◇名古屋ウィメンズマラソン2022(3月13日/バンテリンドーム ナゴヤ発着)
2019年ドーハ世界選手権金メダリストのルース・チェプンゲティチ(ケニア)が大会新記録の2時間17分18秒(女子単独レース世界歴代2位)で優勝。初マラソンの鈴木優花(大東大)は学生新記録の2時間25分02秒で日本人3番手の5位だった。
大東大のエース・鈴木が名古屋の街を颯爽と駆け抜けた。4年間の大学生活最後のレースに選んだのは〝初マラソン〟。スタートすると、2時間24分10秒ペースとなる1㎞3分25秒を刻む第2集団でレースを進めた。
中間点を1時間11分47秒で通過すると、ペースメーカーが25㎞で離脱。鈴木は30㎞までの5㎞を16分53秒とペースアップして、集団から抜け出した。
「今できる自分の走りを精一杯するだけだと思っていました。ペースメーカーが外れた後、一人旅になるとは予想していなかったので、不安もありましたが、自分らしく走ろうとうまく切り替えることができました」
30㎞以降は徐々にペースを落としたが、学生新で笑顔のフィニッシュ。前田彩里(佛教大/現・ダイハツ)が持っていた従来の学生記録(2時間26分46秒/2014年大阪国際)を1分44秒も塗り替えた。
「35㎞以降は本当にきつくて、とにかくもがいてMGC出場権を獲得できたのは大きな収穫だったかなと思います」
秋田・大曲高から大学に進んで急成長。2019年ユニバーシアードのハーフマラソンで金メダルを獲得すると、トラックや駅伝でも活躍した。そして、マラソンでも明るい将来を予感させた。
「サーキットトレーニングの成果もあり、30㎞までは思った以上に余裕を持って1km3分25秒のペースで行けたのかなと思います」
華々しい大学ラストレースを終えた鈴木は「これまで支えていただいた(外園隆)監督をはじめスタッフの皆さん、一緒に走ってくれた仲間、家族、友人、応援してくださるすべての方々に感謝の思いを伝えたいです。ありがとうございました」と周囲への思いを口にした。
半月後に第一生命グループへ入社。4月からは実業団ランナーとして〝新たな夢〟を追いかける。
「次はパリ五輪を目指していきます。メダルという大きな目標を掲げてやっていきたい」
ユニフォームを大東大のライトグリーンから、第一生命グループの赤色に変えて、世界を本格的に目指していく。
文/酒井政人
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