2022.08.01
高校生によるナンバーワン決定戦、全国高校総体(以下、インターハイ)の陸上競技+が8月3日~8月7日の5日間、徳島県鳴門市の鳴門総合運動公園陸上競技場(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)で行われる。
昨年と同様に、男女41種目(男子21種目、女子20種目)が実施。ここではエントリー選手を元に、女子の見どころを紹介していく。
トラック
100mは藏重らハイレベル必至
100mHは林に高校新の期待
100mは昨年のU18大会を制し、高校歴代8位の11秒58を持つ藏重みう(中京大中京3愛知)が中心となりそう。今季は脚の違和感でスロースタートとなったものの、東海大会では三重県大会で11秒66をマークした樋口七海(四日市商3三重)、U20日本選手権覇者の小松このみ(安城学園3愛知)、新進気鋭のルーキー・小針陽菜(富士市立1静岡)を相手に勝ち切った。全国大会でもこの4名が優勝争いに加わりそうだ。
中国大会で11秒7台を連発した先村若奈(高川学園2山口)、南関東大会4冠の佐藤葵唯(市船橋3千葉)、U20日本選手権と昨年のU18大会で2位の山形愛羽(熊本中央2)も強力。優勝争いは11秒6台、メダル争いは11秒7台のハイレベル決戦となる可能性が高い。
藏重みう(中京大中京)
200mでは前回大会3位、4位、5位、7位の藏重みう、山形愛羽、佐藤葵唯、小松このみに加え、近畿大会で個人スプリント3冠を達成した児島柚月(西京3京都)がV争いの中心となりそう。小松以外は23秒台の自己記録を持ち、小松はU20日本選手権で高校生最上位の2位に入っている。23秒台決戦になることは間違いなさそうで、記録にも注目が集まる。
400mは個人3冠を狙うランキングトップの児島柚月に、中尾柚希、谷口璃奈(ともに園田学園3兵庫)、山内そよ(大宮東3埼玉)、瀬田陽菜(東海大相模2神奈川)、平野里歩(中京大中京2愛知)ら54秒台のベストを持つ6選手が中心となる。なかでも児島は54秒12とトップクラスの実力者で、近畿大会では強力な園田学園コンビを下し、その勢いで100mと200mも制した。U20日本選手権を制した山内や中尾は前半型、前回5位の谷口と瀬田は後半型。それぞれが得意なかたちで頂点を狙う。
児島柚月(西京)
800mは東北勢、東海勢、北九州勢に好選手がそろう。なかでも今季ランキングトップの下森美咲(北九州市立2福岡)は2年前の全国中学生大会、今年6月のU20日本選手権1500mを制するなど大舞台に強い。その下森を福岡県大会で下しているチームメイトの江藤杏梨(北九州市立2福岡)も強力で、昨年のU18大会で優勝の田中希歩(盛岡誠桜3岩手)と、ここまでの3人が2分7秒台のベストを持つ。ただ絶対的な優勝候補はおらず、前回3位の鈴木結菜(新潟一3)、同7位の勝くるみ(白梅学園3)、U20日本選手権を制した松本未空(鈴鹿2三重)らが多士済々。400mや1500mと兼ねる選手が多く、速さに加えて強さを併せ持つタフな選手が制することになりそうだ。
1500mと3000mは留学生が強力だ。両種目ともカリバ・カロライン(神村学園2鹿児島)が持ちタイムトップで、それぞれ4分08秒82と8分45秒47。ジャネット・ニーヴァ(倉敷3岡山)も近い実力を持ち、2人で優勝を争うことになるだろう。日本人では1500mで高校歴代5位の4分15秒86を持つ田島愛梨(神村学園3鹿児島)、近畿大会2冠の水本佳菜(薫英女学院3大阪)、3000mでU20日本選手権優勝の松本明莉(筑紫女学園3福岡)、前回3000m6位の野田真理那(北九州市立3福岡)、昨年9月に3000mで9分00秒75を出している杉森心音(仙台育英3宮城)が強力。日本人トップを狙いに行くのか、留学生にチャレンジしに行くのか、そのレース内容にも注目が集まる。
