◇第99回箱根駅伝予選会(10月15日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)
来年正月の第99回箱根駅伝の出場権を懸けた箱根駅伝予選会が行われ、昨年トップ通過の明大は今回も2位で本大会への出場を決めた。
しかし、選手たちが手放しで喜ぶことはなかった。
「全体的にあまり手応えがなかった。点数でいうと、合格点はちょっとあげづらい走りだったなと思います。後半粘りきれなかったのは、絶対に駅伝でもマイナスな部分になる。もうちょっと行きたかった。その割に2位通過というのはちょっとびっくりしましたが……」
2位通過という好成績とは裏腹に、山本佑樹駅伝監督の言葉も厳しいものだった。
レースはたびたびアクシデントに見舞われた。2km付近では主力の1人、櫛田佳希(4年) が転倒して遅れをとり、肩や脚に擦り傷を作りながらレースを進めた。また、ロードを得意とする期待のルーキー・森下翔太は、終盤に腹痛を起こし、まさかのチーム内最下位(330位)に沈んだ。
「夏の出来を見ると、日本人トップを取れるかなと思っていました」と山本監督が太鼓判を押していた加藤大誠(4年)も、後半ペースダウン。まさかのチーム内9番手(105位)と振るわなかった。
戦前に「特にトップ通過を狙っているわけではない」と指揮官は話していたものの、15kmまでを全体トップで推移していただけに、最終的に大東大に首位通過を明け渡したことも反省点になった。
「前半から行き過ぎたわけではなかったが、後半の落ち込みを見ると、前半は動き過ぎていたのか、(後半は)余裕がなかった。最初が速いペースではなかったので、はまらなかったのかもしれません。良いリズムが崩れたのかなと感じました」
春先から、普段のジョグでもアップダウンのあるところを選んで走り込んできており、自信を持って臨んでいただけに、すっきりしないレース内容になった。
とはいえ、これだけ反省点があっても2位通過だったのは、視点を変えれば、地力が付いた証拠でもあっただろう。富田峻平(4年)、児玉真輝(3年)の2人が日本人先頭争いを繰り広げ、それぞれ10位、11位と好走した。
「富田と児玉は、春先のトラックも良かったですし、彼ら二人はうちのエースとしてやってくれるなっていう感じがしています」と、それぞれの走りを山本監督は高く評価する。
富田にとっては、課題と収穫と両方があったレースだった。「ある程度の実力は出せたんじゃないかなって思うと同時に、ラストで日本人1位を取れなかったっていうところは、課題に思っている詰めの甘さ、ラストの弱さ、勝負弱さが出てしまった。まだ課題克服ができていない」と反省を口にした。
また、新谷紘ノ介(2年)や室田安寿(1年)が、それぞれ66位、82位だったのも収穫だ。
「今まで中間層だった選手が、新戦力として、主力と戦っていけるようになってきた。そういったところは良かったと思います」と主将の小澤大輝(4年)が言うように、選手層が厚みを増してきたのを確認できた。本戦ではなかなかシード権に届かずにいるが、「とにかくシード権を取りたい」(山本監督)という思いは大きい。
文/和田悟志
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.16
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.14
-
2025.01.12
-
2025.01.15
2024.12.22
早大に鈴木琉胤、佐々木哲の都大路区間賞2人が来春入学!女子100mH谷中、松田ら推薦合格
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.18
都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]
2025.01.17
西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録
1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.01.17
中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]
2025.01.17
栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表
日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