HOME ニュース、国内

2022.06.11

100mH福部真子が悲願の初V「感謝を形にできた」インターハイ3連覇の“天才少女”が見せた成長/日本選手権
100mH福部真子が悲願の初V「感謝を形にできた」インターハイ3連覇の“天才少女”が見せた成長/日本選手権


◇第106回日本選手権(6月9日~12日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目

オレゴン世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目に行われた女子100mハードルが行われ、福部真子(日本建設工業)が13秒10(+0.8)で初優勝を飾った。

フィニッシュ後は感極まる様子を見せた福部。だが、インタビューでは淡々と、冷静に振り返ったのも成長の証だろうか。予選(13秒12/+1.0)、準決勝(13秒15/-0.5)と安定した走りを見せていた福部は、決勝でもスタートから飛び出す。「準決勝の加速をそのまま出そう」。決勝はとにかく「優勝だけを意識して勝ちにいった」。

前日には100mでときおり練習をともにする君嶋愛梨沙(土木管理総合)が優勝。「中学時代から仲良くしている。君嶋ととれたのがうれしいです」と喜びを語る。

中学時代は四種競技で日本一に輝き、広島皆実高時代には100mハードルでインターハイ3連覇。「天才少女」と大きな注目を集めてきた。だが、日体大に進学して以降は「その肩書きに苦しみました」。400mハードルへの挑戦をしながら、試行錯誤を続けながら、100mハードルへのこだわりを持ち続けてきた。

一時は大学で競技を辞めることも考えたが、「やっぱり勝ちたかった」と現役続行。だが、卒業後も浮き沈みを繰り返し、コロナ禍の影響もあって安定しなかった。「苦しかったです」。20年以降は練習拠点を地元・広島に移して再スタート。今季は13秒05をマークするなど、ついに12秒台に手がかかるところまで成長を遂げた。

世代別の日本一を何度も手にしてきたが、「本当の頂点に立てました。感謝を形にできたと思います」と安堵の表情を浮かべる。「12秒台はいつでも出せる」と福部。インターハイ3連覇、天才少女の呪縛を超えようと、あきらめずにハードルを越え続けてきた。「今日の日本一はいろんな思いがあります」。

成長の証を刻んだ日本選手権初優勝。元天才少女ではなく、日本トップハードラーの一人として、パリ五輪まで突き進む。

◇第106回日本選手権(6月9日~12日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目 オレゴン世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目に行われた女子100mハードルが行われ、福部真子(日本建設工業)が13秒10(+0.8)で初優勝を飾った。 フィニッシュ後は感極まる様子を見せた福部。だが、インタビューでは淡々と、冷静に振り返ったのも成長の証だろうか。予選(13秒12/+1.0)、準決勝(13秒15/-0.5)と安定した走りを見せていた福部は、決勝でもスタートから飛び出す。「準決勝の加速をそのまま出そう」。決勝はとにかく「優勝だけを意識して勝ちにいった」。 前日には100mでときおり練習をともにする君嶋愛梨沙(土木管理総合)が優勝。「中学時代から仲良くしている。君嶋ととれたのがうれしいです」と喜びを語る。 中学時代は四種競技で日本一に輝き、広島皆実高時代には100mハードルでインターハイ3連覇。「天才少女」と大きな注目を集めてきた。だが、日体大に進学して以降は「その肩書きに苦しみました」。400mハードルへの挑戦をしながら、試行錯誤を続けながら、100mハードルへのこだわりを持ち続けてきた。 一時は大学で競技を辞めることも考えたが、「やっぱり勝ちたかった」と現役続行。だが、卒業後も浮き沈みを繰り返し、コロナ禍の影響もあって安定しなかった。「苦しかったです」。20年以降は練習拠点を地元・広島に移して再スタート。今季は13秒05をマークするなど、ついに12秒台に手がかかるところまで成長を遂げた。 世代別の日本一を何度も手にしてきたが、「本当の頂点に立てました。感謝を形にできたと思います」と安堵の表情を浮かべる。「12秒台はいつでも出せる」と福部。インターハイ3連覇、天才少女の呪縛を超えようと、あきらめずにハードルを越え続けてきた。「今日の日本一はいろんな思いがあります」。 成長の証を刻んだ日本選手権初優勝。元天才少女ではなく、日本トップハードラーの一人として、パリ五輪まで突き進む。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.23

パリ五輪代表・太田智樹がトラック復帰レース28分12秒12「ちょっと戻ってきた」/八王子LD

◇2024八王子ロングディスタンス(11月23日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、5組にパリ五輪代表の太田智樹(トヨタ自動車)が出場。28分12秒12の5着だった […]

NEWS 連覇目指す積水化学・山本有真「いい流れを作りたい」 資生堂・五島莉乃「チームのために最大限の走りを」/クイーンズ駅伝前日会見

2024.11.23

連覇目指す積水化学・山本有真「いい流れを作りたい」 資生堂・五島莉乃「チームのために最大限の走りを」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 前回優勝チームの積水化学からは2年連続で2区に登録された山本有真が出席。「去年の […]

NEWS パリ五輪マラソン6位の第一生命グループ・鈴木優花 1区登録に「殻を破りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

2024.11.23

パリ五輪マラソン6位の第一生命グループ・鈴木優花 1区登録に「殻を破りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 今夏のパリ五輪マラソンで6位入賞を果たした第一生命グループ・鈴木優花は、「マラソ […]

NEWS 約1年ぶり復帰のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳「感謝の気持ちを胸に走りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

2024.11.23

約1年ぶり復帰のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳「感謝の気持ちを胸に走りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 前回2位のJP日本郵政グループからは廣中璃梨佳が登壇。廣中は昨年12月の日本選手 […]

NEWS クイーンズ駅伝の区間オーダー発表!5区で積水化学・新谷仁美、日本郵政・鈴木亜由子、資生堂・一山麻緒が対決! 第一生命・鈴木優花は1区に

2024.11.23

クイーンズ駅伝の区間オーダー発表!5区で積水化学・新谷仁美、日本郵政・鈴木亜由子、資生堂・一山麻緒が対決! 第一生命・鈴木優花は1区に

第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024/11月24日)の前日となる11月23日、区間エントリーが行われ、出場する24チームのオーダーが発表された。 前回2年ぶりの優勝を飾った積水化学は、3区(1 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top