2022.09.27
日本陸連は9月26日に開いた理事会で、来年のブダペスト世界選手権(8月19日~27日)のトラック&フィールド種目日本代表選考要項が承認されたため、それを発表した。
翌年に控えるパリ五輪に向けて、編成方針は「メダル・入賞を期待される競技者および出場権獲得が有望視される競技者を中心に選考するとともに、本大会の参加資格を有する競技者を最大限派遣する」。
その中で、オレゴン世界選手権のトラック&フィールド種目入賞者は、23年1月1日から有効期間の7月30日までに参加標準記録を突破すれば、即時代表内定が得られることになった。
個人種目における最重要選考会は日本選手権(6月1日~4日/混成は10日~11日)だが、それを待たずに突破した場合は日本選手権を回避する選択も可能になる。
これについて、オンラインで取材に応じた山崎一彦強化委員長は、「入賞を目指す人のプライオリティーを上げたいという意図。日本選手権前に標準を突破すれば、その先を見て調整できると。世界に羽ばたいている選手には、早めに準備をしてもらいたい」と述べた。
この条件に該当するのは、オレゴン世界選手権で女子やり投銅メダルに輝いた北口榛花(JAL)、男子の100mと走高跳でともに日本人初入賞を果たしたサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)、真野友博(九電工)の3人。
その他の選手は参加標準記録の突破、またはワールドランキングで各種目の出場枠目安となるターゲットナンバー内に入った選手が、日本選手権の成績をメインに選考される。
近年は日本選手権で3位以内に入った参加標準記録突破者には代表内定が与えられており、それは今回も踏襲。標準記録は男子100mが10秒00になるなど全体的に高水準のものに変更となったため、ワールドランキングを見据えた戦略がより重要になりそうだ。
なお、男女10000mについては日本グランプリシリーズ内に設定される(対象競技会はについては、12月までに決定予定)。
リレー種目については、23年のワールドリレーズ(中国・広州/5月13日~14日)の上位12ヵ国と、それ以外の記録上位4ヵ国が出場権を得られる。ただ、中国での国際大会は各競技で中止・延期が相次いでいることから、「中止・延期の可能性も含めて、さまざまな面から準備する必要がある」と山崎強化委員長。
オレゴン世界選手権では男子4×400mリレーがメダルにあと一歩の4位、女子4×100mリレーは43秒33の日本新などの成果を上げたが、男子4×100mリレーは予選で敗退。山崎強化委員長は「(決勝途中棄権だった)東京五輪に続いて大敗だった。今度はメダルを取りに行くために最善を尽くす」と、立て直しを強調。春先にトライアルを設定するなどの強化プランを検討中だという。
オレゴン世界選手権後、多くの選手が海外遠征を敢行し、ダイヤモンドリーグ・ファイナルに北口、男子3000m障害の三浦龍司(順大)が出場し、北口は3位、三浦は4位に入った。山崎強化委員長も、「海外で安定した活躍をする、海外でコンスタントに記録を出す。それがワールドアスリート。そこを推奨したい」と、パリ五輪を見据えた世界基準の活動を求めていく考えだ。
日本選手権が6月上旬に設定され、世界選手権本番まで2ヵ月以上のスパンがあるが、「内定を早く出せる人は出して、世界選手権への調整をする。日本選手権後にもチャレンジをして、1人でも多く参加できる選手を増やす」という2本の柱でブダペストを目指すためだ。
オレゴン世界選手権ではメダル4、入賞5で、国別対抗の「プレイシングテーブル」は過去最高の40点(11位)を獲得した。さらなる好成績に向けて、より「世界」を見据えた取り組みが求められる。
また、来年の杭州アジア大会のマラソン、および競歩の選考要項も発表された。マラソン、競歩ともに「本大会でメダル及び入賞を目指す競技者」を編成方針に、選考競技会上位者から選考されるが、競歩についてはブダペスト世界選手権代表との兼ね合いも加味して戦略的に派遣するという。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会