陸上競技の世界ナンバーワンを決める世界陸上競技選手権(以下、世界選手権)。7月15日から米国・オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドを会場に行われ、24日(日本時間の25日)に最終日を迎える。
米国初開催となった今大会もついにフィナーレ。Day10の午後は注目種目が目白押しで最高潮を迎える。日本勢も2種目に登場する。
まずは日本時間25日9時10分(以下日本時間)開始の女子100mハードル準決勝に2選手が出場。1組1レーンには福部真子(日本建設工業)が入った。予選では日本人大会過去最高の12秒96(+0.5)をマーク。自己記録に0.03秒に迫っている。また、日本記録(12秒86)保持者の青木益未(七十七銀行)は2組2レーン。予選では2台目あたりで隣の選手と接触しながらも、その後は持ち直して13秒12(-0.4)で駆け抜けた。
2人とも決勝への道はかなり険しいが、青木の日本記録が現実的なところ。ニューレコードで世界のトップに少しでも迫りたいところだろう。
海外勢では昨年の東京五輪金メダリストのジャスミン・カマチョ・クイン(プエルトリコ)と、同大会銀で世界記録(12秒20)のケンドラ・ハリソン(米国)が中心となるはず。11時00分の決勝ではどんなレースとなるだろうか。
そして、日本勢が出場するもう1種目が11時30分の男子4×400mリレー決勝だ。日本は3レーン。予選は佐藤風雅(那須環境技術センター)、川端魁人(中京大クラブ)、ウォルシュ・ジュリアン(富士通)、中島佑気ジョセフ(東洋大)とバトンをつないで3分01秒53で2着通過した。決勝も序盤から上位に食らいつく展開がカギを握るだろう。日本記録(3分00秒76/1996年、2021年)更新はもちろん、目標の2分台に到達するか
なお、予選で他チームとの接触でバトンを落としたボツワナが救済されたため、決勝は9チームで争う。2003年パリ大会以来の入賞へ、最高のパフォーマンスを見せてほしい。
優勝候補は11度目の金メダルに挑む地元・米国。温存している400mVのマイケル・ノーマンや同4位のチャンピオン・アリソンが起用されるか。
海外勢の最注目は、9時25分の男子棒高跳決勝に出場するアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)だ。絶対本命だが、ポイントは記録。屋外世界最高6m16や、今年3月の世界室内選手権でマークした世界記録6m20の更新までバーを上げるか。
女子走幅跳決勝(9時50分)は19年ドーハ大会、昨年の東京五輪と国際大会で2連勝中のマライカ・ミハンボ(ドイツ)が軸。ブルック・ストラットン(豪州)やエセ・ブルメ(ナイジェリア)、イヴァーナ・ヴレタ(セルビア)もV候補だ。
男子5000m決勝(10時05分)は、世界記録保持者で東京五輪覇者のジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)が今大会10000mに続く2冠なるか。今季好調のニコラス・キメリ(ケニア)やヤコブ・クロップ(ケニア)、1500mで2位に敗れたヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)も優勝争いに加わるだろう。
女子800m決勝(10時35分)はアシング・ムー(米国)とキーリー・ホジキンソン(英国)が競り合う構図か。11時20分に最終種目の1500mが行われる男子十種競技は、前日の400mで優勝候補のダミアン・ワーナー(カナダ)が途中棄権。ケビン・マイヤー(フランス)、ピエルス・ルパージュ(カナダ)、ザック・ジーメク(米国)らで混戦となりそうだ。
そして、今大会トラック最終種目の女子4×400mリレー決勝(11時50分)は米国が一番の注目。今季限りで引退を表明しているアリソン・フェリックスが予選に続いて再び走ることになるか。また、400mハードルで50秒68の驚異的な世界新を打ち立てたシドニー・マクラフリンも東京五輪同様、出場するかもしれない。スター選手がバトンをつないで華々しく地元大会を締めくくれば、観客は熱狂するだろう。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.15
神戸マラソンがMGCシリーズ加盟 愛知アジア大会、ロス五輪代表の選考へつながるレースに
-
2025.04.14
-
2025.04.14
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.03.23
-
2025.04.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.15
神戸マラソンがMGCシリーズ加盟 愛知アジア大会、ロス五輪代表の選考へつながるレースに
日本陸連は4月15日、「神戸マラソン2025」がMGCシリーズ2025-26に加盟したと発表した。 MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)シリーズは、前身のJMCシリーズを継承したもので、ポイントにより年間王者を決 […]
2025.04.15
100mH寺田明日香「今季限りで一線を退く」東京世界陸上目指してラストスパート「引退」は使わず
女子100mハードル元日本記録保持者の寺田明日香(ジャパンクリエイト)が都内で会見を開き、今季限りでの第一線を退く意向を表明した。 冒頭のキャリアを振り返るVTRが流れると、登壇早々から涙を浮かべた寺田。一線を退く意向を […]
2025.04.15
コモディイイダ・高橋舞衣が退職 2月の愛媛マラソンで骨折 「この決断が後に良かったと思えることを信じて」
コモディイイダはは4月15日付で、高橋舞衣が退職すると発表した。2月の愛媛マラソンで骨折し、今後は地元の愛媛で治療とリハビリに専念するという。 高橋は愛媛・今治北高では主要な全国大会への出場はなかったが、松山大では1年時 […]
2025.04.14
東海大が陸上競技場に電子ペーサーを常設! トラック内側に4色点滅のLED325個を配置
東海大陸上部と工学部は4月14日、東海大湘南キャンパス内陸上競技場にLEDライトをトラックの縁に置いてペース設定に合わせて光る「電子ペーサー」を3月から常設したと発表した。国内メーカーによる開発と、陸上競技場への常設は国 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)