HOME 駅伝

2022.06.02

早大・新駅伝監督の花田勝彦氏が就任会見 「日本を代表するような選手を育成したい」
早大・新駅伝監督の花田勝彦氏が就任会見 「日本を代表するような選手を育成したい」

箱根駅伝で総合優勝13回を誇る駅伝の名門、早稲田大学の駅伝監督に同大OBの花田勝彦氏が6月1日付で就任し、2日に早大の大隈会館で就任会見が行われた。

「早稲田大学競走部の駅伝監督を拝命したこと、非常に光栄に思っております。OB、OGや多くの早稲田ファンの皆さんの期待に応えられるようなチーム作りをしていきたいと思います」と就任にあたり抱負を口にした花田氏。今年の箱根駅伝で早大は、上位候補の一角に挙げられながらも、まさかの13位でシード権を逃しており、花田氏はその再建を託されることになった。

エスビー食品在籍時にオリンピックに2度(1996年アトランタ大会、2000年シドニー大会)出場した実績がある花田氏は、04年からは上武大駅伝部の監督として、同大を箱根駅伝初出場に導いた。そして、16年からはGMOインターネットグループ(GMOアスリーツ)監督としてトップ選手を指導し、チームをニューイヤー駅伝初出場に導いたほか、多くのマラソンランナーを育成。しかしながら、今年3月31日付で退任していた。

その退任の報告を、恩師である瀬古利彦氏にした際に、「相楽監督が苦労しているので、一緒に早稲田の練習を見に行かないか」と誘われたのをきっかけに練習を見に行くようになり、競走部の藤本浩志部長から駅伝監督へのオファーを受けたという。「母校をサポートできれば思っていた」という花田氏にとっては思わぬオファーだったが、承諾し、正式に就任に至った。

「練習を見始めてからまだ1ヵ月半ぐらいなので、チーム状況をしっかり掴めていませんが、個別に見ると非常に能力の高い選手はいます。今、駅伝では、特に箱根駅伝では、上位校から離されていますので、強豪校と競い合えるようなチーム作りをしていきたいと思っております。やはり皆さんが期待するのは駅伝の優勝だと思いますので、そこを目指していかなければならないと思っています」

広告の下にコンテンツが続きます

一方で、駅伝だけでなく、“世界を舞台に活躍する”選手の育成も使命として課される。

「私は瀬古さんに『世界を目指してやってほしい』と言われて早稲田に来て、私自身もそれを目指して競技をやっていました。駅伝だけではなく、個人をしっかり育てるということも大事だと考えています。これから指導する中で、日本を代表するような選手を育成していきたい。そういった選手や、そこに近づいていく選手が、6人、8人、10人と揃っていけば、出雲駅伝や全日本大学駅伝、箱根駅伝と、戦えるチームになっていくと思います」。花田新監督自身がそうであったように、在学中だけでなく、将来をも見据えて、世界で戦える選手育成を誓っている。

また、相楽豊前監督も、チーム戦略アドバイザーとして、花田監督とともに引き続きチームの指導に当たる。「コーチ時代も含めて、17年間このチームに携わってきた経験値などを含めて、花田監督にいろいろ提案、協議をしながら、2人で“令和版”の強くて魅力ある早稲田大学競走部を作るために貢献していきたいと思います」と相楽氏。他に指導スタッフが入るかは未定だが、ひとまずは花田&相楽の2人体制で戦うことになる。

チームにとっては、まずは10月の箱根駅伝予選会突破が関門となる。そこは、花田監督のこれまでの指導者としての経験が生きてきそうだ。「上武大学で12年間、箱根駅伝を目指したチーム作りをやっていましたので、予選会のノウハウはあると思っています。ただ非常に高速化していますので、ノウハウを生かしつつも、GMOでの6年間の指導など、いろんなものをミックスしながら、確実に予選会を通るようなチーム作りをしていきたいなと思っています」