高校記録更新の可能性があるのが100mハードル。愛知県大会とU20日本選手権で2度、高校歴代6位タイの13秒46をマークした林美希(中京大中京2愛知)の走りに注目が集まる。前日まで行われる七種競技でも優勝候補に挙がっており、その疲労が懸念材料。この2種目での2冠となれば、2014年のヘンプヒル恵以来8年ぶりの快挙だ。前回大会で4位、5位を占めた園田学園コンビの藤原かれん、吉田江梨花(ともに3年)も自己記録は13秒61と13秒56。今季はまだ自己記録を超えられていないものの、持ち前の勝負強さで優勝争いを牽引しそう。3年前の全中に続く全国制覇が射程圏内にある中里百葉(白鴎大足利3栃木)、U18大会3位の大谷すみれ(法政二3神奈川)も強力で、最終日の注目種目になりそうだ。
400mハードルは今年のU20日本選手権を制した内藤香乃(北摂三田3兵庫)と、その内藤に近畿大会で0.04秒差と迫った瀧野未来(京都橘2)の一騎打ちとなりそう。内藤は100mハードルでもU20日本選手権3位に入るほどのハードリングが武器で、瀧野は昨年のU18大会300mで優勝したスピードが持ち味。安定度では前回5位の内藤が勝るものの、瀧野は今季から本格参戦したばかりで伸びしろ十分。57秒台突入も見据えた戦いになるか。東北大会で59秒21、7月の山形県選手権で59秒14と2人を追う存在なのが柏倉うみ(山形中央3)。58秒台中盤まで更新できれば勝機を見出せる。
5000m競歩は今季ランキングトップの大山藍(鹿児島女2)が同時期開催のU20世界選手権を選択したため、県大会から激しく競り合ってきた吉留美桜(神村学園3鹿児島)にチャンスが巡ってきた。今年は出場したレースすべてで23分30秒を切っており、安定感は抜群。前回2位の石田さつき(大津商3滋賀)も22分台のベストを持ち、暑さにも耐性がある。U20選抜競歩で2位に入った淺野愛菜(コザ3沖縄)も上位候補で、ラストのスピードには自信を持っている。終盤までもつれるようだとチャンスが巡ってくる。
フィールド
棒高跳に高校記録保持者が登場
円盤投の友利は“全国3連覇”なるか
走高跳は下級生に勢いがあり、出場者の今季リスト上位7人のうち3人が1年生、3人が2年生という並びだ。そのうちただ一人の3年生である山下愛生(北摂三田3兵庫)は昨年1m75を跳んでいる。全国実績で勝るのが森崎優希(明星学園2東京)。昨年はU20日本選手権とU18大会を制している。昨年の全中覇者である高橋美月(埼玉栄1)とともに新旧・中学生チャンピオンの対決が見られる。
棒高跳では前回覇者で高校記録保持者の村田蒼空(前橋女3群馬)が出場。自己記録の4m16は昨年自身が打ち立てた大会記録4m00を大幅に上回る。連覇と高校記録更新が最大のターゲットだ。他にも4m超えの自己記録を持つ柳川美空(前橋育英2群馬)、小林美月(明星学園3東京)らも十分チャンスはあり、まずは自己記録の更新を目指す。
村田蒼空(前橋女)
走幅跳は絶対的な優勝候補が不在。6m超えの佐々木千翔(市船橋3千葉)、松村琴都(瑞陵3愛知)、橋本詩音(静岡雙葉1静岡)に加え、U20日本選手権で追い風参考ながら6m25(+2.4)の大ジャンプを繰り出して優勝した秦くるみ(伊豆中央3静岡)らが中心になる。
