◇第77回栃木国体(10月6~10日/宇都宮市・カンセキスタジアムとちぎ)5日目
3年ぶりの開催となった国体が栃木県宇都宮市で開かれ、大会5日目は11種目で決勝が行われた。
10人が出場した成年女子5000mでは日本記録保持者で東京五輪、オレゴン世界選手権代表の廣中璃梨佳(長崎・日本郵政グループ)と、9月の日本インカレ優勝の山本有真(愛知・名城大)が先頭を入れ替わりながらマッチ―レースを展開。残り300mからスパートを仕掛けた山本が一気に抜け出すと、廣中に6秒以上の差をつけてトップでフィニッシュした。優勝タイムの15分16秒71は10年前に新谷仁美が樹立した大会記録を上回るもので、日本人学生最高の好記録だった。
少年男子B3000mは昨年の全中チャンピオンの鈴木琉胤(千葉・八千代松陰高1千葉)が高校歴代3位の8分01秒26で優勝。2位の濵口大和(長野・佐久長聖高1)も8分07秒66と従来の高1タイムを塗り替えた。このハイペースに中学生も奮起し、3位に入った増子陽太(福島・鏡石中3)は自身の中学記録(8分15秒04)を更新する8分11秒12。4位の新妻遼己(兵庫・平岡中3)も中学歴代3位の8分16秒78と記録ずくめのレースとなった。
成年女子800mは田中希実(兵庫・豊田自動織機)が2分05秒09で快勝。成年女子5000m競歩はオレゴン世界選手権35kmに出場した園田世玲奈(三重・NTN)が21分48秒63で貫禄勝ち。2位の大山藍(鹿児島・鹿児島女高2)はU18日本新記録となる22分00秒34をマークした。
今大会から新種目として採用された300mは少年男子Aのエケ・ジュニア瑠音(北海道・北海道栄高)が高校生初の32秒86でトップ。成年女子は青野朱李(山形・山梨学大)が37秒53で制している。
総合争いは男女(天皇杯)、女子(皇后杯)ともに大阪が制し、5回目の優勝を飾った。
来年の国体は2020年に開催を予定していた鹿児島で、特別国体として開催される。
第77回国体優勝者一覧
<男子>
・成年
100m 栁田大輝(群馬・東洋大1) 10秒30(+0.2)
300m 鵜澤飛羽(宮城・筑波大2) 32秒45
800m 薄田健太郎(神奈川・筑波大M2) 1分49秒84
110mH 高山峻野(広島・ゼンリン) 13秒45(+0.5)=大会新
400mH 岸本鷹幸(青森・富士通) 49秒51
3000mSC 楠 康成(茨城・阿見AC) 8分45秒18
10000mW 池田向希(静岡・旭化成) 38分44秒62
走幅跳 小田大樹(群馬・ヤマダホールディングス) 7m80(+0.2)
三段跳 安立雄斗(広島・福岡大4) 16m22 (+0.1)
砲丸投 アツオビン・ジェイソン(大阪・福岡大2) 18m39
やり投 ディーン元気(兵庫・ミズノ) 80m04
・少年A
100m 関口裕太(新潟・東京学館新潟高3) 10秒63(+0.3)
300m エケ・ジュニア瑠音(北海道・北海道栄3) 32秒86
5000m 吉岡大翔(長野・佐久長聖高3) 13分53秒85
300mH 紺野稜真(山形・九里学園高3) 36秒13
走幅跳 中村大空(群馬・東農大二高3) 7m56(+0.9)
棒高跳 北田琉偉(大阪・大塚高3) 5m20
ハンマー投 山口翔輝夜(兵庫・社高3) 68m99=高校新、大会新
やり投 谷口大翔(滋賀・彦根翔西館高2) 65m27
少年B
100m 小室歩久斗(茨城・つくば秀英高1) 10秒64(± 0)
3000m 鈴木琉胤(千葉・八千代松陰高1) 8分01秒26
110mH 浅井惺流(静岡・東海大翔洋高1) 13秒96(+0.2)=大会新
走幅跳 栁田聖大(群馬・東農大二高1) 7m13(+1.8)
円盤投 小野大輝(福島・日大東北高1) 44m42
・少年共通
800m 大野聖登(秋田・秋田工高3) 1分50秒75
5000mW 下池翔多郎(鹿児島・鹿児島工高3) 20分15秒11
走高跳 原口颯太(宮崎・宮崎農高3) 2m13
・成年少年共通
4×100mR 京都(和田、木村、村松、大石) 39秒27
<女子>
・成年
100m 兒玉芽生(大分・ミズノ) 11秒47(+0.3)
300m 青野朱李(山形・山梨学院大) 37秒.53
800m 田中希実(兵庫・豊田自動織機) 2分05秒09
5000m 山本有真(愛知・名城大4) 15分16秒71=大会新
400mH 山本亜美(滋賀・立命大2) 57秒98
5000mW 園田世玲奈(三重・NTN) 21分48秒63
走高跳 髙橋 渚(東京・メイスンワーク) 1m84
走幅跳 秦澄美鈴(大阪・シバタ工業) 6m40(+0.8)
棒高跳 諸田実咲(栃木・栃木県スポ協) 4m10
ハンマー投 藤本咲良(兵庫・コンドーテック) 60m20
砲丸投 郡菜々佳(新潟・新潟アルビレックスRC) 15m55
やり投 北口榛花(北海道・JAL) 65m68=大会新
・少年A
100m 先村若奈(山口・高川学園高2) 12秒11(-0.9)
300m 児島柚月(京都・西京高3) 38秒49
800m 西田有里(滋賀・草津東高2) 2分05秒93
100mH 林 美希(愛知・中京大中京高2) 13秒63(+0.2)
300mH 瀧野未来(京都・京都橘高2) 42秒03
砲丸投 奥山琴未(岡山・岡山商大附高3) 14m58
やり投 櫻井希美(岐阜・済美高2) 57m17=大会新
・少年B
100m 小針陽葉(静岡・富士市立高1) 11秒77(+1.0)
100mH 西村ほの夏(静岡・浜松市立高1) 13秒71(-0.4)
円盤投 矢野結衣(奈良・添上高1) 39m31
・少年共通
三段跳 副島珠華(福岡・福岡大若葉高3) 12m41(-0.5)
3000m K.カロライン(鹿児島・神村学園2) 8分56秒79
走高跳 森﨑優希(東京・明星学園高2) 1m74
走幅跳 近藤いおん(東京・城西高1) 6m07(+2.5)
・成年少年共通
4×100mR 北海道(丸山、鮫澤、石堂、御家瀬) 44秒76=大会新
<男女混合>
・成年少年共通
4×400mR 鹿児島(太田、下野、鶴田、佐藤) 3.23.84
●総合
男女総合(天皇杯) 大阪 120.5点
女子総合(皇后杯) 大阪 70.5点
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.16
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.14
-
2025.01.12
-
2025.01.15
2024.12.22
早大に鈴木琉胤、佐々木哲の都大路区間賞2人が来春入学!女子100mH谷中、松田ら推薦合格
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.17
西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録
1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.01.17
中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]
2025.01.17
栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表
日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]
2025.01.17
東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加
東京2025世界陸上財団は、今年9月に開催される東京世界選手権の観戦チケットの一般販売を1月31日(金)の18時から開始すると発表した。 昨夏に先行販売が始まり、年末年始にも特別販売を実施。すでに23万枚を販売し売れ行き […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