2022.07.13
世界選手権が7月15日から25日までの10日間で開催される。舞台は陸上大国・米国のオレゴン州ユージン。毎回、世界の陸上界が大きな盛り上がりを見せる大会で、米国開催は初めてだ。世界に挑む日本代表は精鋭ぞろい。メダルに期待が懸かる種目や注目選手を紹介する。今回は男子トラック編をお届け!これをチェックして、みんなでテレビの前から選手を応援しよう!※日付は日本時間
4継はフレッシュな陣容でメダルを狙う
陸上競技の花形、100m予選が初日から行われる。日本からはサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)と坂井隆一郎(大阪ガス)が出場。なかでも4大会連続出場となるサニブラウンには日本勢初の決勝進出に期待がかかる。
当時城西高2年の16歳だった2015年北京大会は、200mで大会史上最年少の準決勝進出。17年ロンドン大会は200mで7位入賞、19年ドーハ大会は100m準決勝で前半出遅れながら、決勝進出まであと0.03秒まで迫った。
日本選手権で優勝して代表入りを決めたサニブラウン。今季ベストは同大会準決勝で出した10秒04にとどまっているものの、自己記録は19年の9秒97。準決勝で9秒台に乗せれば、悲願の決勝進出が見えてくる。
坂井は急成長中の24歳だ。今季は日本選手権で2位に入ると、その後の布勢スプリントで日本歴代7位タイの10秒02(+1.1)と勢いに乗る。2年後のパリ五輪を一番の目標に置いており、「世界選手権で9秒台を出したい」と、日本人5人目の大台突破を目論む。
200mには日本選手権覇者で初出場となる上山紘輝と、2大会連続出場となる小池祐貴の住友電工コンビ、日本歴代3位の20秒11を持つ31歳のベテラン・飯塚翔太(ミズノ)の3人が登場する。今季ベストはいずれも20秒4台で、まずは予選突破が目標となりそうだ。
ここまで名前の挙がったサニブラウン、坂井、上山、小池に、栁田大輝(東洋大)と鈴木涼太(スズキ)を加えた6人で挑む4×100mリレーはメダルを狙う。
銅メダルを獲得した前回大会を経験しているのがサニブラウンと小池(予選のみ)。そのほかの選手は初出場となるフレッシュなメンバーだが、7月上旬の代表合宿では「メダルを狙う」意識を共有し、日本の伝統であるバトンパスを確認した。
スタートから中盤にかけての加速が持ち味の坂井が1走、エースのサニブラウンが2走に入るプランがあるようで、コーナーが得意な上山は3走の候補。27歳で最年長の小池は1走から4走まで経験がある。17年(銅)、19年に続く3大会連続メダルに向け、予選から目が離せない。
「入賞」が現実味帯びる110mハードル&3000m障害
110mハードルでは13秒06の日本記録を持つ泉谷駿介(住友電工)に注目だ。昨年の東京五輪では準決勝3着で、決勝進出までわずか0.03秒。前回の世界選手権は代表入りした後に脚を痛めて欠場しており、3年越しのリベンジでもある。
泉谷は「当たり前のように決勝に行きたい。準決勝で13秒2、13秒1が出せれば」と話す。シーズンベストの13秒21は、1ヵ国3人に絞ると今季世界リスト10位。準決勝の出来次第では十分に決勝進出が狙えるラインだ。
同種目にはともに初出場となる村竹ラシッド(順大)と石川周平(富士通)も登場。村竹は前回大会の決勝進出ラインである13秒36を上回る13秒27を今季マークしており、初の大舞台でファイナル進出の可能性を秘める。ワールドランキングで出場資格を得た石川は、まず予選を突破して準決勝の舞台に駒を進めたいところだ。
3000m障害は昨年の東京五輪で7位入賞した三浦龍司(順大)が出場する。同予選で8分09秒92の日本新を樹立し、日本人初の快挙を達成した昨年からさらにスケールアップ。「前年と取り組みは変えず、自然と質が上がっている」と話すとおり、今年は日本選手権を8分14秒47の大会新で制すと、1500mで日本歴代2位の3分36秒59をマークするなどスピードが強化されている。
