HOME 高校・中学

2022.05.30

【高校生FOCUS】女子棒高跳・村田蒼空(前橋女)「目標はインターハイ2連覇と高校新」
【高校生FOCUS】女子棒高跳・村田蒼空(前橋女)「目標はインターハイ2連覇と高校新」

FOCUS! 高校生INTERVIEW
村田蒼空 Murata Sora
前橋女3群馬

 活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介! 今回は昨年の福井インターハイ女子棒高跳で2年生Vを果たした村田蒼空選手(前橋女3群馬)にインタビューしました。今季も安定した試技で、5月5日の水戸招待では高校記録にあと10cmと迫る4m03(高校歴代4位)に成功しています。その後の大会では高校新記録に挑戦し、惜しい跳躍もあったとか。高校ラストシーズンへの意気込みや、普段の練習の様子、将来の目標などいろいろ聞いちゃいました。

北関東大会で高校新を!

――冬季練習はいかがでしたか?
村田 練習の最後に300m走を1本入れました。お陰で体力がついた感覚がありますし、順調に練習を積めたことが自信になりました。

――3月のU20日本室内大阪大会優勝(4m00)もその成果ですか?
村田 あの時は動きが全然ダメでした。でも、その中で4m00跳べたことや、その後の試合でもコンスタントに4m00を跳べるようになったことで、昨年より力がついた気がしています。

――群馬県大会前の水戸招待(5月5日)では高校歴代4位の4m03を跳びました。
村田 あの日は風が良くて、助走にもプラスに働きますし、ポールが立っていなくても風が押してくれるという追い風の良い条件でした。1年半ぶりぐらいの自己ベストだったのでうれしかったです。

――群馬県大会(5月15日)は大会新の4m00で優勝しました。
村田 優勝できたのは良かったですが、4m14に挑戦して跳べなくて悔しかったです。3本目が惜しくて、一瞬、「跳べたかな」と思ったのですが……。高校新は北関東大会にとっておきます。

広告の下にコンテンツが続きます

――今、使っているポールを教えてください。昨年のインターハイでは14フィート、135ポンドで跳んで、終盤にそれまでほとんど使ったことがない14フィート、140ポンドに替えていました。
村田 今のマックスポールが14フィート、145ポンドです。でも、それはまだ2試合ぐらいで毎回使えているわけでもないので、しっかり使いこなせるようにしたいです。

――高校最後のシーズンとなる今季の目標を教えてください。
村田 インターハイ2連覇と高校記録(4m13)の更新です。

――あらためて、2021年はどんなシーズンでしたか?
村田 2月上旬に左足を疲労骨折するなどケガから始まり、シーズン前半は勝てなくて悔しい思いもしましたが、インターハイを勝てたことで自信がつき、U18大会も勝ってとても良い1年でした。ただ、シーズン後半は何度か挑戦した高校記録(4m13)を跳べなかったことは少し残念でした。

――昨年のインターハイでは、優勝記録となった大会新の4m00が、一度バーが落ちたものの、風による落下でクリアが認められるなど、スリリングな展開でした。
村田 インターハイは夢の舞台だったので、始まってからずっと緊張していました。調子自体は悪くなかったですが、失敗の試技が多くて、ヒヤヒヤの試合展開でしたし、最後の4m00を跳ぶ前は心臓がバクバクでした。

将来は日本新と日本一

――陸上を始めたきっかけは?
村田 小学4年生の時、母に勧められて受けた群馬県のスーパーキッズプロジェクトに合格してからです。最初はポールも曲げられなくて、基礎的なことばかりでしたが、先生たちが楽しく教えてくれました。あの頃が一番棒高跳を楽しんでいたかもしれません。

――普段はどのように練習していますか?
村田 週2回は学校で主に走練習をやって、残りの日は地元のクラブ、ベルアスレチックスジャパンで跳躍練習をしています。放課後に電車で1時間かけてクラブ練習拠点のベルドームに通い、練習は2~3時間ですね。

――指導者は顧問の濵名愛先生は、2014年日本選手権女子棒高跳で優勝しています。
村田 濵名先生には学校でのトレーニングを見てもらい、技術面は基本的にベルアスレチックスジャパンの田中光コーチに指導していただいています。

――群馬には強い高校生が多くいますね。
村田 大会では戦う全員がライバルだと思っています。負けず嫌いなので、誰にも負けないようにがんばりたいです。

――棒高跳の魅力を教えてください。
村田 自分の力でポールを曲げて、空高く舞えるところですね。

――趣味や興味のあることは?
村田 うーん……何だろう。結構、すぐに棒高跳のことを考えてしまいます。家に帰っても自分の練習の動画を見たりしています。

――学校の授業は?得意な教科は?
村田 得意と言えるかわかりませんが、解答が明確な数学が好きで、苦手なのは英語です。実は、練習で疲れてしまって集中できないことがあります……。

