HOME ニュース、国内

2022.05.04

飯塚翔太が”完全復活”を印象づける逆転V 世界選手権標準に迫る20秒34/静岡国際
飯塚翔太が”完全復活”を印象づける逆転V 世界選手権標準に迫る20秒34/静岡国際


◇静岡国際(5月3日/静岡・エコパスタジアム)

静岡国際のフィナーレを飾るグランプリ男子200mA決勝。予選で3年ぶりの自己ベスト(20秒40)を叩き出した犬塚渉(スズキ)が果敢に攻め込んだ。前半でリードを奪ったが、後半は”地元の英雄”が猛然と追いかけた。飯塚翔太(ミズノ)は犬塚の背後に近づくと、ゴール手前で大逆転。20秒34(-0.4)の好タイムで連覇を飾った。2位の犬塚は20秒41、3位の上山紘輝(住友電工)は20秒46。昨年の日本選手権王者・小池祐貴(住友電工)は上山と同タイムの4位だった。

飯塚は昨年6月に右膝を痛めた影響もあり、東京五輪の200mは予選で敗退。ビッグイヤーはケガに泣いた。「去年は右膝のケガがあって、練習が全然できませんでした。でも、冬季はいい練習が積めていたんです。今日は自信を持って臨みました」と飯塚。予選で20秒43(+1.5)を刻むと、決勝では絶好調の犬塚を後半の圧倒的なスピードで一蹴した。

「昨季までの走りを振り返ると、後半に失速する原因は腕が先行しちゃって、腕と脚のタイミングが合わないところにあったんです。今季は手脚のリズムを合わせるのをテーマにしてきました。その部分に集中できたことで、後半も余力がありましたね」

飯塚が話すには着地した瞬間に手が腰の横を通るのが理想だという。走りのバランスを修正したことで、持ち味であった後半の走りにキレが出てきた。

今後は5月中旬の東日本実業団選手権を経て、6月前半の日本選手権に向かう予定。オレゴン世界選手権の参加標準記録(20秒24)を突破していないが、世界を目指す姿勢と自信は失っていない。

広告の下にコンテンツが続きます

「タイムを狙って走るとうまくいかないことが多いんです。自分の走りに徹することが結果的にタイムにつながる。日本選手権も自分のレースに集中したいと思っています。今季一番の目標はオレゴン世界選手権です。決勝に残れるように頑張りたい。世界選手権とアジア大会の両方で出られるように準備して、久しぶりに自己ベストも更新したいですね」

6月25日に31歳を迎える飯塚。かつてのライバルたちがグラウンドを去っているが、3度の五輪を経験した男は貪欲に世界を目指していく。
文/酒井政人

◇静岡国際(5月3日/静岡・エコパスタジアム) 静岡国際のフィナーレを飾るグランプリ男子200mA決勝。予選で3年ぶりの自己ベスト(20秒40)を叩き出した犬塚渉(スズキ)が果敢に攻め込んだ。前半でリードを奪ったが、後半は”地元の英雄”が猛然と追いかけた。飯塚翔太(ミズノ)は犬塚の背後に近づくと、ゴール手前で大逆転。20秒34(-0.4)の好タイムで連覇を飾った。2位の犬塚は20秒41、3位の上山紘輝(住友電工)は20秒46。昨年の日本選手権王者・小池祐貴(住友電工)は上山と同タイムの4位だった。 飯塚は昨年6月に右膝を痛めた影響もあり、東京五輪の200mは予選で敗退。ビッグイヤーはケガに泣いた。「去年は右膝のケガがあって、練習が全然できませんでした。でも、冬季はいい練習が積めていたんです。今日は自信を持って臨みました」と飯塚。予選で20秒43(+1.5)を刻むと、決勝では絶好調の犬塚を後半の圧倒的なスピードで一蹴した。 「昨季までの走りを振り返ると、後半に失速する原因は腕が先行しちゃって、腕と脚のタイミングが合わないところにあったんです。今季は手脚のリズムを合わせるのをテーマにしてきました。その部分に集中できたことで、後半も余力がありましたね」 飯塚が話すには着地した瞬間に手が腰の横を通るのが理想だという。走りのバランスを修正したことで、持ち味であった後半の走りにキレが出てきた。 今後は5月中旬の東日本実業団選手権を経て、6月前半の日本選手権に向かう予定。オレゴン世界選手権の参加標準記録(20秒24)を突破していないが、世界を目指す姿勢と自信は失っていない。 「タイムを狙って走るとうまくいかないことが多いんです。自分の走りに徹することが結果的にタイムにつながる。日本選手権も自分のレースに集中したいと思っています。今季一番の目標はオレゴン世界選手権です。決勝に残れるように頑張りたい。世界選手権とアジア大会の両方で出られるように準備して、久しぶりに自己ベストも更新したいですね」 6月25日に31歳を迎える飯塚。かつてのライバルたちがグラウンドを去っているが、3度の五輪を経験した男は貪欲に世界を目指していく。 文/酒井政人

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!

2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]

NEWS JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

2025.02.22

JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]

NEWS 【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2025.02.22

【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]

NEWS 円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

2025.02.22

円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]

NEWS 「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

2025.02.22

「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top