6月末には世界最高峰のダイヤモンドリーグ・ストックホルム大会で3000mに出場し、自己新の7分47秒98をマークして10位と、世界の経験を積んだ。初日の予選を突破して4日目の決勝にピークを持っていけるかが、目標に掲げる「上位入賞」に向けてのカギを握りそうだ。
同種目には東京五輪にも出場した青木涼真(Honda)と山口浩勢(愛三工業)もエントリー。予選突破に向けては自己記録(青木8分20秒09、山口8分19秒96)更新がターゲットになる。
それ以外にも男子トラックでは400m、4×400mリレー、5000m、10000m、400mハードルに日本人選手が登場する。
400mは2001年のエドモントン大会以来21年ぶりのフルエントリー。佐藤風雅(那須環境技術センター)、川端魁人(中京大クラブ)、ウォルシュ・ジュリアン(富士通)が出場する。なかでもウォルシュは前回大会で準決勝4着とファイナルに近づいた経験があり、まずは確実に予選を突破して準決勝で44秒台を狙う。
上記3人に中島佑気ジョセフ(東洋大)、岩崎立来(大体大)、河内光起(大阪ガス)を加えた4×400mリレーは2003年パリ大会以来となる入賞がターゲットとなる。
長距離種目には5000mに遠藤日向(住友電工)、10000mに田澤廉(駒大)と伊藤達彦(Honda)がエントリー。両種目ともに過去日本人が入賞した実績はなく、遠藤は予選突破、田澤と伊藤は強力なアフリカ勢に少しでも食らいつき、日本人最高の10位に近づきたいところだ。
400mハードルでは黒川和樹(法大)が決勝進出を目標に掲げている。昨年の東京五輪は予選落ち。その悔しさを晴らし、準決勝で持ち味の積極性を発揮できれば、日本人2人目の47秒台突入と決勝進出が見えてくるだろう。
盛り上がること間違いなしの世界陸上。米国・オレゴン州ユージンを舞台に、7月15日から24日までの10日間で開催される。
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4継はフレッシュな陣容でメダルを狙う
陸上競技の花形、100m予選が初日から行われる。日本からはサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)と坂井隆一郎(大阪ガス)が出場。なかでも4大会連続出場となるサニブラウンには日本勢初の決勝進出に期待がかかる。 当時城西高2年の16歳だった2015年北京大会は、200mで大会史上最年少の準決勝進出。17年ロンドン大会は200mで7位入賞、19年ドーハ大会は100m準決勝で前半出遅れながら、決勝進出まであと0.03秒まで迫った。 日本選手権で優勝して代表入りを決めたサニブラウン。今季ベストは同大会準決勝で出した10秒04にとどまっているものの、自己記録は19年の9秒97。準決勝で9秒台に乗せれば、悲願の決勝進出が見えてくる。 坂井は急成長中の24歳だ。今季は日本選手権で2位に入ると、その後の布勢スプリントで日本歴代7位タイの10秒02(+1.1)と勢いに乗る。2年後のパリ五輪を一番の目標に置いており、「世界選手権で9秒台を出したい」と、日本人5人目の大台突破を目論む。 200mには日本選手権覇者で初出場となる上山紘輝と、2大会連続出場となる小池祐貴の住友電工コンビ、日本歴代3位の20秒11を持つ31歳のベテラン・飯塚翔太(ミズノ)の3人が登場する。今季ベストはいずれも20秒4台で、まずは予選突破が目標となりそうだ。 ここまで名前の挙がったサニブラウン、坂井、上山、小池に、栁田大輝(東洋大)と鈴木涼太(スズキ)を加えた6人で挑む4×100mリレーはメダルを狙う。 銅メダルを獲得した前回大会を経験しているのがサニブラウンと小池(予選のみ)。そのほかの選手は初出場となるフレッシュなメンバーだが、7月上旬の代表合宿では「メダルを狙う」意識を共有し、日本の伝統であるバトンパスを確認した。 スタートから中盤にかけての加速が持ち味の坂井が1走、エースのサニブラウンが2走に入るプランがあるようで、コーナーが得意な上山は3走の候補。27歳で最年長の小池は1走から4走まで経験がある。17年(銅)、19年に続く3大会連続メダルに向け、予選から目が離せない。「入賞」が現実味帯びる110mハードル&3000m障害