決して油断はないが、自信を覗かせる花田氏。新生早稲田がいよいよ指導。名門復活へ、その手腕に期待がかかる。

■花田勝彦氏プロフィール
1971年6月12日生まれ、50歳。滋賀・彦根東高時代からインターハイで入賞するなど全国大会で活躍。早大入学後は1年から箱根駅伝に出場し、1年3区6位、2年3区3位と好走すると、3年では4区区間賞でチームの8年ぶりとなる総合優勝にも貢献した。卒業後はエスビー食品に入社。五輪には96年アトランタ、00年シドニーと2大会連続で出場を果たし、シドニーの10000mでは15位に入った。04年に引退後は上武大の駅伝監督に就任。16年から今年3月までGMOインターネットグループで指揮を執った。

箱根駅伝で総合優勝13回を誇る駅伝の名門、早稲田大学の駅伝監督に同大OBの花田勝彦氏が6月1日付で就任し、2日に早大の大隈会館で就任会見が行われた。 「早稲田大学競走部の駅伝監督を拝命したこと、非常に光栄に思っております。OB、OGや多くの早稲田ファンの皆さんの期待に応えられるようなチーム作りをしていきたいと思います」と就任にあたり抱負を口にした花田氏。今年の箱根駅伝で早大は、上位候補の一角に挙げられながらも、まさかの13位でシード権を逃しており、花田氏はその再建を託されることになった。 エスビー食品在籍時にオリンピックに2度(1996年アトランタ大会、2000年シドニー大会)出場した実績がある花田氏は、04年からは上武大駅伝部の監督として、同大を箱根駅伝初出場に導いた。そして、16年からはGMOインターネットグループ(GMOアスリーツ)監督としてトップ選手を指導し、チームをニューイヤー駅伝初出場に導いたほか、多くのマラソンランナーを育成。しかしながら、今年3月31日付で退任していた。 その退任の報告を、恩師である瀬古利彦氏にした際に、「相楽監督が苦労しているので、一緒に早稲田の練習を見に行かないか」と誘われたのをきっかけに練習を見に行くようになり、競走部の藤本浩志部長から駅伝監督へのオファーを受けたという。「母校をサポートできれば思っていた」という花田氏にとっては思わぬオファーだったが、承諾し、正式に就任に至った。 「練習を見始めてからまだ1ヵ月半ぐらいなので、チーム状況をしっかり掴めていませんが、個別に見ると非常に能力の高い選手はいます。今、駅伝では、特に箱根駅伝では、上位校から離されていますので、強豪校と競い合えるようなチーム作りをしていきたいと思っております。やはり皆さんが期待するのは駅伝の優勝だと思いますので、そこを目指していかなければならないと思っています」 一方で、駅伝だけでなく、“世界を舞台に活躍する”選手の育成も使命として課される。 「私は瀬古さんに『世界を目指してやってほしい』と言われて早稲田に来て、私自身もそれを目指して競技をやっていました。駅伝だけではなく、個人をしっかり育てるということも大事だと考えています。これから指導する中で、日本を代表するような選手を育成していきたい。そういった選手や、そこに近づいていく選手が、6人、8人、10人と揃っていけば、出雲駅伝や全日本大学駅伝、箱根駅伝と、戦えるチームになっていくと思います」。花田新監督自身がそうであったように、在学中だけでなく、将来をも見据えて、世界で戦える選手育成を誓っている。 また、相楽豊前監督も、チーム戦略アドバイザーとして、花田監督とともに引き続きチームの指導に当たる。「コーチ時代も含めて、17年間このチームに携わってきた経験値などを含めて、花田監督にいろいろ提案、協議をしながら、2人で“令和版”の強くて魅力ある早稲田大学競走部を作るために貢献していきたいと思います」と相楽氏。他に指導スタッフが入るかは未定だが、ひとまずは花田&相楽の2人体制で戦うことになる。 チームにとっては、まずは10月の箱根駅伝予選会突破が関門となる。そこは、花田監督のこれまでの指導者としての経験が生きてきそうだ。「上武大学で12年間、箱根駅伝を目指したチーム作りをやっていましたので、予選会のノウハウはあると思っています。ただ非常に高速化していますので、ノウハウを生かしつつも、GMOでの6年間の指導など、いろんなものをミックスしながら、確実に予選会を通るようなチーム作りをしていきたいなと思っています」 決して油断はないが、自信を覗かせる花田氏。新生早稲田がいよいよ指導。名門復活へ、その手腕に期待がかかる。 ■花田勝彦氏プロフィール 1971年6月12日生まれ、50歳。滋賀・彦根東高時代からインターハイで入賞するなど全国大会で活躍。早大入学後は1年から箱根駅伝に出場し、1年3区6位、2年3区3位と好走すると、3年では4区区間賞でチームの8年ぶりとなる総合優勝にも貢献した。卒業後はエスビー食品に入社。五輪には96年アトランタ、00年シドニーと2大会連続で出場を果たし、シドニーの10000mでは15位に入った。04年に引退後は上武大の駅伝監督に就任。16年から今年3月までGMOインターネットグループで指揮を執った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

