2019.12.30
2020年1月2日、3日に開催される第96回東京箱根間往復大学駅伝(以下、箱根駅伝)は、令和初の大会であるとともに、創設100年の記念すべき大会でもある。そんな今大会の見どころや小ネタをいくつか紹介しよう。
①初シードの機運高まる東京国際大
6月の全日本大学駅伝選考会、10月の箱根駅伝予選会をトップ通過し、11月の全日本大学駅伝では4位。今季もっとも勢いに乗る大学の1つだ。戦力的には10位以内に入る可能性は非常に高く、達成すれば4回目の出場にして初めてのシード権獲得となる。
予選会校では突出した戦力を誇る東京国際大。強力な留学生と日本人エースの伊藤達彦による〝2枚看板〟で先頭争いを繰り広げる可能性が高い
②大学史上最長連続シードが懸かる中央学大、帝京大、拓大
現在5年連続シード権獲得中の中央学大と、同2年連続の帝京大と拓大。今回もシード権獲得なら中央学大と拓大は大学史上最長記録を更新、帝京大は2000~02年の「3年連続」に並ぶ。
③12年連続3位以内が懸かる東洋大
現在継続中では最多となる11年連続3位以内を記録している東洋大。もし今回も3位以内であれば、16年連続でトップの中大(1950~65年)に次ぎ、12年連続の日大(63~74年)、順大(78~89年)と並ぶ偉業だ。
④順当なら留学生の数が歴代単独最多
今大会は拓大、東京国際大、創価大、日大、国士大の5校が留学生をエントリー。これまでの留学生による最多出走数は「4人」(16年、17年、19年)で、全大学が順当に留学生を起用すれば、歴代単独最多となる。
⑤出るか!? 区間新記録
前回は実に5つの区間新記録が誕生するなど活況を呈したが、今回も大いにその可能性を秘める。
●2区(日本人最高記録)
東洋大のエース・相澤晃に日本人区間最高記録(1時間6分45秒/塩尻和也、順大=19年)更新の期待が高まる。全日本大学駅伝では3区で従来の記録を1分08秒も更新する大幅区間新。10km換算27分44秒という驚異的な記録だった。これまで日本人で1時間6分台を記録したのは4人(渡辺康幸、三代直樹、村澤明伸、塩尻)だけだが、歴代箱根ランナーの頂点に立つことができるか。
2区で日本人最高記録更新に期待が高まる東洋大の相澤晃
<2区日本人トップ5>
1.06.45 塩尻 和也(順 大4)19年
1.06.46 三代 直樹(順 大4)99年
1.06.48 渡辺 康幸(早 大3)95年
1.06.52 村澤 明伸(東海大2)11年
1.07.04 服部 勇馬(東洋大4)16年
●3区
この区間は前回、青学大の森田歩希(現・GMOアスリーツ)が1時間1分26秒という驚異的な区間新記録を樹立。ただし、今回は10000mで27分47秒76を持つ東京国際大のイェゴン・ヴィンセントが3区に起用される可能性が高く、わずか1年で区間記録が更新されるかもしれない。
<3区歴代トップ5>
1.01.26 森田 歩希(青学大4)19年
1.01.38 O.コスマス(山梨学大4)12年
1.01.40 竹澤 健介(早 大4)09年
1.02.07 阿部 弘輝(明 大3)19年
1.02.12 佐藤 悠基(東海大1)06年
●5区
前回は4人が区間記録を更新し、そのうち3人が今回も健在。前回区間トップだった浦野雄平(國學院大)の1時間10分54秒はもちろん、函嶺洞門を通過していたころの旧コース(現コースより20m短い)時代に今井正人(順大/現・トヨタ自動車九州)が樹立した1時間9分12秒もターゲットとなる。
<5区歴代トップ5>
1.10.54 浦野 雄平(國學院大3)19年
1.11.18 西田 壮志(東海大2)19年
1.11.29 青木 涼真(法 大3)19年
1.11.59 山田 攻(順 大4)19年
1.12.04 安井 雄一(早 大4)18年
<参考記録>※函嶺洞門を通過していた旧コース。約20m短い
1.09.12 今井 正人(順 大2)05年
●6区
前回、青学大の小野田勇次(現・トヨタ紡織)が57分57秒で区間新を樹立したが、今回エントリーされている選手では前回区間3位だった今西駿介(東洋大)があと15秒まで迫っている。小野田超えで〝山下りの神〟となれるか。
<6区歴代トップ5>
57.57 小野田勇次(青学大4)19年
58.01 秋山 清仁(日体大4)17年
58.06 中島 怜利(東海大3)19年
58.12 今西 駿介(東洋大3)19年
58.30 坪井 慧(法 大3)19年
⑥〝大迫超え〟に挑む東洋大・西山
前々回、前回と1区区間賞を獲得している東洋大の西山和弥。これまで3年連続で1区区間賞を獲得した選手は存在せず、達成すれば2011~12年の大迫傑(早大/現・Nike)ら歴代の箱根戦士を超える。今季は故障の影響で不調が続いているが、持ち前の勝負強さとピーキング能力で快挙達成なるか。
⑦5年生医学部ランナーによる出走に注目!
