HOME ニュース、国内

2022.02.27

初挑戦で輝いた23歳・星岳 初マラソン日本最高&初代王者に/大阪・びわ湖毎日統合マラソン
初挑戦で輝いた23歳・星岳 初マラソン日本最高&初代王者に/大阪・びわ湖毎日統合マラソン


◇第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会(2月27日/大阪)

終盤の若手同士の激しいつばぜり合いを制したのは、初マラソンの社会人ルーキー・星岳(コニカミノルタ)だった。

38km過ぎ、1学年上の山下一貴(三菱重工)、浦野雄平(富士通)を突き放し、大会「初代王者」となるフィニッシュテープを切った。タイムも初マラソン日本最高となる2時間7分31秒。びわ湖毎日マラソンのラストレースだった昨年の大会で作田将希(JR東日本)が出した従来の記録(2時間7分42秒)を11秒塗り替えた。

「初マラソンだけど、しっかり前のほうで勝負できると思っていた。でも、優勝は考えていなかった。ちょっとでき過ぎかなと思うぐらいだけど、うれしい」

14の橋を渡り、5つの折り返し、カーブも多数という難コースながら1km3分前後の好ペースでレースが推移。その中で星は「30kmまでは集団の人数も多かったけど、でも勝負はラストになると思っていた」と落ち着いていた。

優勝争いの人数が徐々に絞られ、1時間45分38秒で通過した35km付近からは山下、浦野との三つ巴の争いに。それでも、「きつさを感じたけど、そこは後ろに下がって引っ張ってもらって回復できた」。虎視眈々と、冷静に走り続けたことが、勝負所に生きた。

広告の下にコンテンツが続きます

宮城・明成高、帝京大出身の23歳。大学時代は箱根駅伝に3度出走し、2年時は10区で区間賞、3,4年時には2区を走った。4年時にはキャプテンも務めている。

トラックでは10000mの自己ベストが28分14秒12と目立った成績はないが、ロードで力を発揮してきた選手。実業団入りしてからも、正月のニューイヤー駅伝でエース区間4区を早くも担うなど、着実に力をつけてきた。

オレゴン世界選手権代表選考のポイントとなる派遣設定記録(2時間7分53秒)を突破し、パリ五輪代表選考レースのマラソングランドチャンピオンシップの出場権も手にした。

「今後もマラソン中心に上を見てがんばっていきたい」。その名のように、自分が輝く舞台をしっかりと見据え、さらなる飛躍を目指していく。

■大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会 男子上位成績
1位 星  岳(コニカミノルタ) 2.07.31=初マラソン日本最高
2位 山下一貴(三菱重工) 2.07.42
3位 浦野雄平(富士通) 2.07.52=初マラソン歴代4位
4位 丸山文裕(旭化成) 2.07.55
5位 岡本直己(中国電力) 2.08.04=37歳日本最高
6位 今井正人(トヨタ自動車九州) 2.08.12
7位 山本憲二(マツダ) 2.08.38
8位 武田凜太郎(ヤクルト) 2.08.48
9位 川内優輝(あいおいニッセイ同和損保) 2.08.49
10位 村本一樹(住友電工) 2.08.50

■初マラソン日本歴代10傑
2.07.31 星  岳(コニカミノルタ)NEW
2.07.42 作田将希(JR東日本)
2.07.47 西山雄介(トヨタ自動車)
2.07.52 浦野雄平(富士通)NEW
2.07.54 足羽純実(Honda)
2.08.10 山下一貴(三菱重工)
2.08.12 藤原正和(中大)
2.08.13 土井大輔(黒崎播磨)
2.08.30 吉田祐也(青学大)
2.08.30 古賀淳紫(安川電機)

◇第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会(2月27日/大阪) 終盤の若手同士の激しいつばぜり合いを制したのは、初マラソンの社会人ルーキー・星岳(コニカミノルタ)だった。 38km過ぎ、1学年上の山下一貴(三菱重工)、浦野雄平(富士通)を突き放し、大会「初代王者」となるフィニッシュテープを切った。タイムも初マラソン日本最高となる2時間7分31秒。びわ湖毎日マラソンのラストレースだった昨年の大会で作田将希(JR東日本)が出した従来の記録(2時間7分42秒)を11秒塗り替えた。 「初マラソンだけど、しっかり前のほうで勝負できると思っていた。でも、優勝は考えていなかった。ちょっとでき過ぎかなと思うぐらいだけど、うれしい」 14の橋を渡り、5つの折り返し、カーブも多数という難コースながら1km3分前後の好ペースでレースが推移。その中で星は「30kmまでは集団の人数も多かったけど、でも勝負はラストになると思っていた」と落ち着いていた。 優勝争いの人数が徐々に絞られ、1時間45分38秒で通過した35km付近からは山下、浦野との三つ巴の争いに。それでも、「きつさを感じたけど、そこは後ろに下がって引っ張ってもらって回復できた」。虎視眈々と、冷静に走り続けたことが、勝負所に生きた。 宮城・明成高、帝京大出身の23歳。大学時代は箱根駅伝に3度出走し、2年時は10区で区間賞、3,4年時には2区を走った。4年時にはキャプテンも務めている。 トラックでは10000mの自己ベストが28分14秒12と目立った成績はないが、ロードで力を発揮してきた選手。実業団入りしてからも、正月のニューイヤー駅伝でエース区間4区を早くも担うなど、着実に力をつけてきた。 オレゴン世界選手権代表選考のポイントとなる派遣設定記録(2時間7分53秒)を突破し、パリ五輪代表選考レースのマラソングランドチャンピオンシップの出場権も手にした。 「今後もマラソン中心に上を見てがんばっていきたい」。その名のように、自分が輝く舞台をしっかりと見据え、さらなる飛躍を目指していく。 ■大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会 男子上位成績 1位 星  岳(コニカミノルタ) 2.07.31=初マラソン日本最高 2位 山下一貴(三菱重工) 2.07.42 3位 浦野雄平(富士通) 2.07.52=初マラソン歴代4位 4位 丸山文裕(旭化成) 2.07.55 5位 岡本直己(中国電力) 2.08.04=37歳日本最高 6位 今井正人(トヨタ自動車九州) 2.08.12 7位 山本憲二(マツダ) 2.08.38 8位 武田凜太郎(ヤクルト) 2.08.48 9位 川内優輝(あいおいニッセイ同和損保) 2.08.49 10位 村本一樹(住友電工) 2.08.50 ■初マラソン日本歴代10傑 2.07.31 星  岳(コニカミノルタ)NEW 2.07.42 作田将希(JR東日本) 2.07.47 西山雄介(トヨタ自動車) 2.07.52 浦野雄平(富士通)NEW 2.07.54 足羽純実(Honda) 2.08.10 山下一貴(三菱重工) 2.08.12 藤原正和(中大) 2.08.13 土井大輔(黒崎播磨) 2.08.30 吉田祐也(青学大) 2.08.30 古賀淳紫(安川電機)

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.28

【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]

NEWS 【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

2025.03.28

【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]

NEWS 3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

2025.03.28

3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]

NEWS 資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

2025.03.28

資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

旭化成は3月28日、所属選手である競歩の池田向希が受けたアンチ・ドーピング規則違反による4年間の資格停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行ったと発表した。 男子20km競歩で東京五輪銀メダリスト […]

NEWS 【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

2025.03.28

【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

3月28日、東京都多摩市の国士大多摩陸上競技場で第7回国士大競技会が行われ、高校用規格の男子円盤投(1.75kg)において福宮佳潤(東京高1)が50m73をマークした。この記録は高校1年生の歴代ランキングで2位。高1で史 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top