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2022.10.14

編集部コラム「国立競技場で走ったよ」
編集部コラム「国立競技場で走ったよ」

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攻め(?)のアンダーハンド
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編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第167回「国立競技場で走ったよ(井上 敦)

今日10月14日は、月陸11月号の発売日。表紙は全日本実業団対抗選手権女子100mハードルで衝撃の日本新記録「12秒73」をマークした福部真子選手(日本建設工業)です。その詳報はもちろん、10日(月)に行われたばかりの出雲駅伝や、3年ぶり開催の国体(栃木)など大会報道もしっかりやっています。

さらには、明日15日の箱根駅伝予選会直前情報や全日本大学駅伝の展望、高校駅伝都道府県大会の特集、トレーニング企画「バネを考える」など盛りだくさんの内容です。どうかよろしくお願いします。

その11月号にも掲載されている日本選手権リレー。男子4×400mで東福岡が19年ぶりの高校新など話題も多かったのですが、同時開催の一般参加型イベント「みんなでつなごうリレーフェスティバル2022」に、2週間前の当欄でO部長が紹介した通り、「チームげつりく」の一員として4×100mに参加してきました。

中学・高校と陸上をやってきて、当時は一度走ってみたいと思っていた国立競技場(建て替え前ですが・・・)。それが四半世紀経ってついにそのトラックを踏むとは・・・。

新装からもう少しで3年の競技場。この間に行われた競技会は、コロナ禍もあって東京五輪やゴールデングランプリ、関東インカレなど限られました。トップ選手でもないのに、とてもありがたい機会でした。

国立で走れることに、すっかりテンションが上がってしまった私は、実家帰省時に、自分の部屋にあったスパイクを持ってきました。といっても最近販売されたものではなく、高校時代に履いたものなど。

実家に保管してあったスパイクは何足かありましたが、タンの生地がボロボロになったものがあれば、プラスチック製スパイクピンの先端が丸まってグリップ力がないものなど、大半は履くには難しいものばかり。その中で、高3の時に履いていた1500m用の長距離スパイクが、当時使い込んでいたわりに今もしっかりしていて、国立でもそれを履くことにしました。

ほかの3人がランニングシューズということなので、1走を仰せつかった私。「肉離れするなよ」「アキレス腱切るなよ」と会社の人たちの心配(?)をよそに、スパイクを履いて国立を走れることに気分を良くしていました。

もちろん、ケガをしないようにウォーミングアップは入念。東京体育館横の練習場(全天候トラック)でしっかり走ってきました。そこで、26年ぶりに足を入れたスパイク。軽く流しをしてみたら、よく進む、進む。最新スパイクがどんなものかはわかりませんが、オールドタイプでも壊れていなければ、機能は十分!

気分良くダッシュして、ついつい折り返してしまい、逆走。役員の方に「逆走ダメ!」と注意されました。

身体を動かしていると、気がついたら、もう招集時間間近。急いで道路を渡ってスタジアムへ。コール漏れで危うく棄権になりかけました(現に速報サイトには一度、DNSと出たらしいです)。

そんなこんなで余計に汗をかいてしまって、レース前から少々バテ気味。漫画「SLAM DUNK」で、ジャンプシュートをする前の柔軟体操でへばる安西光義監督のように、気がついたら「はあはあ」と呼吸がやや荒くなっていました。緊張かもしれませんが。

私たちが出たのは、職場の同僚リレー。同じ組には、民放の朝の番組に出演している10代の女性タレントさんたちや学校の先生方のほか、一つ外側のレーンには某強豪実業団の引退した元選手たちがチームを組んで出ていました。

その実業団OBチームの1走は、五輪2大会連続出場や日本選手権で100mと200mで優勝など華々しい経歴を持っている方。隣に並んでいた私のレトロなスパイクを見て、びっくりした様子は今も忘れません。

そして、いよいよトラックへ。当たり前ですが、スターティングブロックが設置されています。ブロック合わせをするなんて、いつ以来かと振り返れば、1995年10月4日の新潟県高校選抜4×400mリレー決勝以来(当時も1走だった)27年ぶり。前足と後足の位置は、ほとんど忘れていました。1度練習したけど、とても窮屈。でもすぐにスタートだったので、そのままで出ることに。

ピストルが鳴って飛び出すと、数メートル前にいたはずの実業団OBチームの某元選手は、はるか向こう。すぐに内側からも抜かれました。「みんな、速い」と思っていたら、2走を務める会社の後輩・Mさんにバトンパス。本当にあっという間でした。