今大会は26年ぶりに国立大の筑波大が箱根路に登場。控えに回っている川瀬宙夢が出走すれば、100年の歴史を誇る箱根駅伝史上でも珍しい〝5年生医学部箱根ランナー〟が誕生する。
26年ぶりの出場となる筑波大は「5年生医学部ランナー」の川瀬宙夢(左端)に注目が集まる
⑧エントリー選手の出身高校最多は静岡・浜松日体の10人!
今大会のエントリー全336人の出身高校を集計した結果、浜松日体(静岡)が10人で最多となった。同校は4年生と3年生で3人ずつ、2年生と1年生で2人ずつエントリーに名を連ね、学校別では太田智樹、直希兄弟を擁する早大に3人、全日本6区で区間2位と好走した西澤侑真らの順大に3人がエントリーしている。
浜松日体に次ぐのが9人の学法石川(福島)。7人の埼玉栄、市船橋(千葉)、洛南(京都)、大牟田(福岡)が3位タイで続く。なお、都道府県別では千葉県が3年連続で最多となった。
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①初シードの機運高まる東京国際大
6月の全日本大学駅伝選考会、10月の箱根駅伝予選会をトップ通過し、11月の全日本大学駅伝では4位。今季もっとも勢いに乗る大学の1つだ。戦力的には10位以内に入る可能性は非常に高く、達成すれば4回目の出場にして初めてのシード権獲得となる。予選会校では突出した戦力を誇る東京国際大。強力な留学生と日本人エースの伊藤達彦による〝2枚看板〟で先頭争いを繰り広げる可能性が高い
②大学史上最長連続シードが懸かる中央学大、帝京大、拓大
現在5年連続シード権獲得中の中央学大と、同2年連続の帝京大と拓大。今回もシード権獲得なら中央学大と拓大は大学史上最長記録を更新、帝京大は2000~02年の「3年連続」に並ぶ。③12年連続3位以内が懸かる東洋大
現在継続中では最多となる11年連続3位以内を記録している東洋大。もし今回も3位以内であれば、16年連続でトップの中大(1950~65年)に次ぎ、12年連続の日大(63~74年)、順大(78~89年)と並ぶ偉業だ。④順当なら留学生の数が歴代単独最多
今大会は拓大、東京国際大、創価大、日大、国士大の5校が留学生をエントリー。これまでの留学生による最多出走数は「4人」(16年、17年、19年)で、全大学が順当に留学生を起用すれば、歴代単独最多となる。⑤出るか!? 区間新記録
前回は実に5つの区間新記録が誕生するなど活況を呈したが、今回も大いにその可能性を秘める。 ●2区(日本人最高記録) 東洋大のエース・相澤晃に日本人区間最高記録(1時間6分45秒/塩尻和也、順大=19年)更新の期待が高まる。全日本大学駅伝では3区で従来の記録を1分08秒も更新する大幅区間新。10km換算27分44秒という驚異的な記録だった。これまで日本人で1時間6分台を記録したのは4人(渡辺康幸、三代直樹、村澤明伸、塩尻)だけだが、歴代箱根ランナーの頂点に立つことができるか。 <2区日本人トップ5> 1.06.45 塩尻 和也(順 大4)19年 1.06.46 三代 直樹(順 大4)99年 1.06.48 渡辺 康幸(早 大3)95年 1.06.52 村澤 明伸(東海大2)11年 1.07.04 服部 勇馬(東洋大4)16年 ●3区 この区間は前回、青学大の森田歩希(現・GMOアスリーツ)が1時間1分26秒という驚異的な区間新記録を樹立。