三段跳は南関東大会覇者の佐々木千翔が12m62でランキング1位。今季は安定して12m中盤を連発しており、走幅跳との2冠を狙う。12m51の栗屋友佳(滝川二3兵庫)、12m40の中村和花(大塚3大阪)、12m32の大前友乃(関大北陽3大阪)、吉森あかり(神戸山手女2兵庫)と近畿勢が追う。
砲丸投は奥山琴未(岡山商大附3)がこの種目15人目の連覇に挑む。今季は14m75へと自己記録を更新しており、15mはもちろん、16m台も視野に入れている。実績、記録面で奥山の優位は動かないが、待ったをかけるとすれば、U20日本選手権を14m29の大幅ベストで制した武田光里(添上)か。14m以上はその1回だけだが、安定して13m中盤から後半を投げており、14m50まで届くようだと勝機が見いだせる。この他にも前回3位の村瀬にこ(浜松工3静岡)、2年前に全国高校大会を制している川口由眞(生光学園3徳島)が上位候補に挙がる。
円盤投は前回覇者の友利晟弓(那覇西3沖縄)が2年前の全国高校大会から続く全国大会連覇を「3」に伸ばせるか注目が集まる。前回大会は45m40で制したものの、同2位の阪本海月華(紀央館3和歌山)、同3位の桑島弥々(咲くやこの花3大阪)も無事に地区大会突破を決めた。そこに南九州大会で友利を破った外間結希乃(与勝3沖縄)を加えた四つ巴の優勝争いになることは間違いない。U20日本選手権では2位桑島、3位友利、4位阪本、8位外間という順だったが、実力派ほぼ互角なため、徳島ではまた異なる順番になりそうだ。
友利晟弓(那覇西)
ハンマー投は5月に三村啓恵(敦賀3福井)が高校歴代9位の55m11をマーク。U20日本選手権でも高校生最上位の3位と一歩抜け出た感じがある。さらに記録を伸ばすようだと三村の独壇場になりそうだが、52m~53m程度の水準にとどまるようだと他の選手にもチャンスがめぐってくる。追う一番手は昨年のU18大会3位で、U20日本選手権でも三村に次ぐ高校生2番手の5位に入った佐野陽菜(松江工3島根)か。記録面で佐野(52m93)を上回る53m27を持つ川島空(大体大浪商3大阪)も実力者だが、近畿大会では本調子を出せずに4位通過。その近畿を制した2年生の嶋本美海(添上・奈良)はU20日本選手権7位から勢いがある。
やり投は前回5位でU20日本選手権でも高校生最上位の2位に入った倉田紗優加(伊那北3長野)が北信越大会で高校歴代10位の55m33のビッグスロー。記録面、実績面で他の追随を許さず、優勝候補筆頭の立場だ。自身は「1投目に高校記録(58m90)を投げて優勝」という大きな目標を掲げており、初のタイトル獲得へ燃えている。追随するのは櫻井希美(済美2岐阜)、堤陽菜(名古屋大谷3愛知)の東海地区勢か。櫻井は昨年のU18大会チャンピオン。今年のU20でも倉田に次ぐ3位に入っており、条件さえ整えば55m台にも手ごたえをつかんでいる。前回7位の堤も今季50m台に乗せ、実力をつけている。曽野雅(松阪商2三重)、上田優、乾奈子(ともに東大阪大敬愛2大阪)ら2年生も上位を狙える位置につける。
七種競技は前回1位~4位の中尾日香(長田3兵庫)、下元香凜(白梅学園2東京)、上野山真白(和歌山北3)、林美希(中京大中京2愛知)が順当に地区大会を突破。なかでも中尾、下元、林は今季5000~5100点台に乗せており、三つ巴の様相が漂っている。地区大会終了時点ではU20日本選手権を5018点で制した林と、南関東大会で5062点の自己新を出した下元に勢いがあったが、その後に中尾が5103点を出してランキング1位に躍り出た。実力はほぼ互角なため、個人種目との兼ね合いでコンディションの良い選手が勝利をつかむかもしれない。上野山は今季4827点にとどまっており、近畿大会も3位通過。まずは本調子でスタートラインに立ち、5000点突破がターゲットか。4731点の中村和花、4624点の片野坂唯月(鹿児島3)ら三段跳の上位候補者も入賞候補だ。
