織田記念の男子5000mで、4月9日の金栗記念選抜中長距離1500mを日本歴代2位の3分36秒59で制した三浦龍司(順大)が再び、圧巻のスパートを披露した。
レースは外国人選手が1周64秒ペースで引っ張る予定だったが、風が強かったこともあり、思うようにペースが上がらない。3000mは8分07秒で通過した。トップ集団に食らいついた日本勢は三浦、松枝博輝(富士通)、塩尻和也(富士通)の3人だった。
〝順大トリオ〟のなかで塩尻が脱落。残り2周で砂岡拓磨(コニカミノルタ)がトップ集団に追いつくと、ラスト1周で松枝が前に出た。三浦は松枝の背後で冷静にレースを進めると、最後の直線で切り替える。
抜群のスピードを見せつけて、東京五輪代表の松枝と13分22秒01のタイムを持つコスマス・ムワンギ(中国電力)を大逆転。13分32秒42で完勝した。
「13分20秒切りを狙っていたんですけど、会場に来たときから風が強かったので、心配していた部分もありました。そのなかではペースをきちんと刻むことができましたし、ゲームメイクもうまくできたかなと思います。最後はお決まりのパターンというか、自分のなかで武器としているラストスパートで勝ち切ることができて良かったです。タイムも今日のレースコンデイションを考えればまずまずじゃないでしょうか」
1500mで爆発的なスピードを発揮して、強風の5000mではタフでクレバーな走りを見せた。次は5月8日のセイコーゴールデングランプリで昨夏の東京五輪で7位入賞の快挙を果たした3000m障害に今季初参戦する。
「メインは3000m障害なので、今日のレースがサンショーにつながればいいなと思います。今シーズンはまだ走っていないので、障害の距離感などは不安ですけど、ゴールデングランプリで感覚をつかんで、オレゴン世界選手権にピークを合わせたいと思います」と三浦。東京・国立競技場のレースでもファンの心を熱くする走りを見せてくれそうだ。
文/酒井政人

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