2022.10.07
◇第77回栃木国体(10月6~10日/宇都宮市・カンセキスタジアムとちぎ)2日目
3年ぶりの開催となった国体が栃木県宇都宮市で開かれ、大会2日目の少年男子共通800mは大野聖登(秋田・秋田工高3)が、残り300mからのロングスパートを決めV。冷たい雨が激しく降るコンディションの中、夏のインターハイで800m、1500mの2種目を制している王者が、1分50秒75で今年3つめの全国タイトルを手にした。
夏の長髪から一転、気合の丸刈りで臨んだ大野。「高校最後の800mだったので1m、1m感謝の気持ちを込めて走りました」と、魂の走りでインターハイに続く3冠目を獲得した。「最後は死に物狂いで走りました。苦しかったけど、後半には自信がありました。優勝で秋田県に恩返しができてうれしいです」と笑顔が弾けた。
レースは、1分50秒19の高1歴代最高記録保持者の落合晃(滋賀・滋賀学園高)が「悔いのない走りをしようと思いました」とスタート直後から果敢に先頭に立ち、入りの400mを53秒で通過。「前半が53秒と少し速かったので、持ち味の後半を生かし、いつもより少し早めの残り300mから仕掛けて逃げ切ろうと思った通りのレースができました」と大野が話すように、前半こそ後方からのスタートとなったものの徐々に上位へ進出。残り1周の鐘がなった時点で2、3番手につけると、500m過ぎに一気にスパートを放つ。インターハイで4、5位に入っている立迫大徳(鹿児島・鹿児島城西高2)、小瀬堅大(埼玉・川口市立高3)が食らいつくも、そのまま逃げ切り歓喜のフィニッシュに飛び込んだ。
「インターハイチャンピオンとして後輩には負けられなかった。800mは中2から始め、全国優勝など僕の世界を広げてくれた種目。最後は、脚が動かなくなりましたが走り切れてよかったです」と、喜びをかみしめた。
大野同様、3年生の意地を見せた小瀬が1分51秒30で2位、高2歴代3位(1分49秒58)のベストを持つ立迫が0秒50差の3位に続き、前半流れを作った落合は、後半に順位を落として8位に終わった。
5000mでも昨年14分03秒26をマークしている大野。この後は舞台をトラックからロードに移し、都大路に挑むと言い、5000mで1、2位の「吉岡君(大翔・佐久長聖高3)や長嶋君(幸宝・西脇工高3)らに挑めるようがんばりたいです」と目を輝かせた。
文/花木 雫

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.28
-
2025.03.28
-
2025.03.28
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.28
【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ
今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]
2025.03.28
【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]
2025.03.28
3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定
大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]
2025.03.28
資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」
旭化成は3月28日、所属選手である競歩の池田向希が受けたアンチ・ドーピング規則違反による4年間の資格停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行ったと発表した。 男子20km競歩で東京五輪銀メダリスト […]
2025.03.28
【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー
3月28日、東京都多摩市の国士大多摩陸上競技場で第7回国士大競技会が行われ、高校用規格の男子円盤投(1.75kg)において福宮佳潤(東京高1)が50m73をマークした。この記録は高校1年生の歴代ランキングで2位。高1で史 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報