HOME ニュース、国内

2022.04.29

福部真子が地元・広島で復活の兆し!100mH 13秒21で日本人トップの2位「12秒台は出る」/織田記念
福部真子が地元・広島で復活の兆し!100mH 13秒21で日本人トップの2位「12秒台は出る」/織田記念


◇織田記念(4月29日/広島・エディオンスタジアム)

アジア大会選考会を兼ねた日本グランプリシリーズ広島大会の「第56回織田記念」が4月29日に行われ、女子100mハードルは地元・広島出身の福部真子(日本建設工業)が好走した。

強みの前半から鋭く加速すると、最後はセレスト・ムッチ(豪州)と並ぶようにフィニッシュ。向かい風2.8mを突いて13秒21で、同タイムながら着差ありの2位だった。「勝ちたかったし、12秒台を狙っていたので13秒2はうれしくないです」と話すも、「やっと笑顔で取材エリアに来られました」と笑みを浮かべる。それだけ、苦しい時を過ごした。

広島皆実高時代、2011~13年までインターハイ100mハードルを3連覇。寺田明日香(恵庭北工、現・ジャパンクリエイト)以来の快挙を果たしているのが福部真子だった。日体大時代も苦しみ3年目まで自己ベストは更新できず。卒業後は練習環境を変え、ようやく軌道に乗って2019年に13秒13まで一気に成長を遂げた。

しかし、東京五輪を目指している中でコロナ禍が始まり、再び練習環境を変えなければいけない状況となる。精神的に追い込まれた福部は、「応援してくれる家族の近くで走りたい」と2020年12月に関東から地元・広島に戻る選択をした。

「走るのが嫌いになった」ところから、広島の空気を吸って福部は息を吹き返す。現在は週2回、広島大のコーチにハードル練習を見てもらい、それ以外は市内の競技場を活用しつつ低酸素トレーニングルームのあるジムにも通っている。課題であり「逃げていた部分があった」というスピード強化に励み、100mでは11秒96に突入。それでも「寺田さんや、青木(益未、七十七銀行)さんに比べたら全然」だという。

広告の下にコンテンツが続きます

12秒台は「条件が整えばいつでも出せる」と手応えをつかむ一方、「12秒8になるとまだまだ難しい」と自覚している。目標とする2年後のパリ五輪に向けて、12秒8を出して、「参加標準記録を突破して出場したい」と語る福部。「ただ、出たいだけ」だった東京五輪への道のりが終わり、次のオリンピックロードは「出て予選、準決勝で戦う」ことを見据えて進んでいる。

かつて類い稀なセンスで世代をリードした“天才ハードラー”が、苦難のハードルを乗り越えて地元・広島から「世界を目指すトップハードラー」へと変貌を遂げた。

◇青木益未は3位
日本記録保持者の青木益未(七十七銀行)は13秒25で3位。北陸実業団で12秒84の日本記録をマークしたあと、「身体に負荷がかかって少し脚に違和感が出た」と話すも、「今日は残念でしたが、スプリントは上がっています」と、世界選手権の参加標準記録12秒84の突破へ手応えをつかんでいる様子だった。

◇織田記念(4月29日/広島・エディオンスタジアム) アジア大会選考会を兼ねた日本グランプリシリーズ広島大会の「第56回織田記念」が4月29日に行われ、女子100mハードルは地元・広島出身の福部真子(日本建設工業)が好走した。 強みの前半から鋭く加速すると、最後はセレスト・ムッチ(豪州)と並ぶようにフィニッシュ。向かい風2.8mを突いて13秒21で、同タイムながら着差ありの2位だった。「勝ちたかったし、12秒台を狙っていたので13秒2はうれしくないです」と話すも、「やっと笑顔で取材エリアに来られました」と笑みを浮かべる。それだけ、苦しい時を過ごした。 広島皆実高時代、2011~13年までインターハイ100mハードルを3連覇。寺田明日香(恵庭北工、現・ジャパンクリエイト)以来の快挙を果たしているのが福部真子だった。日体大時代も苦しみ3年目まで自己ベストは更新できず。卒業後は練習環境を変え、ようやく軌道に乗って2019年に13秒13まで一気に成長を遂げた。 しかし、東京五輪を目指している中でコロナ禍が始まり、再び練習環境を変えなければいけない状況となる。精神的に追い込まれた福部は、「応援してくれる家族の近くで走りたい」と2020年12月に関東から地元・広島に戻る選択をした。 「走るのが嫌いになった」ところから、広島の空気を吸って福部は息を吹き返す。現在は週2回、広島大のコーチにハードル練習を見てもらい、それ以外は市内の競技場を活用しつつ低酸素トレーニングルームのあるジムにも通っている。課題であり「逃げていた部分があった」というスピード強化に励み、100mでは11秒96に突入。それでも「寺田さんや、青木(益未、七十七銀行)さんに比べたら全然」だという。 12秒台は「条件が整えばいつでも出せる」と手応えをつかむ一方、「12秒8になるとまだまだ難しい」と自覚している。目標とする2年後のパリ五輪に向けて、12秒8を出して、「参加標準記録を突破して出場したい」と語る福部。「ただ、出たいだけ」だった東京五輪への道のりが終わり、次のオリンピックロードは「出て予選、準決勝で戦う」ことを見据えて進んでいる。 かつて類い稀なセンスで世代をリードした“天才ハードラー”が、苦難のハードルを乗り越えて地元・広島から「世界を目指すトップハードラー」へと変貌を遂げた。 ◇青木益未は3位 日本記録保持者の青木益未(七十七銀行)は13秒25で3位。北陸実業団で12秒84の日本記録をマークしたあと、「身体に負荷がかかって少し脚に違和感が出た」と話すも、「今日は残念でしたが、スプリントは上がっています」と、世界選手権の参加標準記録12秒84の突破へ手応えをつかんでいる様子だった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!

2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]

NEWS JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

2025.02.22

JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]

NEWS 【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2025.02.22

【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]

NEWS 円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

2025.02.22

円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]

NEWS 「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

2025.02.22

「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top