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2022.05.04

男子800mは薄田健太郎が日本歴代5位の1分46秒17で日本人トップ! 自己ベストを2秒以上も短縮/静岡国際
男子800mは薄田健太郎が日本歴代5位の1分46秒17で日本人トップ! 自己ベストを2秒以上も短縮/静岡国際


◇静岡国際(5月3日/静岡・エコパスタジアム)

タイムレースで行われた静岡国際の男子800m。有力選手がそろう最終組を前に”新星”が輝いた。2組目に入った薄田健太郎(筑波大)は400mを53秒ほどで通過すると、バックストレートでどんどん加速。終盤は後続を大きく引き離して、日本歴代5位&大会新となる1分46秒17で突っ走った。

日本記録を持つ川元奨(スズキ)と源裕貴(NTN)が走った3組目で、このタイムを上回ったのはブラッド・マサス(ニュージランド)だけ。薄田は総合でも2位に食い込んだ。

「自己ベストが1分48秒19だったので、まずは1分47秒台を目標にしていましたが、思ったより記録が出て自分でも驚いています。いつもは2周目のバックストレートでスピードを緩めてしまうけど、今日は強気に行けて、その流れに乗って最後まで走り切ることできました。500mを通過したところで加速するイメージで走れたのがすごく良かったと思います」

会心のレースで自己ベストを一気に2秒以上も短縮。圧巻のパフォーマンスで周囲をザワつかせた薄田は神奈川・希望ヶ丘高出身で、現在は大学院2年生だ。高校3年時にインターハイで8位に入っており、高校2年から大学3年までで自己ベストを4秒近くも短縮した。4年時(2020年)には日本選手権で5位入賞。予選で1分48秒19をマークしている。

「昨季(シーズンベストは1分48秒86)はだいぶくすぶってしまった」というが、昨春に高校トップクラスの成績を残してきた二見優輝が筑波大に入学。練習パートナーができたことで、トレーニングの質が向上したという。

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「筑波大は強い練習をガンガン積んでいくよりも、しっかりとレースのイメージを持ってきれいな動きで走り通すというスタイルです。そのなかで、二見君と切磋琢磨することができたのが大きな伸びにつながったかなと思います」

今季の目標は日本選手権の「表彰台」に設定していたが、今回の結果を踏まえて、上方修正。今後は日本選手の「優勝」を目指して取り組んでいくという。

「400mの自己ベストは48秒5~6で、1500mは3分51秒4。どちらもそこそこですし、自分では800mのペースの走りがうまいのかなと思っています。身長があるので、余裕のある動きができる。ストライドの大きなきれいな走りで駆け抜けるのが僕の目指す800mレースです」

身長は186cmもあり、800m世界記録保持者のデヴィッド・ルディシャ(ケニア)、2019年ドーハ世界選手権覇者のドナヴァン・ブレイジャー(米国)らの動画をよくチェックしているという薄田。活況の日本ミドルディスタンス界にまた楽しみな選手が登場した。
文/酒井政人

■男子800m日本歴代10傑
1.45.75 川元 奨(日大4)     14年
1.45.75 源 裕貴(環太平洋大4)  21年
1.45.85 金子魅玖人(中大2)    21年
1.46.16 横田真人(慶大4)     09年
1.46.17 薄田健太郎(筑波大M2)  22年
1.46.18 小野友誠(法大3)     94年
1.46.22 近野義人(ダイエー)    94年
1.46.49 四方悠瑚(宝塚市陸協)   22年
1.46.52 松本啓典(自衛隊体育学校) 10年
1.46.59 クレイ・アーロン竜波(相洋高3神奈川) 19年

◇静岡国際(5月3日/静岡・エコパスタジアム) タイムレースで行われた静岡国際の男子800m。有力選手がそろう最終組を前に”新星”が輝いた。2組目に入った薄田健太郎(筑波大)は400mを53秒ほどで通過すると、バックストレートでどんどん加速。終盤は後続を大きく引き離して、日本歴代5位&大会新となる1分46秒17で突っ走った。 日本記録を持つ川元奨(スズキ)と源裕貴(NTN)が走った3組目で、このタイムを上回ったのはブラッド・マサス(ニュージランド)だけ。薄田は総合でも2位に食い込んだ。 「自己ベストが1分48秒19だったので、まずは1分47秒台を目標にしていましたが、思ったより記録が出て自分でも驚いています。いつもは2周目のバックストレートでスピードを緩めてしまうけど、今日は強気に行けて、その流れに乗って最後まで走り切ることできました。500mを通過したところで加速するイメージで走れたのがすごく良かったと思います」 会心のレースで自己ベストを一気に2秒以上も短縮。圧巻のパフォーマンスで周囲をザワつかせた薄田は神奈川・希望ヶ丘高出身で、現在は大学院2年生だ。高校3年時にインターハイで8位に入っており、高校2年から大学3年までで自己ベストを4秒近くも短縮した。4年時(2020年)には日本選手権で5位入賞。予選で1分48秒19をマークしている。 「昨季(シーズンベストは1分48秒86)はだいぶくすぶってしまった」というが、昨春に高校トップクラスの成績を残してきた二見優輝が筑波大に入学。練習パートナーができたことで、トレーニングの質が向上したという。 「筑波大は強い練習をガンガン積んでいくよりも、しっかりとレースのイメージを持ってきれいな動きで走り通すというスタイルです。そのなかで、二見君と切磋琢磨することができたのが大きな伸びにつながったかなと思います」 今季の目標は日本選手権の「表彰台」に設定していたが、今回の結果を踏まえて、上方修正。今後は日本選手の「優勝」を目指して取り組んでいくという。 「400mの自己ベストは48秒5~6で、1500mは3分51秒4。どちらもそこそこですし、自分では800mのペースの走りがうまいのかなと思っています。身長があるので、余裕のある動きができる。ストライドの大きなきれいな走りで駆け抜けるのが僕の目指す800mレースです」 身長は186cmもあり、800m世界記録保持者のデヴィッド・ルディシャ(ケニア)、2019年ドーハ世界選手権覇者のドナヴァン・ブレイジャー(米国)らの動画をよくチェックしているという薄田。活況の日本ミドルディスタンス界にまた楽しみな選手が登場した。 文/酒井政人 ■男子800m日本歴代10傑 1.45.75 川元 奨(日大4)     14年 1.45.75 源 裕貴(環太平洋大4)  21年 1.45.85 金子魅玖人(中大2)    21年 1.46.16 横田真人(慶大4)     09年 1.46.17 薄田健太郎(筑波大M2)  22年 1.46.18 小野友誠(法大3)     94年 1.46.22 近野義人(ダイエー)    94年 1.46.49 四方悠瑚(宝塚市陸協)   22年 1.46.52 松本啓典(自衛隊体育学校) 10年 1.46.59 クレイ・アーロン竜波(相洋高3神奈川) 19年

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