◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)3日目
オレゴン世界陸上3日目のイブニングセッションに行われた男子110mハードル決勝。地元の期待を背負った前回王者グラント・ホロウェイ(米国)が、13秒03(+1.2)で堂々の2連覇を飾った。13秒08で2位にトレイ・カニングハムが続き、米国がワン・ツーを決めた。
レース直前の練習中に東京五輪王者のハンスル・パーチメント(ジャマイカ)が右脚を痛めて欠場。さらに、6月に世界歴代3位の12秒84を出した地元中の地元オレゴン大出身のデヴォン・アレン(米国)がフライングで失格と、異様なムードの中で行われたレースだったが、ホロウェイにはまったく関係なかった。
左右が不在になった4レーンを1台目からトップで入り、そのまま他を圧倒。2001年エドモントン、03年パリ大会のアレン・ジョンソン(米国)以来となる2連覇を成し遂げ、スタンドを大いに沸かせた。
高校時代はアメリカンフットボールとの二刀流。フロリダ大ではサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)の1学年先輩として、全米学生選手権3連覇など活躍した。走高跳2m16、走幅跳8m17(追い風参考で8m32)という卓越した跳躍力とスピードが武器で、昨年の全米五輪選考会準決勝では世界記録にあと0.01秒と迫る歴代2位の12秒81をマークしている。
大本命で臨んだ昨年の東京五輪では、10台目のハードルを引っ掛けてバランスを崩した隙をパーチメントにつかれて銀メダルに終わったが、世界陸上で再び世界の頂点に。若き24歳の王者は、このまま男子トッパーを頭一つ抜けた存在としてリードしていくだろう。
■男子110mH 上位成績(+1.2)
1位 グラント・ホロウェイ(米国)13秒03
2位 トレイ・カニンガム(米国)13秒08
3位 アジアー・マルティネス(スペイン)13秒17
4位 ダミアン・チキェル(ポーランド)13秒32
5位 ジョシュア・ゼラー(英国)13秒33
シェーン・ブレイスウェイト(バルバドス)失格
デヴォン・アレン(米国)失格
ハンセル・パーチメント(ジャマイカ)棄権
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