2022.07.13
世界選手権が7月15日から25日までの10日間で開催される。舞台は陸上大国・米国のオレゴン州ユージン。毎回、世界の陸上界が大きな盛り上がりを見せる大会で、米国開催は初めてだ。世界に挑む日本代表は精鋭ぞろい。メダルに期待が懸かる種目や注目選手を紹介する。今回は女子トラック編をお届け!これをチェックして、みんなでテレビの前から選手を応援しよう!※日付は日本時間
田中希実が3種目に挑戦 廣中も2度目の世界へ挑む
女子のトラックで最も注目を浴びているのが田中希実(豊田自動織機)。今大会は800m、1500m、5000mと、衝撃の3種目に出場予定だ。
昨年の東京五輪は1500mと5000mに出場。5000mは予選敗退に終わったが、1500mでは8位入賞の快挙を成し遂げた。その2種目は参加標準記録を突破しており、日本選手権で優勝して代表に即内定。800mは世界大会初出場で、7月7日に追加代表として発表された。
今季も積極的にタフなスケジュールでレースをこなしてきた田中。どの試合でも持ち前のラストスパートを決めて上位でフィニッシュしており、世界選手権へ向けて着々と準備を進めてきた。
日本選手権後には「(1500mと5000mの)2種目で決勝に進出したい」と気合は十分。さらに800mの出場権も手に入れて「気持ちが疲れていなければ、身体はいける。どんな結果になるかは最初の1500m次第」と話している。
2019年ドーハ大会1500mの決勝進出ラインは4分15秒49で5000mは15分08秒82。東京五輪の決勝進出ラインは1500mが4分01秒69、5000mが14分59秒55だ。昨年、日本の陸上界を湧かせた1500mで、再びファイナル進出なるか。さらに今季積み上げてきた連戦の成果から800mと5000mでも決勝進出を狙う。女子トラックのエースの活躍に期待が高まる。
各予選は1500mが7月15日の10時10分、5000mが20日の8時25分、800mが21日の9時10分にスタートする。
5000mと10000mには廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が出場。東京五輪と同じく2種目で出場権を獲得した。
東京五輪では5000mで日本記録を樹立して入賞まであと一歩となる9位。10000mでは積極的な走りを見せて7位入賞を果たしている。
今季は貧血の影響で体調を崩したものの、日本選手権10000mでしっかりと代表を勝ち取った。5000mも日本選手権で田中に次ぐ2位で代表となり、徐々に体調も安定している様子。調子をさらに上げていき、今回も「挑戦者として」積極的にレースを進めて上位争いに食い込めるか。
1500mには卜部蘭(積水科学)が東京五輪に続いて2大会連続の世界大会出場。5000mは萩谷楓(エディオン)も五輪に続いて世界に挑戦する。10000mは五島莉乃(資生堂)と小林成美(名城大)が初代表。だが、小林は出国前の新型コロナウイルス感染症の検査で陽性が判明したため、残念ながら派遣は見送りとなった。
福部&青木 セミファイナル進出へ
110mハードルには福部真子(日本建設工業)と青木益未(七十七銀行)の2人が登場する。
日本選手権を制した福部は今回が初の世界大会。高校時代から世代のトップを走り続けてきたハードラーが、ついに世界の大舞台へ乗り込む。今季は好調で、6月の布勢スプリントでは予選で自身初の12秒台(12秒93)をマーク。この流れに乗って、さらなる好タイムで準決勝進出を目指す。
青木は東京五輪に続いての代表入り。今年は12秒86の日本記録を樹立したものの、その後はケガの影響でなかなか思うような走りができず。それでも、日本選手権では2位ながら予選で大会新となる12秒94。布勢では12秒台を2本そろえており、復調気配が漂う。日本記録保持者の意地で、東京五輪で叶わなかったセミファイナル進出となるか。
3000m障害は東京五輪代表の山中柚乃(愛媛銀行)が出場。吉村玲美(大東大)も19年ドーハに続いて2大会連続の代表となり、男子に負けじと2人がオレゴンで大健闘を見せそうだ。