ただし、今回は10000mで27分47秒76を持つ東京国際大のイェゴン・ヴィンセントが3区に起用される可能性が高く、わずか1年で区間記録が更新されるかもしれない。 <3区歴代トップ5> 1.01.26 森田 歩希(青学大4)19年 1.01.38 O.コスマス(山梨学大4)12年 1.01.40 竹澤 健介(早 大4)09年 1.02.07 阿部 弘輝(明 大3)19年 1.02.12 佐藤 悠基(東海大1)06年 ●5区 前回は4人が区間記録を更新し、そのうち3人が今回も健在。前回区間トップだった浦野雄平(國學院大)の1時間10分54秒はもちろん、函嶺洞門を通過していたころの旧コース(現コースより20m短い)時代に今井正人(順大/現・トヨタ自動車九州)が樹立した1時間9分12秒もターゲットとなる。 <5区歴代トップ5> 1.10.54 浦野 雄平(國學院大3)19年 1.11.18 西田 壮志(東海大2)19年 1.11.29 青木 涼真(法 大3)19年 1.11.59 山田 攻(順 大4)19年 1.12.04 安井 雄一(早 大4)18年 <参考記録>※函嶺洞門を通過していた旧コース。約20m短い 1.09.12 今井 正人(順 大2)05年 ●6区 前回、青学大の小野田勇次(現・トヨタ紡織)が57分57秒で区間新を樹立したが、今回エントリーされている選手では前回区間3位だった今西駿介(東洋大)があと15秒まで迫っている。小野田超えで〝山下りの神〟となれるか。 <6区歴代トップ5> 57.57 小野田勇次(青学大4)19年 58.01 秋山 清仁(日体大4)17年 58.06 中島 怜利(東海大3)19年 58.12 今西 駿介(東洋大3)19年 58.30 坪井 慧(法 大3)19年⑥〝大迫超え〟に挑む東洋大・西山
前々回、前回と1区区間賞を獲得している東洋大の西山和弥。これまで3年連続で1区区間賞を獲得した選手は存在せず、達成すれば2011~12年の大迫傑(早大/現・Nike)ら歴代の箱根戦士を超える。今季は故障の影響で不調が続いているが、持ち前の勝負強さとピーキング能力で快挙達成なるか。⑦5年生医学部ランナーによる出走に注目!
今大会は26年ぶりに国立大の筑波大が箱根路に登場。控えに回っている川瀬宙夢が出走すれば、100年の歴史を誇る箱根駅伝史上でも珍しい〝5年生医学部箱根ランナー〟が誕生する。
⑧エントリー選手の出身高校最多は静岡・浜松日体の10人!
今大会のエントリー全336人の出身高校を集計した結果、浜松日体(静岡)が10人で最多となった。同校は4年生と3年生で3人ずつ、2年生と1年生で2人ずつエントリーに名を連ね、学校別では太田智樹、直希兄弟を擁する早大に3人、全日本6区で区間2位と好走した西澤侑真らの順大に3人がエントリーしている。 浜松日体に次ぐのが9人の学法石川(福島)。7人の埼玉栄、市船橋(千葉)、洛南(京都)、大牟田(福岡)が3位タイで続く。なお、都道府県別では千葉県が3年連続で最多となった。 第96回東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト 第96回箱根駅伝 日本テレビ エントリー選手の名鑑はこちら
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