実は、4継を走ったのは初めて。私の中学時代は8継(4×200mリレ-)でした。高校では中距離がメインで、先述の通りマイルを走ったことはありましたけど。それだけに初4継を初の国立で経験できたのは爽快でした。

仕事柄、「誰が1位? 記録はどのくらい? どこで出した?」なんて他人の競技について考える日々ですが、自分が参加する陸上も楽しい。せっかくの機会だったので、もう少し、国立のトラックをかみしめて走れば良かったと思いました。

ただ、内容は猛省することばかり。私が足を引っ張って後方を走ってしまったせいで、Mさんは先頭を追うカメラ(動画)に映りませんでした。もし、次回リベンジする機会が与えられるのであれば、加齢による衰えにも負けずに、チームにもう少し貢献したいです。

そのためにも、少し痩せよう。

井上 敦(いのうえ あつし)
1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、3年間で個人では県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場でまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。

編集部コラム第166回「いい大会ってなんやろ」(向永)
編集部コラム第165回「チームげつりく、国立を走る!!」(小川)
編集部コラム第164回「まさか自分が・・・の話」(船越)
編集部コラム第163回「大学駅伝最も輝かしい〝黄金時代〟を築いたのはどの大学」(松永)
編集部コラム第162回「高校駅伝 47都道府県予選 大会記録」(大久保)
編集部コラム第161回「徳島インターハイの個人的感想」(井上)
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編集部コラム第158回「痛恨の……アゲイン」(小川)
編集部コラム第157回「憧れの場所」(船越)
編集部コラム第156回「テレビの前で大興奮!」(松尾)
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編集部コラム第154回「プレイバック 91年東京世界選手権」(大久保)
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編集部コラム第152回「五輪選手の育て方」(山本)
編集部コラム第151回「いざ、陸上の聖地へ!」(向永)
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編集部コラム第141回「怠惰なる自分」(船越)
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編集部コラム第138回「2021年仮想都道府県対抗リレー」(大久保)
編集部コラム第137回「記録更新の空白期間」(井上)
編集部コラム第136回「西監督」(山本)
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編集部コラム第133回「自分だけのルール」(船越)
編集部コラム第132回「スパッと辞めるか、泥臭く続けるか」(松永)
編集部コラム第131回「冬季オリンピックに挑む陸上選手」(大久保)
編集部コラム第130回「個人成績で見る昨年の全国高校駅伝」(井上)
編集部コラム第129回「セカンドキャリアを考える」(山本)
編集部コラム第128回「功労賞とU20招待はどうでしょ?」(向永)
編集部コラム第127回「明けましておめでとうございます」(小川)
編集部コラム第126回「スパートすんのかいせんのかい」(船越)
編集部コラム第125回「記録ラッシュ!」(松永)
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編集部コラム第117回「データで見る箱根駅伝予選会」(大久保)
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編集部コラム第107回「オリンピックの価値」(向永)
編集部コラム第106回「どうしても気になるどうでもいいこと」(船越)
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編集部コラム第104回「オリンピックの思い出とインターハイ」(松永)
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編集部コラム第102回「あたたかい目」(井上)
編集部コラム第101回「4年サイクル」(山本)
編集部コラム第100回「誰がために月陸はある」(向永)
編集部コラム第99回「『9』秒台」(小川)
編集部コラム第98回「いいわけ」(船越)
編集部コラム第97回「My Privacy」(松永)
編集部コラム第96回「追い風最高記録」(大久保)
編集部コラム第95回「競技会に必要なもの」(井上)
編集部コラム第94回「メンタルトレーニング」(山本)
編集部コラム第93回「努力は報われた」(向永)
編集部コラム第92回「2年ぶりの織田記念」(小川)
編集部コラム第91回「エゴイスト」(船越)
編集部コラム第90回「あらためて100m10秒台ってすごいタイムですよね??」(松永)
編集部コラム第89回「学生競技会の華 大学対校戦!」(大久保)
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編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
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編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
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編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

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第167回「国立競技場で走ったよ(井上 敦)

