2022.09.07
9月9日から11日まで、たけびしスタジアム京都(西京極)で天皇賜盃第91回日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)が行われる。3年ぶりに有観客で実施。母校の誇りを懸けた学生たちの熱きパフォーマンスから目が離せない。大会の注目選手をピックアップしていく。今回は男子フィールド編!
熱い視線が注がれるのが跳躍の伊藤陸(近大高専S2※4年相当)だろう。前回、三段跳で学生初となる17mジャンパー(17m00=日本歴代3位)となって3連覇を飾った。それだけではなく8m超えのベストを持つ走幅跳との2冠も達成。今回もその2種目にエントリーしている。
春先はケガの影響もあって試合を制限しながらだったが、それでも日本選手権・三段跳で初優勝。7月の西日本インカレではシーズンベストとなる16m85(+1.2)をマークした。走幅跳でも東海学生夏季大会で8m01(+2.3)。2年連続2冠となれば、1~3回で達成している“日本陸上界の神様”織田幹雄(早大)以来の快挙となる。
その偉業に待ったをかけるとすれば走幅跳のほうか。好調なのが藤原孝輝(東洋大2)だ。京都・洛南高2年時のインターハイで衝撃の8m12をマーク。その後は110mハードルこそ好調だったが、走幅跳はケガなどの影響もあって長く苦しんだ。だが、7月の滋賀県選手権で3年ぶり大台となる8m03(+0.6)をジャンプ。110mハードルでも13秒6台を叩き出しており、2種目で上位をもくろんでいる。
走幅跳では他に、安立雄斗(福岡大4)や関東インカレ(2部)で7m90を跳んだ山浦渓斗(国武大4)、鳥海勇斗(日大)、舞永夏稀(日大1)らが有力。三段跳も安立がライバルになるほか、関東インカレ2連覇の廣田麟太郎(日大)などが勝負強い。
棒高跳は前回ルーキーVを飾った古澤一生(筑波大)と、同学年で同じ群馬出身の柄澤智哉(日体大)のライバル対決が熱い。ともに同じクラブチームで練習してきた間柄。記録では柄澤が5m60を今季は跳んでいる。関東インカレは柄澤が制して古澤が2位。ここに大崎洋介(日体大)や1年生の原口篤志(東大阪大)が絡みそうだ。5m60の大会記録更新に期待が懸かる。走高跳は山中駿(京大2)が2m22でランキングトップ。本田基偉(岐阜大3)や惠藤太晟(福岡大4)といった関東以外の大学に勢いがある。
投てきは各種目ともにハイレベル。砲丸投は18mプッターが2人もいる。そのうちの1人が前回王者のアツオビン・ジェイソン(福岡大2)で、18m42は日本歴代3位で2年生初の大台到達。日本選手権でも2位に入っている。もう1人の奥村仁志(国士大4)は関東インカレで18m26を投げて連覇。8月のトワイライトゲームスでも18m08で優勝している。日本インカレで18m超えとなれば73回の畑瀬聡(日大)が大会記録18m03を投げて以来、18年ぶりで、2人が投げればインカレ史上初となる。
ハンマー投は2年ぶりVを狙う福田翔大(日大4)に注目。自己記録71m37は学生歴代3位だ。今季はややリズムを崩して日本選手権は6位、実業団・学生対抗は66m台で4位にとどまったが、復調すれば総合優勝が懸かる日大の主将としてきっちり役割を果たしてきそう。狙うのは学生記録73m82、大会記録71m84。どちらもレジェンド・室伏広治(中京大)が保持している記録だ。連覇を狙う中川達斗(九州共立大院2)、小田航平(同1)らも上位をうかがう。
3連覇した幸長慎一(四国大院→四国大AC)が抜けたため初優勝が誕生する円盤投。飛川龍雅(東海大院1)がランキングトップの54m29を持つ。高校時代から活躍してきた山下航生(九州共立大)も4年目で初タイトルなるか。やり投は今季77m55まで記録を伸ばした鈴木凜(九州共立大)や、同期で前回Vの吉野壱圭、巖優作(筑波大)といった2年生に勢いがある。
十種競技は混戦か。関東インカレを制した山下朋紀(日大4)、順大主将でケガから復調の佐田征義(4年)、東海大院2年の森口諒也、前回覇者の川元莉々輝(立命大)がキングの座を狙う。
男子総合優勝は前回、順大が2年ぶり29回目の日本一に輝いた。連覇を狙う順大、奪還をもくろむ日大が総合優勝争いの中心か。学生ナンバー1を懸けた熱きは、9月9月に幕を開ける。
【みどころ】
男子トラック編
日本代表・黒川和樹、村竹ラシッド、住所大翔が凱旋!三浦龍司の出場は!?
女子トラック編
青山華依、山本亜美らタレントぞろい!不破聖衣来、小林成美、吉村玲美にも注目
女子フィールド編
円盤投・齋藤真希、ハンマー投・村上来花らハイレベルな投てき陣 髙良彩花が有終の美飾るか
■天皇賜盃第91回日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)
9月9日(金)~11日(日)/京都たけびしスタジアム京都(西京極)
<外部リンク>
大会HP
記録速報
大会の模様は「あすリートチャンネル」でライブ配信
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