◇北海道マラソン(8月28日/北海道・札幌大通公園発着)
男子で2位に入った柏優吾(東洋大)。箱根駅伝出走未経験の4年生が、学生として最初にパリ五輪代表選考レース・マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場権を獲得した。
気温24.5度、湿度60%(8時30分のスタート時)のコンディションのなか、序盤から先頭集団でレースを進めた柏。5km15分30秒前後のペースを刻むと、30km以降の5kmも15分48秒、16分03秒と粘る。さらに、最終盤で勝負をかけた。41km付近で日本人トップに躍り出ると、2時間11分41秒でフィニッシュ。レース後はなかなか立ち上がれないほど、死力を尽くした。
埼玉・宮原中時代は3年時に2015年全中1500mに出場。冬の全国中学校駅伝には2、3年時と2年連続で出て、チームの3年時には5位入賞に貢献している。高校は越境し、愛知の強豪・豊川高へ。3年間でトラックでのインターハイ出場はないもの、2年時の全国高校駅伝は1区を務めて17位でタスキをつないだ。
東洋大2年時に5000mで14分04秒96と高校時代の自己ベストを25秒近く更新すると、3年時の昨シーズンは5000m13分59秒28、10000m28分49秒72まで自己記録を短縮。10000mで関東インカレや日本インカレに出場した。出雲駅伝ではアンカー(6区)を務めて区間7位の成績を残している。だが、全日本はここまで一度も出走経験はない。箱根は今年の大会で初めて選手登録され、区間エントリーでは9区に入ったものの、当日変更で出番はなかった。
今季は3月の日本学生ハーフで、自己記録を3分32秒更新する1時間2分55秒をマーク。チーム2番手の15位に入った。距離に手応えを得ると、夏合宿を経て臨んだ北海道で快走。これまであまり注目されることが少なかった柏が、MGC出場権がかかる舞台で快走した。
一緒に出場した同期の清野太雅は2時間12分20秒で6位。MGC出場権こそ届かなかったが、同じく初マラソンとしては、好走と言っていいだろう。2人の走りっぷりはチームメイトにとって大きな刺激。駅伝シーズンを前に、鉄紺軍団の士気は高まっているはずだ。
●北海道マラソンのMGC出場権獲得者
【男子】
2位 柏 優吾(東洋大)2.11.41
3位 青木 優(カネボウ)2.11.44
4位 松本 稜(トヨタ自動車)2.11.51
5位 山口 武(西鉄)2.11.55
【女子】
1位 山口 遥(AC KITA)2.29.52
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