2022.10.28
第40回全日本大学女子駅伝対校選手権大会は、10月30日(日)に宮城県仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)をスタート、仙台市役所前市民広場をフィニッシュとする6区間38.1kmで開催される。
前回、史上2校目の5連覇を果たした名城大をはじめ、8位までに入った大東大、拓大、立命大、日体大、大阪学大、城西大がシード校。そこに、各地区予選を突破した12校(九州地区は書類選考)、選考会落選校を対象とした書類選考(5000m6人の合計タイム)で決まった6校、オープン参加の東北学連選抜を合わせた全26チームが出場する。
なお、前回8位の松山大にもシード権があったが、来年度限りでの活動終了を発表。部員不足のため、出場を辞退した。
名城大 初の金字塔へ強力布陣
優勝争いの中心となるのは、今年も名城大だろう。昨年度まで5連覇中、年末の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)を含む「学生女子駅伝2冠」を4年連続で成し遂げてきた女王は、今回も強力布陣を整えてきた。
オレゴン世界選手権代表に名を連ねた主将・小林成美、国体成年5000mを日本人学生最高の15分16秒71で制した山本有真の4年生コンビを中心に、前回Vメンバーの増渕祐香(3年)と谷本七星(2年)と各学年に柱がいる。
加えて、今年度の特徴と言えるのが、10人中6人がエントリーされるほど1年生が充実していること。宮城・仙台育英高で2度の全国高校駅伝優勝など日本人高校ナンバーワンの実績を作った米澤奈々香、9月の日本インカレ10000m2位の原田紗希、U20世界選手権1500mに出場したスピードランナー・柳樂あずみなど、上級生と遜色ない力を持つメンバーがずらり。
「最も恐れるべきは感染症や体調不良」と米田勝朗監督が語っており、常に足元を見つめて準備を進めてきた。史上初の6連覇、さらにはその先の黄金時代継続をも感じさせる名城大に、隙は見当たらない。
絶対女王を追うのは日体大、立命大、拓大など
名城大を追うのは日体大、立命大、拓大あたりになりそう。特に、関東、関西の両学生駅伝を制した日体大と立命大は、総合力という点でも展開次第では女王を脅かす可能性を秘める。
日体大は前々回は過去最高タイの3位を占め、前回も5位ながら2~4区では2位を走った主力メンバーが順当に登録。前々回2区区間賞の保坂晴子(3年)、日本インカレ1500m2位・5000m3位の尾方唯莉(2年)、5000mでチーム最速の15分33秒49を持つ山﨑りさ(2年)らで前半から名城大に先行する展開に持ち込むことが、2002年の筑波大以来となる関東勢優勝への第一歩。後半も全日本未経験ながら関東インカレ10000mを制した主将・黒田澪(4年)ら人材がそろう。
立命大も主将でエースの飛田凜香(4年)を軸に、関西では1区から1度も首位を譲らない継走を見せるなど戦力が整った。日本インカレ5000m2位の村松灯(2年)、昨年の全国高校駅伝1区2位の妹・結(1年)らで主要区間で名城大と遜色ない戦いをすることで、まずは2019年まで継続したトップスリーへの復帰。さらには5連覇を飾った2015年以来の女王の座奪還が視野に入る。
前回、不破の驚異的な区間新の快走もあって4回目の出場で初シード、さらには初のトップスリー入りと躍動した拓大も、さらに総合力がアップ。1年時から主力の牛佳慧(4年)をはじめ、関東では日体大と30秒差の2位。しかも、不破不在の中で結果を残した。
アキレス腱周囲炎、貧血などで苦しんできた不破も、日本インカレ10000mを制して復調をアピールした。その時に「4割程度」だったというコンディションをどこまで上げられているか。9.2kmを28分00秒で走破した前回並みとまではいかなくとも、最長区間をリードする存在なのは間違いない。前回は9位でタスキをもらって3位まで押し上げたが、その位置が上になればなるほど、さらなる好順位が見えてくるだろう。
このほか、5年連続2位の大東大は、3000m障害で世界選手権2大会連続出場の吉村玲美(4年)が主将として牽引。前回は1区で転倒した悔しさを胸に、チームを悲願の初優勝へ導けるか。前回アンカーで区間新(区間2位)の山賀瑞穂(4年)らが脇を固め、全体が充実のトレーニングを積んでいるという。
シード争いは、関西インカレ10000m優勝の永長里緒(2年)が牽引する大阪学大、城西大らシード校が中心に今年も混戦模様。前回初のひとケタ順位(9位)地元・東北福祉大、強力ルーキーがそろう中大、など最後まで激戦が繰り広げられそうだ。
レースは10月30日(日)12時10分スタート。
日本テレビ系列で12時00分から生中継される(11時45分から事前番組あり)。
なお、新型コロナウイルス感染症対策のため、主催者からは沿道での声を出しての応援は禁止というお願いが出ている。
また、各校応援団は事前申請のあった大学のみ、スタート地点の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)とフィニッシュ地点手前の歩道(別途指示)に専用スペースが設けられている。
第40回全日本大学女子駅伝 出場チーム
■シード校
名城大 24年連続24回目
大東大 12年連続12回目
拓 大 5年連続5回目
立命大 33年連続33回目
日体大 11年連続34回目
大阪学大 14年連続29回目
城西大 28年連続29回目
■各地区予選突破校
北海道/札幌国際大 6年連続6回目
東 北/東北福祉大 16年連続20回目
関 東/中 大 4年連続31回目
北信越/新潟医療福祉大 11年連続11回目
東 海/中京学大 4年連続4回目
関 西/佛教大 5年連続21回目
関 大 15年連続15回目
関西外大 3年連続8回目
大阪芸大 7年連続10回目