男子の展望はこちら
トラック 100mは藏重らハイレベル必至 100mHは林に高校新の期待
100mは昨年のU18大会を制し、高校歴代8位の11秒58を持つ藏重みう(中京大中京3愛知)が中心となりそう。今季は脚の違和感でスロースタートとなったものの、東海大会では三重県大会で11秒66をマークした樋口七海(四日市商3三重)、U20日本選手権覇者の小松このみ(安城学園3愛知)、新進気鋭のルーキー・小針陽菜(富士市立1静岡)を相手に勝ち切った。全国大会でもこの4名が優勝争いに加わりそうだ。 中国大会で11秒7台を連発した先村若奈(高川学園2山口)、南関東大会4冠の佐藤葵唯(市船橋3千葉)、U20日本選手権と昨年のU18大会で2位の山形愛羽(熊本中央2)も強力。優勝争いは11秒6台、メダル争いは11秒7台のハイレベル決戦となる可能性が高い。 藏重みう(中京大中京) 200mでは前回大会3位、4位、5位、7位の藏重みう、山形愛羽、佐藤葵唯、小松このみに加え、近畿大会で個人スプリント3冠を達成した児島柚月(西京3京都)がV争いの中心となりそう。小松以外は23秒台の自己記録を持ち、小松はU20日本選手権で高校生最上位の2位に入っている。23秒台決戦になることは間違いなさそうで、記録にも注目が集まる。 400mは個人3冠を狙うランキングトップの児島柚月に、中尾柚希、谷口璃奈(ともに園田学園3兵庫)、山内そよ(大宮東3埼玉)、瀬田陽菜(東海大相模2神奈川)、平野里歩(中京大中京2愛知)ら54秒台のベストを持つ6選手が中心となる。なかでも児島は54秒12とトップクラスの実力者で、近畿大会では強力な園田学園コンビを下し、その勢いで100mと200mも制した。U20日本選手権を制した山内や中尾は前半型、前回5位の谷口と瀬田は後半型。それぞれが得意なかたちで頂点を狙う。 児島柚月(西京) 800mは東北勢、東海勢、北九州勢に好選手がそろう。なかでも今季ランキングトップの下森美咲(北九州市立2福岡)は2年前の全国中学生大会、今年6月のU20日本選手権1500mを制するなど大舞台に強い。その下森を福岡県大会で下しているチームメイトの江藤杏梨(北九州市立2福岡)も強力で、昨年のU18大会で優勝の田中希歩(盛岡誠桜3岩手)と、ここまでの3人が2分7秒台のベストを持つ。ただ絶対的な優勝候補はおらず、前回3位の鈴木結菜(新潟一3)、同7位の勝くるみ(白梅学園3)、U20日本選手権を制した松本未空(鈴鹿2三重)らが多士済々。400mや1500mと兼ねる選手が多く、速さに加えて強さを併せ持つタフな選手が制することになりそうだ。 1500mと3000mは留学生が強力だ。両種目ともカリバ・カロライン(神村学園2鹿児島)が持ちタイムトップで、それぞれ4分08秒82と8分45秒47。ジャネット・ニーヴァ(倉敷3岡山)も近い実力を持ち、2人で優勝を争うことになるだろう。日本人では1500mで高校歴代5位の4分15秒86を持つ田島愛梨(神村学園3鹿児島)、近畿大会2冠の水本佳菜(薫英女学院3大阪)、3000mでU20日本選手権優勝の松本明莉(筑紫女学園3福岡)、前回3000m6位の野田真理那(北九州市立3福岡)、昨年9月に3000mで9分00秒75を出している杉森心音(仙台育英3宮城)が強力。日本人トップを狙いに行くのか、留学生にチャレンジしに行くのか、そのレース内容にも注目が集まる。 高校記録更新の可能性があるのが100mハードル。