◇木南記念(4月30日・5月1日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目
日本グランプリシリーズ大阪大会の木南記念が行われ、3組タイムレースで行われた男子800mは、リオ五輪代表で日本記録保持者の川元奨(スズキ)が1分47秒02の大会新記録で2018年の日本選手権以来となるタイトルを獲得。1分45秒台のベストを持つ若手を抑え、復活の狼煙を上げた。
「大会1週間前の600mでベストを約2秒更新していたので、日本記録(1分45秒75)を更新するつもりで臨んだ」と話すように、ペースメーカーが400mを52秒で引っ張る直後を追走。2周目のバックストレートでペースメーカーが外れた後もしっかりリズムを切り替え、後続の追い上げを封じた。それでも「後半もいくぶん余裕があったので、400m手前で少しペースが速く感じて引いてしまったのが結果的にタイムに響いた。せっかくいいペースで進めてくれたのにもったいなかった」と、目指すタイムに届かず悔しさを滲ませた。
川元は好調の要因に冬季練習の充実を挙げる。昨夏のホクレンディスタンスで、2016年以来となる1分45秒台をマークしたあと、秋に主要レースがなかったことなどもあり両アキレス腱横の腱を取り除く手術を決めた。「あのレースでまだやれる自信が出た」と不安要素を取り除き、もう一度世界の舞台で勝負するための英断だった。
約2カ月間のリハビリの後、練習に復帰。「トレーナーさんとも相談しつつ、体型も絞ることで動きも軽くなった。好きな甘いものを控えるなど食生活にも気を配ってきた」と言い、さらにジョグの距離を伸ばすなどスタミナ強化にも取り組んだ。「何年かぶりに脚の痛みなどもなく日本記録を出したシーズンより充実した練習ができている」と笑顔で話す。
今大会で3位に入り、1分45秒85(日本歴代3位)のベストを持つ金子魅玖人(中大)と普段から練習を積む。「質の高い練習ができている」と互いに刺激し合うことでの相乗効果で日本記録更新、1分45秒20のオレゴン世界選手権標準突破を目論む。
次戦に静岡国際を予定しており、「今回をいい刺激練習と捉え、静岡に生かしたい。日本記録、標準突破の準備はできているので、練習の感覚をしっかり本番のレースで活かせるようにしたい」と川元。まだまだ若い選手には負けられない。源や金子ら若手の台頭もあり盛り上がりをみせる男子800m。男子短距離や男女ハードル陣のように誰かが壁を突破することで堰を切ったように、2人、3人と記録を破り、レベル引き上げられる。その先陣となるべく第一人者が再びスパートをかける。
文/花木 雫
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
WA加盟連盟賞に米国、インド、ポルトガルなどがノミネート 育成プログラム等を評価
-
2024.11.22
-
2024.11.22
-
2024.11.21
-
2024.11.21
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
マキシマム クッショニングを搭載した新作ランニングシューズ「ナイキ ボメロ 18」が登場!
ナイキは22日、全てのランナーに向け、マキシマム クッショニングとロードランニングの快適さに新しい基準をもたらす新作シューズ「ナイキ ボメロ 18」を発売することを発表した。 女性ランナーのニーズと詳細な意見を取り入れつ […]
2024.11.22
WA加盟連盟賞に米国、インド、ポルトガルなどがノミネート 育成プログラム等を評価
世界陸連(WA)は11月20日、ワールド・アスレティクス・アワード2024の「加盟国賞」の最終候補6カ国を発表した。この賞は年間を通して陸上競技の成長と知名度に貢献する功績をおさめた連盟を表彰するもので、各地域連盟から1 […]
2024.11.22
パリ五輪7位のクルガトが優勝!女子は地元米国・ヴェンダースがV/WAクロカンツアー
11月21日、米国テキサス州オースティンで世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールドのクロス・チャンプスが開催され、男子(8.0km)はパリ五輪5000m7位E.クルガト(ケニア)が22分51秒で、女子(8.0km […]
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会