昨年の世界リレーで4位に入り代表権を獲得した女子4×100mリレー。君嶋愛梨沙(土木管理総合)、兒玉芽生(ミズノ)、御家瀬緑(住友電工)、青山華依(甲南大)、100mハードルの青木が日本代表として挑んでいく。
7月7日の南部記念で世界選手権へ向けて、非公認レースのトライアルを実施。第1レースは1走から青山、君嶋、兒玉、御家瀬のメンバーで44秒17をマーク。第2レースでは1走を青木に変更して43秒67の日本歴代5位相当の好記録でオレゴンへ弾みをつけている。
君嶋は日本選手権100mで初優勝し、今季絶好調。初のリレー代表で、エースとして日本チームに勢いづけている。兒玉もシーズン初めはやや不調だったものの日本選手権200mで連覇と、徐々に調子も上向きに。君嶋とともに2大エースとして引っ張っていく。
青山も昨年の東京五輪に出場しており、御家瀬は春先から好調ぶりを見せて初の代表入り。100mハードルが専門の青木も日本選手権100mで4位と戦力で、2011年に福島千里らが樹立した日本記録(43秒39)を塗り替えられるかに注目だ。
盛り上がること間違いなしの世界陸上。米国・オレゴン州ユージンを舞台に、7月15日から24日までの10日間で開催される。
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110mハードルには福部真子(日本建設工業)と青木益未(七十七銀行)の2人が登場する。 日本選手権を制した福部は今回が初の世界大会。高校時代から世代のトップを走り続けてきたハードラーが、ついに世界の大舞台へ乗り込む。今季は好調で、6月の布勢スプリントでは予選で自身初の12秒台(12秒93)をマーク。この流れに乗って、さらなる好タイムで準決勝進出を目指す。 青木は東京五輪に続いての代表入り。今年は12秒86の日本記録を樹立したものの、その後はケガの影響でなかなか思うような走りができず。それでも、日本選手権では2位ながら予選で大会新となる12秒94。布勢では12秒台を2本そろえており、復調気配が漂う。日本記録保持者の意地で、東京五輪で叶わなかったセミファイナル進出となるか。 3000m障害は東京五輪代表の山中柚乃(愛媛銀行)が出場。吉村玲美(大東大)も19年ドーハに続いて2大会連続の代表となり、男子に負けじと2人がオレゴンで大健闘を見せそうだ。 昨年の世界リレーで4位に入り代表権を獲得した女子4×100mリレー。君嶋愛梨沙(土木管理総合)、兒玉芽生(ミズノ)、御家瀬緑(住友電工)、青山華依(甲南大)、100mハードルの青木が日本代表として挑んでいく。 7月7日の南部記念で世界選手権へ向けて、非公認レースのトライアルを実施。第1レースは1走から青山、君嶋、兒玉、御家瀬のメンバーで44秒17をマーク。第2レースでは1走を青木に変更して43秒67の日本歴代5位相当の好記録でオレゴンへ弾みをつけている。 君嶋は日本選手権100mで初優勝し、今季絶好調。初のリレー代表で、エースとして日本チームに勢いづけている。兒玉もシーズン初めはやや不調だったものの日本選手権200mで連覇と、徐々に調子も上向きに。君嶋とともに2大エースとして引っ張っていく。 青山も昨年の東京五輪に出場しており、御家瀬は春先から好調ぶりを見せて初の代表入り。100mハードルが専門の青木も日本選手権100mで4位と戦力で、2011年に福島千里らが樹立した日本記録(43秒39)を塗り替えられるかに注目だ。 盛り上がること間違いなしの世界陸上。米国・オレゴン州ユージンを舞台に、7月15日から24日までの10日間で開催される。 【関連記事】 世界陸上みどころチェック! 注目の男子100mは初日に予選!三浦龍司の3000mSC、泉谷、村竹らハードル勢も入賞狙う/男子トラック編 主将の橋岡優輝&北口榛花が入賞に挑む!ディーン、真野ら初出場組も注目/男女フィールド編 史上3人目の連覇目指す山西 男女マラソンは上位に食い込めるか/男女ロード編
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