110mハードルでは13秒06の日本記録を持つ泉谷駿介(住友電工)に注目だ。昨年の東京五輪では準決勝3着で、決勝進出までわずか0.03秒。前回の世界選手権は代表入りした後に脚を痛めて欠場しており、3年越しのリベンジでもある。 泉谷は「当たり前のように決勝に行きたい。準決勝で13秒2、13秒1が出せれば」と話す。シーズンベストの13秒21は、1ヵ国3人に絞ると今季世界リスト10位。準決勝の出来次第では十分に決勝進出が狙えるラインだ。 同種目にはともに初出場となる村竹ラシッド(順大)と石川周平(富士通)も登場。村竹は前回大会の決勝進出ラインである13秒36を上回る13秒27を今季マークしており、初の大舞台でファイナル進出の可能性を秘める。ワールドランキングで出場資格を得た石川は、まず予選を突破して準決勝の舞台に駒を進めたいところだ。 3000m障害は昨年の東京五輪で7位入賞した三浦龍司(順大)が出場する。同予選で8分09秒92の日本新を樹立し、日本人初の快挙を達成した昨年からさらにスケールアップ。「前年と取り組みは変えず、自然と質が上がっている」と話すとおり、今年は日本選手権を8分14秒47の大会新で制すと、1500mで日本歴代2位の3分36秒59をマークするなどスピードが強化されている。 6月末には世界最高峰のダイヤモンドリーグ・ストックホルム大会で3000mに出場し、自己新の7分47秒98をマークして10位と、世界の経験を積んだ。初日の予選を突破して4日目の決勝にピークを持っていけるかが、目標に掲げる「上位入賞」に向けてのカギを握りそうだ。 同種目には東京五輪にも出場した青木涼真(Honda)と山口浩勢(愛三工業)もエントリー。予選突破に向けては自己記録(青木8分20秒09、山口8分19秒96)更新がターゲットになる。 それ以外にも男子トラックでは400m、4×400mリレー、5000m、10000m、400mハードルに日本人選手が登場する。 400mは2001年のエドモントン大会以来21年ぶりのフルエントリー。佐藤風雅(那須環境技術センター)、川端魁人(中京大クラブ)、ウォルシュ・ジュリアン(富士通)が出場する。なかでもウォルシュは前回大会で準決勝4着とファイナルに近づいた経験があり、まずは確実に予選を突破して準決勝で44秒台を狙う。 上記3人に中島佑気ジョセフ(東洋大)、岩崎立来(大体大)、河内光起(大阪ガス)を加えた4×400mリレーは2003年パリ大会以来となる入賞がターゲットとなる。 長距離種目には5000mに遠藤日向(住友電工)、10000mに田澤廉(駒大)と伊藤達彦(Honda)がエントリー。両種目ともに過去日本人が入賞した実績はなく、遠藤は予選突破、田澤と伊藤は強力なアフリカ勢に少しでも食らいつき、日本人最高の10位に近づきたいところだ。 400mハードルでは黒川和樹(法大)が決勝進出を目標に掲げている。昨年の東京五輪は予選落ち。その悔しさを晴らし、準決勝で持ち味の積極性を発揮できれば、日本人2人目の47秒台突入と決勝進出が見えてくるだろう。 盛り上がること間違いなしの世界陸上。米国・オレゴン州ユージンを舞台に、7月15日から24日までの10日間で開催される。 【関連記事】 世界陸上みどころチェック! 田中希実、廣中璃梨佳ら中長距離が盛況!女子4継は日本記録目指す/女子トラック編 主将の橋岡優輝&北口榛花が入賞に挑む!ディーン、真野ら初出場組も注目/男女フィールド編 史上3人目の連覇目指す山西 男女マラソンは上位に食い込めるか/男女ロード編
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