2022.07.13
世界選手権が7月15日から25日までの10日間で開催される。舞台は陸上大国・米国のオレゴン州ユージン。毎回、世界の陸上界が大きな盛り上がりを見せる大会で、米国開催は初めてだ。世界に挑む日本代表は精鋭ぞろい。メダルに期待が懸かる種目や注目選手を紹介する。今回は男女ロード編をお届け!これをチェックして、みんなでテレビの前から選手を応援しよう!※日付は日本時間
初日から金メダルの期待
ロードでは大会初日からメダル期待の種目が行われる。16日午前7時10分からスタートする男子20km競歩には前回優勝で東京五輪銅メダリストの山西利和(愛知製鋼)と東京五輪で銀メダルを獲得した池田向希(旭化成)が出場する。
2人は世界のトップ選手も参加した3月の世界競歩チーム選手権に出場。レースの主導権を握った山西が優勝を飾り、池田も2位に続いた。
ともにライバルからマークされる存在となり、スパートを仕掛ければ他の有力選手も追いかけてくる展開が予想される。山西はそれを踏まえた上で、「いろんな想定をして準備をしてきた。あとは力を出し切れば、(連覇に)手が届くと思います」と王者の風格を漂わせている。池田も順調に練習をこなし、「あとはピーキングをしっかりしたい」と万全の状態で本番を迎えるつもりだ。
このほか、国際大会の経験が豊富な髙橋英輝(富士通)も上位入賞を目指す。また、山西が前回優勝のワイルドカード枠で出場するため、この種目では日本人4人目の住所大翔(順大)もエントリーしている。
16日の5時10分からは、今大会最初の決勝種目として女子20km競歩がスタート。前回6位の岡田久美子(富士通)と、同7位の藤井菜々子(エディオン)が登場する。前回以上の成績で日本勢として弾みをつけたいところだ。
昨年まで五輪、世界選手権で行われていた50km競歩は35km競歩へと距離が短縮。20kmから移行したスピード型の選手と、50kmから移行したスタミナ型の選手による駆け引きが注目ポイントととなりそうだ。世界的にレースの開催実績が少ないため、選手たちも手探り状態の中でレースが進むことになり、思わぬ波乱が起きる可能性も高い。
24日22時15分スタートの男子は、東京五輪50km競歩6位の川野将虎(旭化成)が日本のエースとしてメダル獲得を目標に掲げる。20km競歩でリオ五輪7位の実績を持つ松永大介(富士通)は2大会ぶりの出場。2大会連続出場の野田明宏(自衛隊体育学校)は前回(50km)途中棄権の悔しさを晴らしたい。
また、22日に行われる女子35km競歩は園田世玲奈(NTN)が初の世界大会に挑む。
マラソンは鈴木・一山が夫妻で世界に挑戦
注目のマラソンは男子が17日22時15分、女子が18日22時15分にそれぞれスタートする。
男子は日本記録保持者(2時間4分56秒)の鈴木健吾(富士通)に期待が集まる。日本記録を樹立した後は重圧や故障などもあったが、今年3月の東京マラソンでは「(練習は)日本記録を出した時の5~6割」という状態で、2時間5分28秒で日本人トップの4位で実力を示した。初のシニアの世界大会となるが「自分の力がどこまで通用するかチャレンジしたい」と話し、まずは入賞を目標に掲げ、「どこまでメダルに近づけるか」と上位を狙っている。
大阪・びわ湖マラソンを初マラソン日本最高記録で制した星岳(コニカミノルタ)、別府大分毎日マラソンに大会新Vを飾った西山雄介(トヨタ自動車)はともに2度目のマラソンとなるが勢いがある。世界選手権での日本勢入賞は13年以来遠ざかっており、4大会ぶりの入賞となるか。
女子は一山麻緒(資生堂)、松田瑞生(ダイハツ)、新谷仁美(積水化学)の最強メンバーが出場する。
東京五輪8位の一山は、昨年末に鈴木健吾と結婚。3月の東京マラソンでは2時間21分02秒のセカンドベストで6位となり、「同一レースでの夫婦最高タイム」としてギネス記録に認定されたことも話題となった。5月からは鈴木とともに長野と米国で合宿を行い、夫婦二人三脚でトレーニングを重ねてきた。6月5日に行われたシカゴ・ハーフマラソンでは1時間13分45秒と調整も順調に進んでおり、あとは本番を迎えるだけとなっている。
1月の大阪国際女子マラソンで2時間20分52秒の自己新で優勝を果たした松田。マラソンではこれまで6戦4勝と勝負強さを発揮している。新谷は13年ぶりのマラソンとなった東京マラソンで2時間21分17秒で7位となり代表権を獲得。トラックで培ったスピードや、これまでの世界大会の経験を武器に上位をうかがう。
オレゴンのマラソンコースは高低差が7mのみで、この時期の朝の平均気温も20度以下と昨年の札幌や3年前のドーハよりもかなり涼しい。そのため、至近の世界大会よりハイペースになることも予想され、日本勢は序盤から先頭集団についていくかどうかの選択が、成績を大きく左右しそうだ。
盛り上がること間違いなしの世界陸上。米国・オレゴン州ユージンを舞台に、7月15日から24日までの10日間で開催される。
【関連記事】
世界陸上みどころチェック!
