を連絡したりと、常に気遣って頂き社業と競技を両立することがきました。 2023年度からは地元福井県で中・高の保健体育教員として働く予定です。富士通で過ごした日々は、これからの人生にプラスになるものばかりでした。最高の環境で競技できたことを幸せに思います。今度は私自身が経験を生かし、良い指導者になれるように精進したいと思います。これまで応援頂きありがとうございました。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!

2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]

NEWS JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

2025.02.22

JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]

NEWS 【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2025.02.22

【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]

NEWS 円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

2025.02.22

円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]

NEWS 「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

2025.02.22

「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top