今日10月14日は、月陸11月号の発売日。表紙は全日本実業団対抗選手権女子100mハードルで衝撃の日本新記録「12秒73」をマークした福部真子選手(日本建設工業)です。その詳報はもちろん、10日(月)に行われたばかりの出雲駅伝や、3年ぶり開催の国体(栃木)など大会報道もしっかりやっています。 さらには、明日15日の箱根駅伝予選会直前情報や全日本大学駅伝の展望、高校駅伝都道府県大会の特集、トレーニング企画「バネを考える」など盛りだくさんの内容です。どうかよろしくお願いします。 その11月号にも掲載されている日本選手権リレー。男子4×400mで東福岡が19年ぶりの高校新など話題も多かったのですが、同時開催の一般参加型イベント「みんなでつなごうリレーフェスティバル2022」に、2週間前の当欄でO部長が紹介した通り、「チームげつりく」の一員として4×100mに参加してきました。 中学・高校と陸上をやってきて、当時は一度走ってみたいと思っていた国立競技場(建て替え前ですが・・・)。それが四半世紀経ってついにそのトラックを踏むとは・・・。 新装からもう少しで3年の競技場。この間に行われた競技会は、コロナ禍もあって東京五輪やゴールデングランプリ、関東インカレなど限られました。トップ選手でもないのに、とてもありがたい機会でした。 国立で走れることに、すっかりテンションが上がってしまった私は、実家帰省時に、自分の部屋にあったスパイクを持ってきました。といっても最近販売されたものではなく、高校時代に履いたものなど。 実家に保管してあったスパイクは何足かありましたが、タンの生地がボロボロになったものがあれば、プラスチック製スパイクピンの先端が丸まってグリップ力がないものなど、大半は履くには難しいものばかり。その中で、高3の時に履いていた1500m用の長距離スパイクが、当時使い込んでいたわりに今もしっかりしていて、国立でもそれを履くことにしました。 ほかの3人がランニングシューズということなので、1走を仰せつかった私。「肉離れするなよ」「アキレス腱切るなよ」と会社の人たちの心配(?)をよそに、スパイクを履いて国立を走れることに気分を良くしていました。 もちろん、ケガをしないようにウォーミングアップは入念。東京体育館横の練習場(全天候トラック)でしっかり走ってきました。そこで、26年ぶりに足を入れたスパイク。軽く流しをしてみたら、よく進む、進む。最新スパイクがどんなものかはわかりませんが、オールドタイプでも壊れていなければ、機能は十分! 気分良くダッシュして、ついつい折り返してしまい、逆走。役員の方に「逆走ダメ!」と注意されました。 身体を動かしていると、気がついたら、もう招集時間間近。急いで道路を渡ってスタジアムへ。コール漏れで危うく棄権になりかけました(現に速報サイトには一度、DNSと出たらしいです)。 そんなこんなで余計に汗をかいてしまって、レース前から少々バテ気味。漫画「SLAM DUNK」で、ジャンプシュートをする前の柔軟体操でへばる安西光義監督のように、気がついたら「はあはあ」と呼吸がやや荒くなっていました。緊張かもしれませんが。 私たちが出たのは、職場の同僚リレー。同じ組には、民放の朝の番組に出演している10代の女性タレントさんたちや学校の先生方のほか、一つ外側のレーンには某強豪実業団の引退した元選手たちがチームを組んで出ていました。 その実業団OBチームの1走は、五輪2大会連続出場や日本選手権で100mと200mで優勝など華々しい経歴を持っている方。隣に並んでいた私のレトロなスパイクを見て、びっくりした様子は今も忘れません。 そして、いよいよトラックへ。当たり前ですが、スターティングブロックが設置されています。ブロック合わせをするなんて、いつ以来かと振り返れば、1995年10月4日の新潟県高校選抜4×400mリレー決勝以来(当時も1走だった)27年ぶり。前足と後足の位置は、ほとんど忘れていました。1度練習したけど、とても窮屈。でもすぐにスタートだったので、そのままで出ることに。 ピストルが鳴って飛び出すと、数メートル前にいたはずの実業団OBチームの某元選手は、はるか向こう。すぐに内側からも抜かれました。「みんな、速い」と思っていたら、2走を務める会社の後輩・Mさんにバトンパス。本当にあっという間でした。 実は、4継を走ったのは初めて。私の中学時代は8継(4×200mリレ-)でした。高校では中距離がメインで、先述の通りマイルを走ったことはありましたけど。それだけに初4継を初の国立で経験できたのは爽快でした。 仕事柄、「誰が1位? 記録はどのくらい? どこで出した?」なんて他人の競技について考える日々ですが、自分が参加する陸上も楽しい。せっかくの機会だったので、もう少し、国立のトラックをかみしめて走れば良かったと思いました。 ただ、内容は猛省することばかり。私が足を引っ張って後方を走ってしまったせいで、Mさんは先頭を追うカメラ(動画)に映りませんでした。もし、次回リベンジする機会が与えられるのであれば、加齢による衰えにも負けずに、チームにもう少し貢献したいです。 そのためにも、少し痩せよう。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、3年間で個人では県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場でまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。
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