注目の男子100mは初日に予選!三浦龍司の3000mSC、泉谷、村竹らハードル勢も入賞狙う/男子トラック編
田中希実、廣中璃梨佳ら中長距離が盛況!女子4継は日本記録目指す/女子トラック編
主将の橋岡優輝&北口榛花が入賞に挑む!ディーン、真野ら初出場組も注目/男女フィールド編
初日から金メダルの期待
ロードでは大会初日からメダル期待の種目が行われる。16日午前7時10分からスタートする男子20km競歩には前回優勝で東京五輪銅メダリストの山西利和(愛知製鋼)と東京五輪で銀メダルを獲得した池田向希(旭化成)が出場する。 2人は世界のトップ選手も参加した3月の世界競歩チーム選手権に出場。レースの主導権を握った山西が優勝を飾り、池田も2位に続いた。 ともにライバルからマークされる存在となり、スパートを仕掛ければ他の有力選手も追いかけてくる展開が予想される。山西はそれを踏まえた上で、「いろんな想定をして準備をしてきた。あとは力を出し切れば、(連覇に)手が届くと思います」と王者の風格を漂わせている。池田も順調に練習をこなし、「あとはピーキングをしっかりしたい」と万全の状態で本番を迎えるつもりだ。 このほか、国際大会の経験が豊富な髙橋英輝(富士通)も上位入賞を目指す。また、山西が前回優勝のワイルドカード枠で出場するため、この種目では日本人4人目の住所大翔(順大)もエントリーしている。 16日の5時10分からは、今大会最初の決勝種目として女子20km競歩がスタート。前回6位の岡田久美子(富士通)と、同7位の藤井菜々子(エディオン)が登場する。前回以上の成績で日本勢として弾みをつけたいところだ。 昨年まで五輪、世界選手権で行われていた50km競歩は35km競歩へと距離が短縮。20kmから移行したスピード型の選手と、50kmから移行したスタミナ型の選手による駆け引きが注目ポイントととなりそうだ。世界的にレースの開催実績が少ないため、選手たちも手探り状態の中でレースが進むことになり、思わぬ波乱が起きる可能性も高い。 24日22時15分スタートの男子は、東京五輪50km競歩6位の川野将虎(旭化成)が日本のエースとしてメダル獲得を目標に掲げる。20km競歩でリオ五輪7位の実績を持つ松永大介(富士通)は2大会ぶりの出場。2大会連続出場の野田明宏(自衛隊体育学校)は前回(50km)途中棄権の悔しさを晴らしたい。 また、22日に行われる女子35km競歩は園田世玲奈(NTN)が初の世界大会に挑む。マラソンは鈴木・一山が夫妻で世界に挑戦
注目のマラソンは男子が17日22時15分、女子が18日22時15分にそれぞれスタートする。 男子は日本記録保持者(2時間4分56秒)の鈴木健吾(富士通)に期待が集まる。日本記録を樹立した後は重圧や故障などもあったが、今年3月の東京マラソンでは「(練習は)日本記録を出した時の5~6割」という状態で、2時間5分28秒で日本人トップの4位で実力を示した。初のシニアの世界大会となるが「自分の力がどこまで通用するかチャレンジしたい」と話し、まずは入賞を目標に掲げ、「どこまでメダルに近づけるか」と上位を狙っている。 大阪・びわ湖マラソンを初マラソン日本最高記録で制した星岳(コニカミノルタ)、別府大分毎日マラソンに大会新Vを飾った西山雄介(トヨタ自動車)はともに2度目のマラソンとなるが勢いがある。世界選手権での日本勢入賞は13年以来遠ざかっており、4大会ぶりの入賞となるか。 女子は一山麻緒(資生堂)、松田瑞生(ダイハツ)、新谷仁美(積水化学)の最強メンバーが出場する。 東京五輪8位の一山は、昨年末に鈴木健吾と結婚。3月の東京マラソンでは2時間21分02秒のセカンドベストで6位となり、「同一レースでの夫婦最高タイム」としてギネス記録に認定されたことも話題となった。5月からは鈴木とともに長野と米国で合宿を行い、夫婦二人三脚でトレーニングを重ねてきた。6月5日に行われたシカゴ・ハーフマラソンでは1時間13分45秒と調整も順調に進んでおり、あとは本番を迎えるだけとなっている。 1月の大阪国際女子マラソンで2時間20分52秒の自己新で優勝を果たした松田。マラソンではこれまで6戦4勝と勝負強さを発揮している。