京都光華女大 2年ぶり5回目
中四国/環太平洋大 4年連続5回目
九 州/福岡大 13年連続34回目
■書類選考
東洋大 2年ぶり9回目
筑波大 2年連続26回目
順 大 3年連続29回目
東農大 3年ぶり28回目
玉川大 3年ぶり20回目
亜細亜大 22年ぶり8回目
■オープン
東北学連選抜
名城大 初の金字塔へ強力布陣
優勝争いの中心となるのは、今年も名城大だろう。昨年度まで5連覇中、年末の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)を含む「学生女子駅伝2冠」を4年連続で成し遂げてきた女王は、今回も強力布陣を整えてきた。 オレゴン世界選手権代表に名を連ねた主将・小林成美、国体成年5000mを日本人学生最高の15分16秒71で制した山本有真の4年生コンビを中心に、前回Vメンバーの増渕祐香(3年)と谷本七星(2年)と各学年に柱がいる。 加えて、今年度の特徴と言えるのが、10人中6人がエントリーされるほど1年生が充実していること。宮城・仙台育英高で2度の全国高校駅伝優勝など日本人高校ナンバーワンの実績を作った米澤奈々香、9月の日本インカレ10000m2位の原田紗希、U20世界選手権1500mに出場したスピードランナー・柳樂あずみなど、上級生と遜色ない力を持つメンバーがずらり。 「最も恐れるべきは感染症や体調不良」と米田勝朗監督が語っており、常に足元を見つめて準備を進めてきた。史上初の6連覇、さらにはその先の黄金時代継続をも感じさせる名城大に、隙は見当たらない。絶対女王を追うのは日体大、立命大、拓大など
名城大を追うのは日体大、立命大、拓大あたりになりそう。特に、関東、関西の両学生駅伝を制した日体大と立命大は、総合力という点でも展開次第では女王を脅かす可能性を秘める。 日体大は前々回は過去最高タイの3位を占め、前回も5位ながら2~4区では2位を走った主力メンバーが順当に登録。前々回2区区間賞の保坂晴子(3年)、日本インカレ1500m2位・5000m3位の尾方唯莉(2年)、5000mでチーム最速の15分33秒49を持つ山﨑りさ(2年)らで前半から名城大に先行する展開に持ち込むことが、2002年の筑波大以来となる関東勢優勝への第一歩。後半も全日本未経験ながら関東インカレ10000mを制した主将・黒田澪(4年)ら人材がそろう。 立命大も主将でエースの飛田凜香(4年)を軸に、関西では1区から1度も首位を譲らない継走を見せるなど戦力が整った。日本インカレ5000m2位の村松灯(2年)、昨年の全国高校駅伝1区2位の妹・結(1年)らで主要区間で名城大と遜色ない戦いをすることで、まずは2019年まで継続したトップスリーへの復帰。さらには5連覇を飾った2015年以来の女王の座奪還が視野に入る。 前回、不破の驚異的な区間新の快走もあって4回目の出場で初シード、さらには初のトップスリー入りと躍動した拓大も、さらに総合力がアップ。1年時から主力の牛佳慧(4年)をはじめ、関東では日体大と30秒差の2位。しかも、不破不在の中で結果を残した。 アキレス腱周囲炎、貧血などで苦しんできた不破も、日本インカレ10000mを制して復調をアピールした。その時に「4割程度」だったというコンディションをどこまで上げられているか。9.2kmを28分00秒で走破した前回並みとまではいかなくとも、最長区間をリードする存在なのは間違いない。前回は9位でタスキをもらって3位まで押し上げたが、その位置が上になればなるほど、さらなる好順位が見えてくるだろう。 このほか、5年連続2位の大東大は、3000m障害で世界選手権2大会連続出場の吉村玲美(4年)が主将として牽引。前回は1区で転倒した悔しさを胸に、チームを悲願の初優勝へ導けるか。前回アンカーで区間新(区間2位)の山賀瑞穂(4年)らが脇を固め、全体が充実のトレーニングを積んでいるという。 シード争いは、関西インカレ10000m優勝の永長里緒(2年)が牽引する大阪学大、城西大らシード校が中心に今年も混戦模様。前回初のひとケタ順位(9位)地元・東北福祉大、強力ルーキーがそろう中大、など最後まで激戦が繰り広げられそうだ。 レースは10月30日(日)12時10分スタート。 日本テレビ系列で12時00分から生中継される(11時45分から事前番組あり)。 なお、新型コロナウイルス感染症対策のため、主催者からは沿道での声を出しての応援は禁止というお願いが出ている。 また、各校応援団は事前申請のあった大学のみ、スタート地点の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)とフィニッシュ地点手前の歩道(別途指示)に専用スペースが設けられている。 第40回全日本大学女子駅伝 出場チーム ■シード校 名城大 24年連続24回目 大東大 12年連続12回目 拓 大 5年連続5回目 立命大 33年連続33回目 日体大 11年連続34回目 大阪学大 14年連続29回目 城西大 28年連続29回目 ■各地区予選突破校 北海道/札幌国際大 6年連続6回目 東 北/東北福祉大 16年連続20回目 関 東/中 大 4年連続31回目 北信越/新潟医療福祉大 11年連続11回目 東 海/中京学大 4年連続4回目 関 西/佛教大 5年連続21回目 関 大 15年連続15回目 関西外大 3年連続8回目 大阪芸大 7年連続10回目 京都光華女大 2年ぶり5回目 中四国/環太平洋大 4年連続5回目 九 州/福岡大 13年連続34回目 ■書類選考 東洋大 2年ぶり9回目 筑波大 2年連続26回目 順 大 3年連続29回目 東農大 3年ぶり28回目 玉川大 3年ぶり20回目 亜細亜大 22年ぶり8回目 ■オープン 東北学連選抜
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会