PR

2025.04.16

人間スポーツ科学科を持つ公立高校が「O2Room®」を導入、スポーツコンディショニングの授業に活用

全国区で活躍する部活動もサポート 2016年に創立100周年を迎えた大阪の伝統校でもある府立桜宮高等学校。1980年にこれまでの普通科に加え大阪府内では初めてとなる体育科を新設し、さらに1999年にはスポーツ健康科学科を […]

NEWS 東京世界陸上競歩代表を発表!20km世界記録の山西利和、35km・川野将虎、女子は藤井菜々子、最多6度目の岡田ら

2025.04.16

東京世界陸上競歩代表を発表!20km世界記録の山西利和、35km・川野将虎、女子は藤井菜々子、最多6度目の岡田ら

日本陸連は4月16日、東京世界選手権の競歩代表9名を発表した。 男子20kmは2月の日本選手権を1時間16分10秒の世界新で制した山西利和(愛知製鋼)が4大会連続の代表に内定済みで、同2、3位の丸尾知司(愛知製鋼)、吉川 […]

NEWS 「Tokyo:Speed:Race」に太田智樹、近藤亮太、前田穂南、小林香菜らがエントリー! 海外トップ選手も参加 5月3日に神宮外苑で開催

2025.04.16

「Tokyo:Speed:Race」に太田智樹、近藤亮太、前田穂南、小林香菜らがエントリー! 海外トップ選手も参加 5月3日に神宮外苑で開催

アシックスは4月16日、さまざまなレベルのランナーが自己ベスト更新に挑戦できるレースイベント「Tokyo:Speed:Race」(5月3日)に出場するエリート選手のメンバーを発表した。 同大会はロードレースでは初となるペ […]

NEWS Athlete of The Year賞に北口榛花を選出! 2024年度「実業団陸上of The Year」発表

2025.04.15

Athlete of The Year賞に北口榛花を選出! 2024年度「実業団陸上of The Year」発表

日本実業団陸上競技連合は4月15日、2024年度「実業団陸上of The Year 表彰」の受賞者・受賞チームをホームページで発表し、個人賞のAthlete of The Year賞に8月のパリ五輪女子やり投で、マラソン […]

NEWS 神戸マラソンがMGCシリーズ加盟 愛知アジア大会、ロス五輪代表の選考へつながるレースに

2025.04.15

神戸マラソンがMGCシリーズ加盟 愛知アジア大会、ロス五輪代表の選考へつながるレースに

日本陸連は4月15日、「神戸マラソン2025」がMGCシリーズ2025-26に加盟したと発表した。 MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)シリーズは、前身のJMCシリーズを継承したもので、ポイントにより年間王者を決 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top