新谷は13年ぶりのマラソンとなった東京マラソンで2時間21分17秒で7位となり代表権を獲得。トラックで培ったスピードや、これまでの世界大会の経験を武器に上位をうかがう。 オレゴンのマラソンコースは高低差が7mのみで、この時期の朝の平均気温も20度以下と昨年の札幌や3年前のドーハよりもかなり涼しい。そのため、至近の世界大会よりハイペースになることも予想され、日本勢は序盤から先頭集団についていくかどうかの選択が、成績を大きく左右しそうだ。 盛り上がること間違いなしの世界陸上。米国・オレゴン州ユージンを舞台に、7月15日から24日までの10日間で開催される。 【関連記事】 世界陸上みどころチェック! 注目の男子100mは初日に予選!三浦龍司の3000mSC、泉谷、村竹らハードル勢も入賞狙う/男子トラック編 田中希実、廣中璃梨佳ら中長距離が盛況!女子4継は日本記録目指す/女子トラック編 主将の橋岡優輝&北口榛花が入賞に挑む!ディーン、真野ら初出場組も注目/男女フィールド編
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.12.03
やり投・北口榛花が今年も「変わり羽子板」に登場!「明るくなってほしい」と願い込め
-
2024.12.02
-
2024.12.01
2024.11.10
全国高校駅伝の都道府県代表出そろう!男子前回Vの佐久長聖、2位・倉敷ら駒進める
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
2024.11.06
駅伝シーズンに向け、ナイキの「EKIDEN PACK」コレクションが登場!
-
2024.11.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.12.03
100mHパリ五輪代表の福部真子が「菊池病」を公表 高熱などと闘う 練習再開「失ったもんは取り返す」
女子100mハードル日本記録保持者でパリ五輪代表の福部真子(日本建設工業)が自身のSNSを更新し、組織球性壊死性リンパ節炎、通称「菊池病」と診断されたことを明かした。 菊池病の主な症状は発熱と頸部(首)のリンパ節腫脹とい […]
2024.12.03
やり投・北口榛花が今年も「変わり羽子板」に登場!「明るくなってほしい」と願い込め
雛人形などを扱う人形専門店の「久月」が明るい話題を提供した人を描く「変わり羽子板」を12月3日にお披露目し、女子やり投の北口榛花(JAL)が昨年に続いてモデルとして採用された。 メジャーリーグの大谷翔平(ドジャース)や、 […]
2024.12.03
来年の東京デフリンピックへ向け熱戦!日本デフ選手権 国体出場歴もある佐々木琢磨が100m、200mで貫禄のV
聴覚障害のアスリートが競う第2回世界デフ国別・地域別対抗選手権(DAT)兼第21回日本デフ選手権が11月30日~12月1日に東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われた(ハンマー投のみ29日に大井で実施)。 […]
2024.12.02
1万mで塩尻和也が27分36秒37で1着タイ 山谷昌也27分50秒77 伊藤達彦、長嶋幸宝、鈴木健吾らも27分台/日体大長距離競技会
第318回日体大長距離競技会兼第13回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)が12月1日に行われ、NCG男子10000mは日本記録保持者の塩尻和也(富士通)、フィレモン・キプラガット(愛三工業)の2 […]
2024.12.02
東洋大男子長距離部門がセブン銀行と契約「日々挑戦する心で革新」箱根駅伝からロゴ入りユニ着用
株式会社セブン銀行は12月2日、東洋大学陸上競技部男子長距離部門の公式トレーニングウェア・公式ユニフォームへのロゴ掲出に関する契約を締結したと発表した。 東洋大は箱根駅伝で優勝4度を誇り、19年連続シード権獲得中。スクー […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会