2022.06.20
◇インターハイ北九州大会(6月16日~19日/佐賀市)
夏の徳島インターハイをかけた北九州大会、最高気温が32度を超えた大会3日目。男女の800mで大会新記録が誕生した。
女子は、U20日本選手権1500m優勝の下森美咲(北九州市立2福岡)と、福岡県大会で下森を抑えて優勝した江藤杏梨(北九州市立2福岡)の、チームメイトによる優勝争い。お互いの存在を糧にレベルアップしてきた2人は、「一緒に走ることでいいタイムが出る」と、牽制することなく1周を63秒で通過。県大会はラスト20m付近で江藤が前に出たが、今回は下森が一度も先頭を譲ることなく、2分07秒36の自己ベストV。江藤も2分07秒88の自己ベストで続いた。
これまでの大会記録は1992年に池田真理子(福岡南女)が出した2分08秒46で、女子では最も古い記録。それを30年ぶりに塗り替えた下森は「2人で狙おうと話していたので、うれしいです」と笑顔。江藤も「(2分07秒台の自己新は)信じられないけど、やっぱり優勝できなくて悔しいです」と複雑な心境を垣間見せた。今年の女子800mは全国的にレベルが高いが、クラスメイトで双子のように仲のいい2人は「2分06秒台を狙って、一緒に入賞したいです」と溌剌と意気込んでいる。
直後に行われた男子も、見応えのあるレースになった。日本選手権の予選で1分47秒69をマーク、決勝に進出して6位入賞を果たした後田築(創成館3長崎)と、福井インターハイ5位の青木龍翔(大牟田3福岡)が激突。1500mで青木に敗れ、3位に終わっていた後田は「1500mの反省を活かし、抜かせないレースをしよう」と、ラストで前に出る得意のレースパターンを崩し、レースを牽引した。
1周を54秒のハイペースで通過すると、集団は縦長に。後田の後ろには、長崎県大会2位通過の井口愁斗(瓊浦2長崎)と青木が付いたが、後田がラスト300mからスピードを上げ、追随を許さなかった。後田の1分49秒16、青木の1分49秒42、井口の1分50分99までが大会新で27年ぶりの更新となった。後田は「日本選手権でシニアと戦い、高校とのレース展開の違いを実感しました。自分が引っ張るレースで1分40秒台が出せたことは自信になります」と、安堵の表情を見せた。
このほかにも、男子400mHで渕上翔太(東福岡2)が51秒20の大会新。世界ユース選手権2位の藤井琉成(小倉工)が2015年に出した記録を更新し、「次のレース(福岡県学年別選手権で)で50秒台を出したい」と自信を深めていた。
女子総合はフィールド2種目を含む3種目で優勝した福岡大若葉、男子総合はリレー2種目を含むトラック6種目で優勝者を出した東福岡が制した。
地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは8月3日から7日まで徳島県で開催される。
◇北九州大会の優勝者一覧
男子
100m 深山創希(口加3長崎)10秒81(-1.9)
200m 黒木海翔(東福岡2福岡)21秒48(-0.4)
400m 冨永湧平(東福岡3福岡)47秒87
800m 後田 築(創成館3長崎)1分49秒16=大会新
1500m 谷本昂士郎(大牟田2福岡)3分57秒22
5000m ダニエル・ディリツ(大分東明3大分)13分47秒64
110mH 藤本竜飛(東福岡3福岡)14秒92(-2.5)
400mH 渕上翔太(東福岡2福岡)51秒20=大会新
3000mSC 高木 凌(鎮西学院3長崎)9分17秒34
5000mW 浜田理温(純真3福岡)21分17秒40
4×100mR 東福岡(福岡)40秒97
4×400mR 東福岡(福岡)3分11秒56
走高跳 岩尾 蓮(杵築3大分)2m00
棒高跳 子籠亮太(戸畑3福岡)4m70
走幅跳 仙川晃聖(杵築2大分)7m25(+2.6)
三段跳 山口源太朗(武雄3佐賀)14m77(+1.5)
砲丸投 小林啓祐(中間3福岡)14m55
円盤投 安永壮汰(飯塚3福岡)44m31
ハンマー投 城代三四郎(筑紫3福岡)55m69
やり投 薬師寺新(大分雄城台3大分)61m05
八種競技 山下 晃(青豊3福岡)5053点
女子
100m 柴藤 凛(福岡大若葉2福岡)12秒06(-1.9)
200m 井手口陽菜里(筑紫女学園2福岡)24秒42(-1.5)
400m 林 心春(福岡大若葉2福岡)56秒44
800m 下森美咲(北九州市立2福岡)2分07秒36=大会新
1500m スーサン・カモソ(大分東明3大分)4分18秒84
3000m スーサン・カモソ(大分東明3大分)9分06秒60
100mH 津田みずき(中村学園女3福岡)14秒35(-1.3)
400mH 渡邊 陽(長崎南3長崎)61秒38
5000mW 山中日花里(宗像1福岡)24分28秒87
4×100mR 大分雄城台 46秒38
4×400mR 中村学園女 3分45秒95
走高跳 山田芽依(中村学園女3福岡)1m67
棒高跳 下 楓花(戸畑3福岡)3m20
走幅跳 緒方彩乃(長崎日大3長崎)5m63(+2.2)
三段跳 緒方彩乃(長崎日大3長崎)11m97(+1.9)
砲丸投 濵田桃子(福岡大若葉2福岡)12m62
円盤投 草野美夕(長崎南2長崎)40m72
ハンマー投 松隈晴美(近大福岡3福岡)47m27
やり投 中田真瑚(佐賀商3佐賀)45m98
七種競技 尾形実穂(福岡大若葉3福岡)4332点
文/田端慶子

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.22
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.23
「ラストはいい切れ味」三浦龍司が納得の優勝 2位井川龍人も5000m12分台へ手応え/日本選手権クロカン
◇第108回日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) 26年1月の世界クロスカントリー選手権(米国・タラハシー)の代表選考を兼ねた第108回日本陸上競技選手権大会クロスカントリーが2月22日、福岡 […]
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]
2025.02.22
円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