陸上競技の世界ナンバーワンを決める世界陸上競技選手権(以下、世界選手権)が7月15日から7月24日までの10日間、米国・オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで行われる。
18回目を数える今回の世界選手権には192の国と地域から約1900人が参加。コロナ禍で当初の予定から1年遅れでの開催となったが、陸上競技の本場・米国で初めて行われる世界選手権へムードは高まる一方。観戦チケットはほぼ売り切れだ。
1日目の午前セッションは日本時間の26日午前1時05分の男子ハンマー投から競技がスタート。決勝は男女20km競歩の2種目が行われる。
7時10分スタートの男子20km競歩は、今大会日本勢の金メダルの期待が高い種目のひとつ。前回王者の山西利和(愛知製鋼)、東京五輪銀メダリストの池田向希(旭化成)、4大会連続出場の高橋英輝(富士通)、そして初出場の大学生・住所大翔(順大)の4人が出場する。
昨年の東京五輪金メダリストのマッシモ・スタノ(イタリア)は35km競歩に出場するため、この種目は欠場。必然的に五輪で2位、3位を占めた池田と山西が優勝候補の筆頭として名前が挙がる。山西は今年3月の世界競歩チーム選手権では終始安定した歩きで優勝を飾るなど、王者のレースを披露。五輪では他の選手にマークされながらのレースとなり、金メダルを逃したが、今回はその経験も踏まえてあらゆるレースパターンを想定して練習に取り組んできたという。
東京五輪では銅メダルの山西を抑えた池田だが、「世界にはまだ上がいます」と話しており、挑戦者としてレースに臨むつもりだ。世界競歩チーム選手権で山西に敗れて2位だったものの、4月の全日本競歩輪島大会では1時間18分53秒で快勝した。山西とともにレースをコントロールすることができれば、日本勢の上位独占も見えてくる。
日本勢のライバルとなりそうなのが、東京五輪入賞のアルバノ・マルティンとディエゴ・ガルシアのスペイン勢。そして、世界チーム競歩選手権で3位のサミュエル・ガシンバ(ケニア)あたり。中国勢も虎視眈々と上位を狙っている。
大会最初の決勝種目となる女子20km競歩には岡田久美子(富士通)と藤井菜々子(エディオン)が出場。前回7位の藤井は世界チーム競歩選手権では5位と着実に世界の階段を上っており、今回はさらに上の順位を狙う。前回6位の岡田も2大会連続の入賞がターゲットとなる。
同種目では大会5連覇中の中国勢が有力。世界記録保持者の楊家玉はエントリーされなかったが、世界大会で4度の優勝を誇る劉紅、35km競歩との2冠の期待も掛かる切陽什姐、世界競歩チーム選手権優勝の馬振霞らで上位独占なるか。また、東京五輪4位のマリア・ペレス(スペイン)、今季1時間27分27秒の自己新をマークしているジェミマ・モンターグもメダル候補だ。
トラック&フィールドでは5種目の予選が実施。男子走高跳では日本勢の先陣を切って、真野友博(九電工)と赤松諒一(アワーズ)が出場する。予選通過記録は2m30と、ともに届かない高さではなく、決勝に進めれば日本チームの勢いにもつながるだろう。
世界選手権では今回が2回目となる男女混合4×400mリレーでは日本が1組にエントリーされた。同じ組には前回優勝の米国、五輪金のポーランドがおり、着順での予選通過は容易ではないが、日本記録(3分16秒67)を更新すれば決勝進出の可能性も出てくるだろう。また、今大会が最後の世界大会となる米国のアリソン・フェリックスの走りにも注目が集まる。
このほか、男子100mの予備予選と男女ハンマー投の予選が行われる。
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