2022.05.20
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第146回「陸上世界選手権ヒストリー」(大久保雅文)
陸上競技の世界選手権は、陸上のナンバーワンを決める大会として、1983年にスタート。今年7月に米国オレゴン州ユージンで行われる大会が18回目の世界選手権となります。
陸上競技は太古の昔より行われているスポーツですので、「世界選手権は意外と新しい大会だな」と感じた方もいるでしょう。そこで、今回は世界陸上競技選手権の成り立ちや歴史について紹介します。
陸上の世界一決定戦を決める大会を行うという構想は、1900年初頭からあったといわれています。19世紀末には各国で国内選手権が開催され、1896年の第1回近代五輪では12種目が実施されました。ただ、当時は大きな国際規模の大会を開催することは容易なことではなく、1913年に発足した国際陸連(現・世界陸連)は「オリンピックが世界選手権としての役割を持つ」という決定をしています。
その後、50年以上「五輪=世界選手権」という考えが定着していましたが、1960年頃から陸上競技独自の世界選手権を開催しようという機運が高まりました。
そんなときに、1976年のモントリオール五輪で男子50km競歩が実施種目から除外されてしまいます。これまで開催されてきた世界一決定戦がなくなったことで、国際陸連は代替大会として同年にスウェーデンで50km競歩の世界大会を開催。これが、国際陸連が主催した最初の世界的な国際競技会でした。また、80年のモスクワ五輪では国際陸連が希望していた女子3000mと400mハードルの実施が見送られたため、オランダで2種目の世界選手権が行われました。
さらに、モスクワ五輪は政治的な理由で多数の国が参加をボイコットする事件も起きます。それを前後して、いよいよ国際陸連独自の世界選手権の開催が望まれるようになり、1983年にフィンランドのヘルシンキで第1回大会が開催されることになったのです。
ヘルシンキ大会は153の国と地域から1300人が参加し、男女41種目が行われました。この大会では当時22歳のカール・ルイスが男子100m、走幅跳、4×100mリレーの3冠を獲得。800mのセバスチャン・コー(英国)、棒高跳のセルゲイ・ブブカが優勝するなど、スターたちの圧倒的なパフォーマンスで盛り上がりを見せ、大成功で幕を閉じました。その後、第3回の1991年東京大会までは4年周期、その後は2年周期で開催されています。回を重ねるごとに実施種目数も増え、前回のドーハでは男女混成4×400mリレーが追加されて全49種目が行われています。
今年は米国初開催のユージン、来年はハンガリーのブダペストが舞台。そして、2025年の第20回大会の開催地にはケニア、ポーランド、シンガポールと並び、日本(東京)も立候補しています。開催地を決めるカウンシル会議は今年7月に行われますが、ぜひ日本で3度目となる世界選手権開催に期待したいところです。
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場 |
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編集部コラム第68回「都道府県対抗 男子十種競技選手権」(大久保)
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編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
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編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
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編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
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編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
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陸上競技の世界選手権は、陸上のナンバーワンを決める大会として、1983年にスタート。今年7月に米国オレゴン州ユージンで行われる大会が18回目の世界選手権となります。 陸上競技は太古の昔より行われているスポーツですので、「世界選手権は意外と新しい大会だな」と感じた方もいるでしょう。そこで、今回は世界陸上競技選手権の成り立ちや歴史について紹介します。 陸上の世界一決定戦を決める大会を行うという構想は、1900年初頭からあったといわれています。19世紀末には各国で国内選手権が開催され、1896年の第1回近代五輪では12種目が実施されました。ただ、当時は大きな国際規模の大会を開催することは容易なことではなく、1913年に発足した国際陸連(現・世界陸連)は「オリンピックが世界選手権としての役割を持つ」という決定をしています。 その後、50年以上「五輪=世界選手権」という考えが定着していましたが、1960年頃から陸上競技独自の世界選手権を開催しようという機運が高まりました。 そんなときに、1976年のモントリオール五輪で男子50km競歩が実施種目から除外されてしまいます。これまで開催されてきた世界一決定戦がなくなったことで、国際陸連は代替大会として同年にスウェーデンで50km競歩の世界大会を開催。これが、国際陸連が主催した最初の世界的な国際競技会でした。また、80年のモスクワ五輪では国際陸連が希望していた女子3000mと400mハードルの実施が見送られたため、オランダで2種目の世界選手権が行われました。 さらに、モスクワ五輪は政治的な理由で多数の国が参加をボイコットする事件も起きます。それを前後して、いよいよ国際陸連独自の世界選手権の開催が望まれるようになり、1983年にフィンランドのヘルシンキで第1回大会が開催されることになったのです。 ヘルシンキ大会は153の国と地域から1300人が参加し、男女41種目が行われました。この大会では当時22歳のカール・ルイスが男子100m、走幅跳、4×100mリレーの3冠を獲得。800mのセバスチャン・コー(英国)、棒高跳のセルゲイ・ブブカが優勝するなど、スターたちの圧倒的なパフォーマンスで盛り上がりを見せ、大成功で幕を閉じました。その後、第3回の1991年東京大会までは4年周期、その後は2年周期で開催されています。回を重ねるごとに実施種目数も増え、前回のドーハでは男女混成4×400mリレーが追加されて全49種目が行われています。 今年は米国初開催のユージン、来年はハンガリーのブダペストが舞台。そして、2025年の第20回大会の開催地にはケニア、ポーランド、シンガポールと並び、日本(東京)も立候補しています。開催地を決めるカウンシル会議は今年7月に行われますが、ぜひ日本で3度目となる世界選手権開催に期待したいところです。大久保雅文(おおくぼ・まさふみ)
月刊陸上競技編集部
1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場 |
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