◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)6日目
オレゴン世界陸上6日目のイブニングセッションに行われた女子5000m予選2組。田中希実(豊田自動織機)が「3種目挑戦」の第2ラウンドに挑んだ。
最初の1500mは初日の予選を突破したものの、翌日の準決勝は4分05秒79の7着で敗退。そこから気持ちを切り替え、「5000mにも生きる取り組みをしてきた。1500mで残れなかったぶん、絶対に決勝に残りたいという気持ちをより強くして臨みたい」と中3日の調整期間を過ごしてきた。
レース全体としては、「余裕を持って走れなかった」と田中。序盤から15分前後のペースで進む集団の前方に位置しながらも、10000mを制した世界記録(14分06秒62)保持者レテセンベト・ギデイ(エチオピア)、東京五輪覇者のシファン・ハッサン(オランダ)ら「前のほうの選手は前半は余裕だった。私はその時点で脚にきていました」。
そして、「ラストで上がることは想定していた」が、残り600mで本格的な着順争いが始まると、9人の先頭集団から少しずつ後退する。決勝進出条件は5着+5。前には7人いて、着順通過は厳しくなった。1組6着は15分00秒98で、7着の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が15分02秒03。田中はあきらめずに前を追った。
ギデイ(エチオピア)が14分52秒27で1着。続いて7人がフィニッシュした後、田中は9着でレースを終えた。倒れ込むほど死力を尽くして出したタイムは今季ベストの15分00秒21。プラス通過ながら2大会連続の決勝進出を決めた。
「気持ちを切らさずに前を追うことができました」とホッとした様子で話した田中。この種目は、初のシニア世界大会出場だった前回のドーハ大会で決勝進出を果たしているが、昨年の東京五輪では自身初の14分台(14分59秒93)をマークしながらも予選で敗退。複数種目をこなしながら、1500mに続くラウンド突破を果たしたことは大きな成果だ。
決勝に向けては、明日から始まる800mを挟むことになり、いよいよハードスケジュールへと突入する。だが、先のことは考えず目の前のレースに集中することを決めている田中。「800mでは準決勝に進むより、まずこの場所に立てることを楽しみたい」。そして、5000m決勝に向けては「今日は余裕を持って走れなかったので、余裕を持って進めることが課題です」と語った。
5000m決勝は24日午前10時25分(日本時間)に行われる。

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