――将来的な目標を教えてください。
村田 棒高跳では日本記録(4m40)を塗り替えたいですし、日本選手権でも優勝したいです。女子の棒高跳は世界と差があるので、まずは日本一になることを目指したいです。

――競技以外での目標は?
村田 まだどんな仕事ができるかわかりませんので、大学に進学して見つけていきたいと思っています。

◎むらた・そら/2004年4月30日生まれ。群馬・渋川北中→前橋女高。小学4年で棒高跳を始め、小学校時代のベストは2m60(室内)。中学では全中種目に女子棒高跳がなく、主に県内の競技会で試合を重ねた。中3の2019年に室内で3m80の当時中学歴代2位タイ(現・中学歴代3位タイ)を跳んでいる。高1で4m00(室内)をマークすると、高2の昨年はインターハイ、U18大会を制した。自己ベストは棒高跳4m03(2022年)、100m12秒88(2021年)

構成/小野哲史

FOCUS! 高校生INTERVIEW 村田蒼空 Murata Sora 前橋女3群馬  活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介! 今回は昨年の福井インターハイ女子棒高跳で2年生Vを果たした村田蒼空選手(前橋女3群馬)にインタビューしました。今季も安定した試技で、5月5日の水戸招待では高校記録にあと10cmと迫る4m03(高校歴代4位)に成功しています。その後の大会では高校新記録に挑戦し、惜しい跳躍もあったとか。高校ラストシーズンへの意気込みや、普段の練習の様子、将来の目標などいろいろ聞いちゃいました。

北関東大会で高校新を!

――冬季練習はいかがでしたか? 村田 練習の最後に300m走を1本入れました。お陰で体力がついた感覚がありますし、順調に練習を積めたことが自信になりました。 ――3月のU20日本室内大阪大会優勝(4m00)もその成果ですか? 村田 あの時は動きが全然ダメでした。でも、その中で4m00跳べたことや、その後の試合でもコンスタントに4m00を跳べるようになったことで、昨年より力がついた気がしています。 ――群馬県大会前の水戸招待(5月5日)では高校歴代4位の4m03を跳びました。 村田 あの日は風が良くて、助走にもプラスに働きますし、ポールが立っていなくても風が押してくれるという追い風の良い条件でした。1年半ぶりぐらいの自己ベストだったのでうれしかったです。 ――群馬県大会(5月15日)は大会新の4m00で優勝しました。 村田 優勝できたのは良かったですが、4m14に挑戦して跳べなくて悔しかったです。3本目が惜しくて、一瞬、「跳べたかな」と思ったのですが……。高校新は北関東大会にとっておきます。 ――今、使っているポールを教えてください。昨年のインターハイでは14フィート、135ポンドで跳んで、終盤にそれまでほとんど使ったことがない14フィート、140ポンドに替えていました。 村田 今のマックスポールが14フィート、145ポンドです。でも、それはまだ2試合ぐらいで毎回使えているわけでもないので、しっかり使いこなせるようにしたいです。 ――高校最後のシーズンとなる今季の目標を教えてください。 村田 インターハイ2連覇と高校記録(4m13)の更新です。 ――あらためて、2021年はどんなシーズンでしたか? 村田 2月上旬に左足を疲労骨折するなどケガから始まり、シーズン前半は勝てなくて悔しい思いもしましたが、インターハイを勝てたことで自信がつき、U18大会も勝ってとても良い1年でした。ただ、シーズン後半は何度か挑戦した高校記録(4m13)を跳べなかったことは少し残念でした。 ――昨年のインターハイでは、優勝記録となった大会新の4m00が、一度バーが落ちたものの、風による落下でクリアが認められるなど、スリリングな展開でした。 村田 インターハイは夢の舞台だったので、始まってからずっと緊張していました。調子自体は悪くなかったですが、失敗の試技が多くて、ヒヤヒヤの試合展開でしたし、最後の4m00を跳ぶ前は心臓がバクバクでした。