愛知県大会とU20日本選手権で2度、高校歴代6位タイの13秒46をマークした林美希(中京大中京2愛知)の走りに注目が集まる。前日まで行われる七種競技でも優勝候補に挙がっており、その疲労が懸念材料。この2種目での2冠となれば、2014年のヘンプヒル恵以来8年ぶりの快挙だ。前回大会で4位、5位を占めた園田学園コンビの藤原かれん、吉田江梨花(ともに3年)も自己記録は13秒61と13秒56。今季はまだ自己記録を超えられていないものの、持ち前の勝負強さで優勝争いを牽引しそう。3年前の全中に続く全国制覇が射程圏内にある中里百葉(白鴎大足利3栃木)、U18大会3位の大谷すみれ(法政二3神奈川)も強力で、最終日の注目種目になりそうだ。 400mハードルは今年のU20日本選手権を制した内藤香乃(北摂三田3兵庫)と、その内藤に近畿大会で0.04秒差と迫った瀧野未来(京都橘2)の一騎打ちとなりそう。内藤は100mハードルでもU20日本選手権3位に入るほどのハードリングが武器で、瀧野は昨年のU18大会300mで優勝したスピードが持ち味。安定度では前回5位の内藤が勝るものの、瀧野は今季から本格参戦したばかりで伸びしろ十分。57秒台突入も見据えた戦いになるか。東北大会で59秒21、7月の山形県選手権で59秒14と2人を追う存在なのが柏倉うみ(山形中央3)。58秒台中盤まで更新できれば勝機を見出せる。 5000m競歩は今季ランキングトップの大山藍(鹿児島女2)が同時期開催のU20世界選手権を選択したため、県大会から激しく競り合ってきた吉留美桜(神村学園3鹿児島)にチャンスが巡ってきた。今年は出場したレースすべてで23分30秒を切っており、安定感は抜群。前回2位の石田さつき(大津商3滋賀)も22分台のベストを持ち、暑さにも耐性がある。U20選抜競歩で2位に入った淺野愛菜(コザ3沖縄)も上位候補で、ラストのスピードには自信を持っている。終盤までもつれるようだとチャンスが巡ってくる。フィールド 棒高跳に高校記録保持者が登場 円盤投の友利は“全国3連覇”なるか
走高跳は下級生に勢いがあり、出場者の今季リスト上位7人のうち3人が1年生、3人が2年生という並びだ。そのうちただ一人の3年生である山下愛生(北摂三田3兵庫)は昨年1m75を跳んでいる。全国実績で勝るのが森崎優希(明星学園2東京)。昨年はU20日本選手権とU18大会を制している。昨年の全中覇者である高橋美月(埼玉栄1)とともに新旧・中学生チャンピオンの対決が見られる。 棒高跳では前回覇者で高校記録保持者の村田蒼空(前橋女3群馬)が出場。自己記録の4m16は昨年自身が打ち立てた大会記録4m00を大幅に上回る。連覇と高校記録更新が最大のターゲットだ。他にも4m超えの自己記録を持つ柳川美空(前橋育英2群馬)、小林美月(明星学園3東京)らも十分チャンスはあり、まずは自己記録の更新を目指す。 村田蒼空(前橋女) 走幅跳は絶対的な優勝候補が不在。6m超えの佐々木千翔(市船橋3千葉)、松村琴都(瑞陵3愛知)、橋本詩音(静岡雙葉1静岡)に加え、U20日本選手権で追い風参考ながら6m25(+2.4)の大ジャンプを繰り出して優勝した秦くるみ(伊豆中央3静岡)らが中心になる。 三段跳は南関東大会覇者の佐々木千翔が12m62でランキング1位。今季は安定して12m中盤を連発しており、走幅跳との2冠を狙う。12m51の栗屋友佳(滝川二3兵庫)、12m40の中村和花(大塚3大阪)、12m32の大前友乃(関大北陽3大阪)、吉森あかり(神戸山手女2兵庫)と近畿勢が追う。 砲丸投は奥山琴未(岡山商大附3)がこの種目15人目の連覇に挑む。