陸上競技の世界ナンバーワンを決める世界陸上競技選手権(以下、世界選手権)が7月15日から7月24日までの10日間、米国・オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで行われている。
Day1の午後セッションで最初に登場する日本勢は日本時間16日9時15分(以下文中の時間は日本時間)からの男子3000m障害予選。1組には山口浩勢(愛三工業)、2組に三浦龍司(順大)、3組に青木涼真(Honda)が出場する。
東京五輪7位の三浦は東京五輪銀のレメチャ・ギルマ(エチオピア)や16年リオ五輪や3年前のドーハ大会を制したコンセスラス・キプルト(ケニア)と同じ組。競り合いながら上位通過できるか。山口と青木は自己ベストの更新に注目だ。
10時からの男子走幅跳予選にはA組に、ドーハ大会8位で、東京五輪6位の橋岡優輝(富士通)が、B組では山川夏輝(佐賀県スポ協)が挑む。予選通過記録は8m15。今季8m27をマークしている橋岡には難なく突破したいところ。1ヵ月前に8m17の自己新を跳んだ山川もパフォーマンスを発揮できれば到達可能だ。
10時10分からは女子1500m予選が行われる。日本記録(3分59秒19)保持者で東京五輪8位の田中希実(豊田自動織機)は2組。今大会は5000mや800mも含め、日本選手史上初の個人3種目に挑むが、まずは専門種目で順当に予選通過できるか。1組の卜部蘭(積水化学)は自己記録(4分07秒90)に迫りたいところ。
注目の男子100mの予選は10時50分から。9秒97の自己ベストを持つサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)は7組に入り、9秒77の自己ベストを持つフェルディナンド・オマンヤラ(ケニア)と今季9秒94をマークしているジョセフ・アモアー(ガーナ)と争う。6月下旬に10秒02をマークして勢いのある坂井隆一郎(大阪ガス)は4組に登場。東京五輪金メダリストのラモント・マルセル・ジェイコブス(イタリア)や、今季9秒86のオヴィク・セヴィル(ジャマイカ)と一緒に走る。
2組には今季世界最速の9秒76を出したフレッド・カーリー(米国)と蘇炳添(中国)が入り、3組にはトレイボン・ブロメル(米国)が登場する。
Day1の最終種目は午前11時50分の男女混合4×400mリレー決勝。今大会最初のトラック種目最初の決勝となる。予選では1組で3分11秒75をマークした地元の米国がトップ。これまで女子短距離で世界選手権史上最多の金メダル13個を獲得し、今季限りで引退を表明しているアリソン・フェリックスの出走があるか。
Day2の午前セッションには日本選手9人が出場。17日3時25分からの男子110mハードル予選には日本記録(13秒06)保持者の泉谷駿介(住友電工)、村竹ラシッド(順大)、石川周平(富士通)の3選手が挑む。
3組に入った石川は全米選手権Vのダニエル・ロバーツ、4組の村竹は東京五輪金のハンズル・パーチメント(ジャマイカ)、5組の泉谷は東京五輪4位のデボン・アレン(米国)と一緒に走る。3人そろって準決勝に進めば、この種目では初となる。
女子10000m決勝(4時20分)には東京五輪7位の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)と五島莉乃(資生堂)が参戦する。強力なアフリカ勢を相手に粘りの走りができるか。世界選手権での入賞となれば、2013年モスクワ大会の新谷仁美(ユニバーサルエンターテインメント/現・積水化学)の5位以来4大会ぶり(9年ぶり)となる。代表に選ばれながらも新型コロナ陽性で涙を飲んだ小林成美(名城大)の分も含めてトラック25周を駆け回ってほしい。
優勝争いはスパート力のある東京五輪金のシファン・ハッサン(オランダ)を軸に、世界記録保持者のレテセンベト・ギデイ(エチオピア)、東京五輪4位のヘレン・オビリ(ケニア)が迫りそう。
この他、男子400mハードル予選(3時25分)には黒川和樹(法大)と岸本鷹幸(富士通)の法大現役OBコンビが出場。黒川は1組で東京五輪銀のライ・ベンジャミンと同走、岸本は2組に入り、2人そろって準決勝に進めるか。また、女子3000m障害予選(2時35分)には東京五輪代表の山中柚乃(愛媛銀行)が1組、ドーハ大会に続く2大会連続となる吉村玲美(大東大)が3組に登場する。9分33秒93の日本記録を更新が現実的な目標だろう。
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