2022.10.22
◇第16回U18・第57回U16陸上大会(10月21日~23日/愛媛・県総合運動公園陸上競技場)
ジュニア五輪を兼ねた第16回U18・第57回U16陸上大会の初日に19種目の決勝が行われた。
ここでも強さが際立っていた。U18女子100mHは、とちぎ国体でU20日本選手権、インターハイに続く全国3冠を達成していた林美希(中京大中京高2愛知)が快勝。U18規格の日本記録(13秒39)を0秒07更新する13秒32(+0.9)の新記録で頂点に立ち、シーズン4冠(七種競技のU20日本選手権とインターハイを合わせて6冠)を手にした。
通常の高さより低い規格となるため国体後のインタビューでも不安を口にしていた林。学校での練習も1回のみとぶっつけ本番で臨んだ予選でいきなり歴代3位となる13秒43(+0.4)の好タイムを叩き出し勢いに乗った。
「予選でこの規格のベストが出て気持ちがほぐれ、決勝は不安なく臨めました」と序盤で早くも抜け出すと、後半もリズムよくインターバルを刻み快勝。「最後に何台かハードルを当ててしまったのが残念。それでもタイムも大幅なベストで、全国大会で負けなしで終われてよかったです」と満面の笑みを浮かべた。
ここまでも連戦に次ぐ連戦だったが、この後も次週に東海高校新人を控える。「確かに疲れはありますが、シーズン前半からこのペースでやってきたので大丈夫です。5月から(一般規格の)ハードルのベストを更新できていないので、東海新人では記録を狙っていきたい」と、残り僅かとなったトラックシーズンもここまでの勢いのまま駆け抜けるつもりでいる。
後半追い上げ2位に食い込んだ福井有香(桐蔭高2和歌山)も13秒43の好タイム。「9月の近畿ユースで出した同じタイム(+2.2)を公認で出せてうれしい。メンタルが成長し、試合で結果を出せるようになった」とインターハイが予選敗退に終わっていただけに笑顔で振り返った。インターハイ、国体で林に続く2位だった髙橋亜珠(山形市商高3山形)が13秒48で3位。「優勝を狙っていたので悔しい」と唇をかんだ。
また、この日は福井の他にも和歌山県勢が大活躍した。U18男子砲丸投の桑添喬偉(和歌山工高2)、U16男子三段跳の奥村莉生(和歌山北高1)、U16男子砲丸投の永江翔太朗(紀央館高1)、U16男子1000mの渡辺敦紀(岩出二中3)と、19種目のうち4種目を制覇。16女子1000mでも久保凛(潮岬中3)が4位に入った。
和歌山県勢は2日目もU18女子走高跳で前西咲良(近大和歌山高2)がエントリーリスト6位、U18女子やり投で寺田莉子(開智高2)が同7位、U16男子走幅跳で辻本悠晴(貴志川中3)が同6位、U16女子走幅跳で保田美羽(吉備中3)が同4位と上位候補に挙がっている。
●U18・16大会1日目の優勝者一覧
<U18男子>
110mH 嶋渡涼太(比叡山高3滋賀)13秒81(+0.9)
3000mW 下田悠樹(自由ケ丘高2福岡)11分56秒17=大会新
三段跳 藤本謙伸(社高2兵庫)15m36(-0.2)
砲丸投 桑添喬偉(和歌山工高2和歌山)15m81
円盤投 藤原琢磨(稲生高2三重)46m41
ハンマー投 尾濱太陽(西条農高2広島)58m97
<U18女子>
100mH 林美希(中京大中京高2愛知)13秒32(+0.9)=U18日本新、大会新
3000mW 大山藍(鹿児島女高2鹿児島)13分17秒80=大会新
棒高跳 柳川美空(前橋育英高2群馬)3m90
三段跳 田口侑楽(国際学院高2埼玉)12m50(-0.7)
円盤投 友利晟弓(那覇西高3沖縄)43m62
ハンマー投 嶋本美海(添上高2奈良)55m58
<U16男子>
100m 米山和磨(茅ヶ崎中3神奈川)10秒69(+0.7)
1000m 渡辺敦紀(岩出二中3和歌山)2分29秒66
三段跳 奥村莉生(和歌山北高1和歌山)13m96(+0.8)=大会新
砲丸投 永江翔太朗(紀央館高1和歌山)15m75
<U16女子>
100m 三好美羽(神辺西中1広島)12秒07※風力未測定のため参考記録
1000m ドルーリー朱瑛里(鶴山中3岡山)2分45秒84=大会新
棒高跳 渡邊紗菜(幸並中3埼玉)3m60
文/花木雫
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