将来は日本新と日本一

――陸上を始めたきっかけは? 村田 小学4年生の時、母に勧められて受けた群馬県のスーパーキッズプロジェクトに合格してからです。最初はポールも曲げられなくて、基礎的なことばかりでしたが、先生たちが楽しく教えてくれました。あの頃が一番棒高跳を楽しんでいたかもしれません。 ――普段はどのように練習していますか? 村田 週2回は学校で主に走練習をやって、残りの日は地元のクラブ、ベルアスレチックスジャパンで跳躍練習をしています。放課後に電車で1時間かけてクラブ練習拠点のベルドームに通い、練習は2~3時間ですね。 ――指導者は顧問の濵名愛先生は、2014年日本選手権女子棒高跳で優勝しています。 村田 濵名先生には学校でのトレーニングを見てもらい、技術面は基本的にベルアスレチックスジャパンの田中光コーチに指導していただいています。 ――群馬には強い高校生が多くいますね。 村田 大会では戦う全員がライバルだと思っています。負けず嫌いなので、誰にも負けないようにがんばりたいです。 ――棒高跳の魅力を教えてください。 村田 自分の力でポールを曲げて、空高く舞えるところですね。 ――趣味や興味のあることは? 村田 うーん……何だろう。結構、すぐに棒高跳のことを考えてしまいます。家に帰っても自分の練習の動画を見たりしています。 ――学校の授業は?得意な教科は? 村田 得意と言えるかわかりませんが、解答が明確な数学が好きで、苦手なのは英語です。実は、練習で疲れてしまって集中できないことがあります……。 ――将来的な目標を教えてください。 村田 棒高跳では日本記録(4m40)を塗り替えたいですし、日本選手権でも優勝したいです。女子の棒高跳は世界と差があるので、まずは日本一になることを目指したいです。 ――競技以外での目標は? 村田 まだどんな仕事ができるかわかりませんので、大学に進学して見つけていきたいと思っています。 ◎むらた・そら/2004年4月30日生まれ。群馬・渋川北中→前橋女高。小学4年で棒高跳を始め、小学校時代のベストは2m60(室内)。中学では全中種目に女子棒高跳がなく、主に県内の競技会で試合を重ねた。中3の2019年に室内で3m80の当時中学歴代2位タイ(現・中学歴代3位タイ)を跳んでいる。高1で4m00(室内)をマークすると、高2の昨年はインターハイ、U18大会を制した。自己ベストは棒高跳4m03(2022年)、100m12秒88(2021年) 構成/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.26

東京世界陸上へ吉田祐也、佐藤早也伽ら「日本のマラソン界で一番元気のある選手」選考レースの結果重視で選出

日本陸連は3月26日に理事会が開催され、東京世界選手権マラソン代表5名を発表した。 男子は選考レースの成績から吉田祐也(GMOインターネットグループ)と近藤亮太(三菱重工)が選出。女子は安藤友香(しまむら)、小林香菜(大 […]

NEWS 日本選手権の大会要項と競技実施日が発表! 男子100mは初日に予選、準決勝 2日目に決勝 女子やり投は1日目に実施

2025.03.26

日本選手権の大会要項と競技実施日が発表! 男子100mは初日に予選、準決勝 2日目に決勝 女子やり投は1日目に実施

日本陸連は3月26日、第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場)の大会要項ならびに競技実施日を発表した。 今年の日本選手権は9月に行われる東京世界選手権の選考会を兼ねて実施される。昨年まではU20日本選手権 […]

NEWS 東京世界陸上マラソン代表が発表!男子は吉田祐也、近藤亮太、女子は安藤友香、佐藤早也伽、小林香菜の5名 小山直城は資格取得後に

2025.03.26

東京世界陸上マラソン代表が発表!男子は吉田祐也、近藤亮太、女子は安藤友香、佐藤早也伽、小林香菜の5名 小山直城は資格取得後に

日本陸連は3月26日に理事会を開催し、東京世界選手権マラソン代表を発表した。 男子は吉田祐也(GMOインターネットグループ)、近藤亮太(三菱重工)の2名。女子は安藤友香(しまむら)、佐藤早也伽(積水化学)、小林香菜(大塚 […]

NEWS 日本選手権まであと100日 キービジュアル第1弾公開! 9月の東京世界陸上代表選考会

2025.03.26

日本選手権まであと100日 キービジュアル第1弾公開! 9月の東京世界陸上代表選考会

日本陸連は3月26日、第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場)まであと100日を迎えて、キービジュアルの第1弾を公開した。 日本選手権の国立競技場の開催は、2005年以来20年ぶりで、今秋の東京世界選手権 […]

NEWS やり投・北口榛花が奄美大島で合宿「初戦までに形を見つけたい」世界選手権連覇へ「プレッシャーはない」

2025.03.26

やり投・北口榛花が奄美大島で合宿「初戦までに形を見つけたい」世界選手権連覇へ「プレッシャーはない」

女子やり投の北口榛花(JAL)が合宿先の鹿児島県・奄美大島で会見を開いた。 昨年のパリ五輪で女子トラック&フィールド種目初の金メダルを獲得した北口。2月中旬から約1ヵ月はスペインのテネリフェ島で合宿を積んで一時帰国し、3 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top