2022.03.04
東京五輪男子20km競歩銀メダルの池田向希(左)、銅メダルの山西利和(愛知製鋼)が参戦(写真=Mochizuki Jiro/Agence SHOT)
第29回世界競歩チーム選手権は3月4日~5日の2日間、オマーンの首都・マスカットで行われる。2020年にベラルーシ・ミンスクで開催予定だったがコロナ禍の影響で延期となり、中東に舞台を移して4年ぶりの開催を迎える。
中国・太倉で行われた18年の第28回大会は、日本は男子20km、50kmを個人、団体ともに制するなど大躍進。今大会も東京五輪代表5人をはじめとした布陣で、再び世界の頂点を取りに行く。なお、今回が50kmから35kmに変更される初の世界大会となる。
日本勢の口火を切るのは、4日16時(日本時間21時)スタートの女子20km。東京五輪代表の藤井菜々子(エディオン)がただ1人出場する。前回はU20の10kmで銅メダルを獲得。U20世界選手権10000m競歩4位などを経て、翌年のドーハ世界選手権7位へと一気に駆け上がった。東京五輪は13位で入賞を逃したが、またこの大会を世界へのステップとする。
5日は「連覇」がかかる男子が登場。まずは7時(日本時間12時)に35kmが行われ、東京五輪50km6位入賞の川野将虎(旭化成)、同じく東京五輪代表の勝木隼人(自衛隊体育学校)、髙橋和生(ADワークスグループ)の3人が出場する。
注目はやはり川野。35kmは初挑戦だが、50kmで3時間36分45秒の日本記録を持ち、20kmの自己ベストは日本歴代3位の1時間17分24秒とスタミナ、スピードを兼ね備え、最も適した距離と言えるかもしれない。五輪ではレース途中で嘔吐するアクシデントがありながらも入賞を確保。50kmだった前回は日本勢がメダル独占を果たしており、その歴史をつなぐことができるか。ライバルは東京五輪50km銅メダルのエヴァン・ダンフィー(カナダ)、15年北京世界選手権20km金メダルのミゲル・エンゼル・ロペス(スペイン)、中国勢らになりそうだ。
そして大会のフィナーレとして16時(日本時間21時)にスタートするのが男子20kmだ。前回王者の池田向希(旭化成)、ドーハ世界選手権金メダルの山西利和(愛知製鋼)、諏方元郁(愛知製鋼)の3人が挑む。
東京五輪は池田が銀メダル、山西が銅メダルを獲得し、同種目で日本に初の五輪メダルをもたらした。今大会はこの2人を抑えて金メダルに輝いたマッシモ・スタノ(イタリア)は不参加のため、海外勢を含めても実績はダントツ。エントリー選手の自己ベストでも日本歴代2位の1時間17分15秒を持つ山西、同4位の1時間17分25秒を持つ池田がワン・ツー。五輪メダリスト同士のマッチレースになる公算が高そうだ。
ともに五輪後の初レースで、東京では叶わなかった五輪金メダルに向けての、これが第一歩となる。
文/小川雅生
■世界競歩チーム選手権日本代表
・男子
20km競歩
池田向希(旭化成)
山西利和(愛知製鋼)
諏方元郁(愛知製鋼)
35km競歩
川野将虎(旭化成)
勝木隼人(自衛隊体育学校)
高橋和生(ADワークスグループ)
・女子
20km競歩
藤井菜々子(エディオン)
■タイムテーブル ※カッコ内は日本時間
3月4日
8:00(13:00) U20女子10km
9:10(14:10) U20男子10km
16:00(21:00) 女子20km
3月5日
7:00(12:00) 男女35km
16:00(21:00) 男子20km
※日本勢出場種目はYouTube『TBS陸上チャンネル』にてLIVE配信予定

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.28
-
2025.03.28
-
2025.03.28
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.29
齋藤みう3000m障害で9分41秒57 自己ベスト4秒以上更新して日本歴代6位、学生歴代2位
第319回日体大長距離競技会初日が3月29日、神奈川・横浜市の同大学健志台キャンパス競技場で行われ、女子3000m障害で齋藤みう(日体大4)が日本歴代6位、学生歴代2位の9分41秒57をマークした。 齋藤のこれまでのベス […]
2025.03.28
【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ
今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]
2025.03.28
【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]
2025.03.28
3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定
大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報