今季は14m75へと自己記録を更新しており、15mはもちろん、16m台も視野に入れている。実績、記録面で奥山の優位は動かないが、待ったをかけるとすれば、U20日本選手権を14m29の大幅ベストで制した武田光里(添上)か。14m以上はその1回だけだが、安定して13m中盤から後半を投げており、14m50まで届くようだと勝機が見いだせる。この他にも前回3位の村瀬にこ(浜松工3静岡)、2年前に全国高校大会を制している川口由眞(生光学園3徳島)が上位候補に挙がる。 円盤投は前回覇者の友利晟弓(那覇西3沖縄)が2年前の全国高校大会から続く全国大会連覇を「3」に伸ばせるか注目が集まる。前回大会は45m40で制したものの、同2位の阪本海月華(紀央館3和歌山)、同3位の桑島弥々(咲くやこの花3大阪)も無事に地区大会突破を決めた。そこに南九州大会で友利を破った外間結希乃(与勝3沖縄)を加えた四つ巴の優勝争いになることは間違いない。U20日本選手権では2位桑島、3位友利、4位阪本、8位外間という順だったが、実力派ほぼ互角なため、徳島ではまた異なる順番になりそうだ。 友利晟弓(那覇西) ハンマー投は5月に三村啓恵(敦賀3福井)が高校歴代9位の55m11をマーク。U20日本選手権でも高校生最上位の3位と一歩抜け出た感じがある。さらに記録を伸ばすようだと三村の独壇場になりそうだが、52m~53m程度の水準にとどまるようだと他の選手にもチャンスがめぐってくる。追う一番手は昨年のU18大会3位で、U20日本選手権でも三村に次ぐ高校生2番手の5位に入った佐野陽菜(松江工3島根)か。記録面で佐野(52m93)を上回る53m27を持つ川島空(大体大浪商3大阪)も実力者だが、近畿大会では本調子を出せずに4位通過。その近畿を制した2年生の嶋本美海(添上・奈良)はU20日本選手権7位から勢いがある。 やり投は前回5位でU20日本選手権でも高校生最上位の2位に入った倉田紗優加(伊那北3長野)が北信越大会で高校歴代10位の55m33のビッグスロー。記録面、実績面で他の追随を許さず、優勝候補筆頭の立場だ。自身は「1投目に高校記録(58m90)を投げて優勝」という大きな目標を掲げており、初のタイトル獲得へ燃えている。追随するのは櫻井希美(済美2岐阜)、堤陽菜(名古屋大谷3愛知)の東海地区勢か。櫻井は昨年のU18大会チャンピオン。今年のU20でも倉田に次ぐ3位に入っており、条件さえ整えば55m台にも手ごたえをつかんでいる。前回7位の堤も今季50m台に乗せ、実力をつけている。曽野雅(松阪商2三重)、上田優、乾奈子(ともに東大阪大敬愛2大阪)ら2年生も上位を狙える位置につける。 七種競技は前回1位~4位の中尾日香(長田3兵庫)、下元香凜(白梅学園2東京)、上野山真白(和歌山北3)、林美希(中京大中京2愛知)が順当に地区大会を突破。なかでも中尾、下元、林は今季5000~5100点台に乗せており、三つ巴の様相が漂っている。地区大会終了時点ではU20日本選手権を5018点で制した林と、南関東大会で5062点の自己新を出した下元に勢いがあったが、その後に中尾が5103点を出してランキング1位に躍り出た。実力はほぼ互角なため、個人種目との兼ね合いでコンディションの良い選手が勝利をつかむかもしれない。上野山は今季4827点にとどまっており、近畿大会も3位通過。まずは本調子でスタートラインに立ち、5000点突破がターゲットか。4731点の中村和花、4624点の片野坂唯月(鹿児島3)ら三段跳の上位候補者も入賞候補だ。 男子の展望はこちら
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