◇日本インカレ(京都・たけびしスタジアム京都:西京極)3日目
学生ナンバーワンを決める第91回日本インカレの最終日が行われた。女子のフィナーレを飾る4×400mリレーは、2走でトップに立った立命大がそのまま逃げ切り、3分38秒43の好タイムで前回の初優勝に続く2連覇を果たした。
メンバーはそのままながら予選から走順を入れ替えて臨んだ立命大。「決勝に残ったどのチームとも差がなくて混戦になると思っていたので、レース展開を予想し、少しでも個々がより持ち味を発揮できる走順をコーチや仲間と話し合って決めました」。ただ1人昨年の優勝を経験している工藤芽衣がその理由を説明する。
予選は1走から順に吉岡里奈、山本亜美、工藤、そして初日の400mで5位に食い込んでいる松尾季奈で臨み3分42秒67で4組1位で通過。決勝は当初、関西インカレ決勝時と同様、松尾、山本、吉岡、工藤とつなぐ予定だったが、工藤が「高校時代から走っていて慣れている」ことと「追いかけてこそ力を出せるタイプ」ことを考慮して昨年同様の2走に入って流れを作った。
予選の2走からアンカーへと代わった山本も高校時代から慣れ親しんだ走順。その経験を重視したオーダーがズバリと当たった。
決勝の序盤は1走に400m覇者の森山静穂を投入した福岡大が大きくリードを奪うも、2走の工藤が、「前半は無理せず、ラストの直線でトップに立つ想定通りの走りができました」と話すように、徐々に福岡大との差を詰めて、身体一つリードを奪い先頭で3走の吉岡へとバトンをつないだ。
その後も、混戦となる2位争いを尻目にリードを広げた立命大。直前の400mハードルでVを飾り勢いに乗るアンカーの山本へ。「高校時代に叶わなかったマイルリレーで日本一を取りたくて立命大への進学を決めた」という山本。昨年はケガもあって「400mハードルもダメで、マイルもメンバーに入ることができずチームに貢献できませんでしたが、今年はスタート前から走れる喜びをかみしめながら全力で挑みました」と涙を浮かべる。
5位から順位を上げて2位に上がってきたのは、高校時代のチームメートで400mで2位に食い込んでいる園田学園女大の安達茉鈴。「絶対に抜かせない」。怒濤の追い上げを封じて歓喜のフィニッシュを飾った。
メンバーただ1人の4年生の松尾は、「個人の400mは優勝を狙って最初から突っ込むレースをして結果が残せなかったので、マイルはペース配分を考え自分らしいレースができたと思います。いい仲間に恵まれ日本一が取れてうれしい」と、こちらも目頭を熱くした。
地元・京都で7年ぶりの総合Vを狙ったが、最終日まで優勝がなく苦戦を強いられた立命大。それでも最終日に2種目を制して意地を見せた。松尾を除く3人が残る来年も、「3連覇を目指します」と口をそろえるメンバーたち。45点で5位に終わった総合のリベンジも含め、さらなる飛躍を誓った。
400mHも制した山本亜美
文/花木 雫
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.16
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.14
-
2025.01.12
-
2025.01.15
2024.12.22
早大に鈴木琉胤、佐々木哲の都大路区間賞2人が来春入学!女子100mH谷中、松田ら推薦合格
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.18
都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]
2025.01.17
西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録
1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.01.17
中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]
2025.01.17
栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表
日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